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青が霞む  作者: いつ
8/16

8

愛おしくて何度も彼女の名前を口にする。


家に帰っても家族にも、風呂の鼻歌だって、彼女の名前を言う。

バカみたいに大好きで、バカみたいに大切で。

愛おしくて大切で、いつの間にか彼女の存在がとても離れがたいものになっていた。


嬉しくて大事で可愛くてご飯の時もずっと見てしまう。

笑う彼女が愛おしい。

少しドジな彼女をいつも心配してしまう。

俺はまだ彼女から「好き」という言葉を聞いていない。


“先輩”と彼女は言う。

敬語で話す。

俺は彼女より4つも歳が上だ。

まだ彼女にとっては“先輩”なのだろうか。


「どうしたものか。」

俺はまだ彼女に恋愛感情を向けられていないのだろうか。

時々今は不安になる。



気分転換に彼女の名前を言いながら風呂で熱唱した。


「……アンタ、何してんの。」

カラカラっと風呂の戸を開けながら母親にツッコミを入れられた。


思わず驚いて彼女の名前を呟いた。

「びゃぁこ…。」


その時の母親の顔は明らかに呆れていた。

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