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青が霞む  作者: いつ
5/16

5

「ね、手をつなぎたい。嫌じゃなければだけど。」


水族館に向かう途中、唐突に彼はそう言った。


「いいですよ。」


「はい。」と私は言いながら手のひらで上から彼の指4本をガシッと持った。


「んー、ん…?思っていたのと違います、パイセン。」

そう彼は首を傾け、眉間にシワを寄せながら冗談交じりに言った。


「え?手を繋ぐのでしょう、こうやって。」

私はもう一度「ほら。そもそも先輩は自分でしょ。」と呟きながら彼に繋いだ手を見せると、


「これ迷子の子繋ぎ方!恋人繋ぎが良かったんです!パイセン違います!」

彼は抗議をしながら「こうなの!!」と握り直した。

「…これはあれですね。こうやって上に持ってくと。ほら、目潰しの呪文のポーズです。」

と返すと彼は、

「うわぁぁあ、目がぁぁあ!…じゃないのよ!」

とノリツッコミをした。

「ワクワクしました?」私がそう聞くと、

「普通はドキドキした?って聞くの!」

と笑いながら彼はツッコんだ。


そうかと思い、私は彼に質問した。

「“ドキドキしました?”」

「…何も?手を繋げたのは得をしました。」


割と素直な彼でした。

ドキドキって難しい。

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