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あの日から仕事で先輩はニヤニヤする。
事あるごとに絡んでくる。
前よりも目が合う。
最近仕事から帰ると
「お疲れ様!わこちゃん大好き!」
「ちゃんと寝れている?」
「自分大事にしない子は嫌い」
と、たくさんメッセージが送られる。
ある晩は好きなアニメの話をした。
またある日は漫画の話をした。
別の日ではゲームの話をした。
彼は二人で行きたい場所の話をした。
私が返事をするとすぐに返事が来た。
「お風呂行ってきます(`・ω・)ゞ」
「お風呂出た!ご飯食べてきます!(`・ω・)ゞ」
「ご飯食べたー!( ̄3 ̄)=3」
それを見る度に少しずつ自分に向けられている好意を感じた。
その度に嬉しくもなった。
少しずつ私はそんな彼にドキドキした。
『〜♪♬』
メッセージの通知の音がした。
(あ。返事、来た。)
少しワクワクして開くと、
「次の休み、水族館に行こうよ!」
(水族館か。…何の服着ていこうかな。)
そう思いながら「分かりました。」と返事を送った。
『〜♪♬』
またメッセージの通知の音がした。
「何で敬語なのさ(=ε=)」
(全くこの人ときたら…。)
トトトッと文字をタップして送り直す。
「OK。楽しみですね。私赤身は食べられないんです。」
『〜♪♬』
また新たに彼からメッセージが届く。
「見る方なんだけど…?Σ( ̄[] ̄;)」
背が高くてどこか子どもで犬っぽい彼、
頑固で噛みつきそうな虎みたいな私とは違う可愛らしい人。
そんな彼から見ると私は可愛いらしい。
物好きもいたものだ、今にも後にも私はずっとそう思っていた。