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「この服でいいや。」私がそう言うと、としくんは「『この服でいいや』じゃなくて、この服がいいなとかこの服でいいかな?とかそうじゃないの?ねぇ、女の子!」とブツブツ言いながら「まぁ、良しとしましょう!」と私に謎の許可を出した。
緊張しながら、としくんが運転する車に乗った。
アパートから少し離れた道を走行中、運転している彼に話しかけていいのか分からず私は少しモジモジしながら声を掛けた。
「ねぇ、としくん。」と私が声を掛けると、
「はい、としおです。」といつも通りの彼の声がした。
「あのね、としくん。」と声を掛けると、
「はい、どうも。とし、としおでございます。」と彼はまたおちゃらけた。
この言葉を聞いて思わず私がふふっと笑うと、彼は「あ、笑った!」と嬉しそうに笑った。
くだらないね、としお。
私はそんなくだらないこの瞬間が好きだよ。
嬉しそうにするとしくんが好きで幸せだった。
「あのね、としくん。鍵閉め忘れました。」
私がそう言うと彼は時が止まったかのように石のように固まった。
「確認!!泥棒がいたら下着が盗まれる!今すぐ戻るから、確認!ねぇ、大事!!もう!!」
と慌てながら彼が言った。
「盗んでもパンツ破れていますよ。」
と私が言うと、
「ねぇ、女の子!!てか、捨てなさい!!」
「女の子もパンツは使い過ぎると破れます。」
「そういう問題じゃあないの!!」
彼がそう言うと私はブーと口を尖らせた。
「また戻ってごめんね。」と彼に謝ると「別にいいのよ。」と彼は笑って答えてくれた。
「とりあえず破れたパンツはどうにかしなさい。」と彼が言うので、私は渋々「分かりましたよ。」と答えた。
(パンツ、縫うか…。)
心の中でそう呟くと私達はまたアパートへと戻った。




