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その日、彼はとても早く来た。
優しい笑顔を浮かべて、彼は私が来るまで何度もアパートのインターホンを鳴らす。
ピンポンピンポンピン、ポーンピンポン、ピンポーンピンp…。
慌てて勢い良く扉を開けると、
「ども…(´๐_๐)」
何故か彼はしょんぼりした顔で挨拶をした。
何もしょんぼりすることはないため、これは彼なりのおふざけである。
「いや、押し過ぎです。というか、約束より早いです。」
と私が言うと、
「ブー(・ε・)敬語…。それよりも楽しみで!…というか服、部屋着?」
そう、まだ服が決まっていなかったのだ。
「…お気づきかもしれないですけど私小6から背が伸びていなくて。」
「わこちゃん、チビだもんね。わこちゃん敬語。」
間髪入れずに背の低さについてサラッという彼にムッとしながら私は続けた。
「…( 'ᾥ' )小6から伸びていないので、昔の服のままなんですよね。新しい服が高校の時の物しかなくて。」
そう言いながら私はワンピースをひらりと自分の体に当てた。
「わこちゃん、敬語ノー。俺的にはかわいい子好きだからアリよりのアリ。だけど、そうねぇ…。」
「いや、私可愛くないですし。それに関しては認識能力の欠如です。」
と彼にツッコミを入れると、
「わこちゃんは俺には可愛いの!!いいの!!わこちゃん、敬語ノンノ!」
「趣味悪…。」
私は照れながら彼を軽く睨むと、
「その上目遣い可愛い。背が低いと自然と上目遣いになるの本当に可愛い。あ、そうだ。」
と彼は急にポンッ!と手を打つと続けて
「俺の母さんの服を貸してあげるよ!家にたくさんあるから!だからどの服でもいいよ!」
と言った。
「そういう問題じゃないです!!というか、えぇ…どういうことですか?……としくんにとって可愛い服を着ていきたかったんです!」
と怒り半分恥ずかしさ半分で私が泣き叫ぶように訴えた。
「何それ…、選ぶ選ぶ選ぶ!!よし、服を一刻早く出してすぐ決めよう!それと、」
「それと?」
「わこちゃん、敬語!!今、ナウ!プライベート!アンダースタンド??ノー敬語!イエスタメ!」
と彼は土地狂ったことを言ってきた。
「…としくん、どの、服、似合うと思う?(*´・・)わこ、分からないです。……いきなりタメ口は少し照れます。」
私はそう言いながら恥ずかしさのあまり片手で耳を触った。
「ツンとデレが……。仕事とギャップありすぎですよ、わこさん。」
何故か彼は頭を抱えていた。
(やっぱりタメ口はやめた方がよさそう…。だけど、敬語は嫌って難しい。)
そう思いながら彼の小指をギュッと握りながら
「あの、としくん。タメ口でごめんね?」
と言うと
「そこじゃない!!」
何故か彼はそう言いながら私の手を握った。
手を握られたその時の私はモジモジしていた。
落ち着かなったのだ。
その理由は、
(早く服決めたい…。)
と思ったからだ。
服選びに悩みに悩んだ脳を早く休めたくなっていた。




