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蝉鳴村殺人事件  作者: 奥田光治
第二部 殺戮編
33/57

読者への挑戦状

 親愛なる読者諸君へ告ぐ。いよいよ、長かったこの物語も怒涛のクライマックスの時を迎えようとしている。しかしその前に一度目を閉じ、この複雑極まりない事件について思いをはせて頂きたい。果たして、今回蝉鳴村で発生したこの残虐無比な連続殺人事件の真犯人は一体誰なのだろうか。どれだけ残虐で非現実的であろうが、殺人事件である以上、そこには必ず真犯人が存在しなければならないはずである。読者諸君は我らが名探偵・榊原恵一よりも先に、今回蝉鳴村で発生したこの連続殺人事件の真相にたどり着く事ができるだろうか。


 前提条件として、本文に記された事象はすべて事実であり、トリックや犯人は超能力や宇宙人、果ては神や祟りや未知の病気などといった超常的な事象によるものでは絶対にありえない。今回の事件は全て、そうした超常現象をもはるかに上回る悪意を持つ、現実的な生身の人間の手により引き起こされたものである事は明言しておこう。また、今回蝉鳴村で発生した連続殺人事件の犯人はあくまで単独犯であり、その犯人は作中でフルネームが記された人物のいずれかであるという点はこの場で断言する次第である。

 もっとも、その条件に該当する人間は百名近くいるため、何の推理もせずに適当に犯人を指名したところで偶然犯人が当たる確率は単純計算で約百分の一……すなわち1%前後に過ぎない。つまり機械的な確率計算で考えた場合、この小説の犯人当ては真の意味で『正答率1%』という事になろう。

 しかし、これはあくまでも機械的な確率に過ぎない。登場人物が百名近いとは言ったが、明らかに犯人とは考えられない人物もそれなりにいるため、現実的に候補者となりうるのはその半分以下になるだろうし、そこから読者諸君がちゃんと推理さえすれば、この低確率をさらに引き上げる事は充分に可能である。無論、それができるかどうかは、全て読者諸君の推理力にかかっている次第であるが。


 もう、ここまで来れば多くは語るまい。すでに前作『イキノコリ』を読んだ上で本作に挑戦している百戦錬磨の読者であるならば、今回の蝉鳴村の事件のみならず、作中に記された数々の事件の真相を解き明かせるものと信じている。作者はただ、そんな謎解きに自信を持つ読者諸君に挑戦状を叩きつけるだけである。



 さぁ、世のなろう読者、ミステリマニア、及び謎解きに絶対的な自信を持つ者たちよ。



 今ここに、私は真っ向から諸君に挑戦する。



 この事件、解けるものならば解いてみるがいい!

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― 新着の感想 ―
夢中になって読ませていただいてます。 毎回楽しませていただいてますが、今作の興奮と高揚感は段違いです。 今までは解決編まで一挙掲載か既に完結済みという形でしか拝読できなかったので、リアルタイムで進行す…
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