二話(5)
と、言ったものの果たして俺らが着いて行っていいのか?
あくまでも姉貴の仕事だしな......
「姉貴、俺達が仕事手伝おうか?」
「いいのか?観光しに来たんじゃなかったっけ?」
「私がドラゴン見たいって言ったからここに来ました。観光ついでなので全然大丈夫です。」
ナイス言い訳。
......まぁ、ドラゴン討伐の任務だけどな。
脳みその詰まっていない姉貴にはここまで考えることは無いだろう。
「なら、今から討伐しに行こうか!!しばらく様子見してたが、奇怪な動きをしてるから討伐することにした!」
「どんな動きをするんだ?」
「普通、ドラゴンという生き物は山の頂上に住処を作るはずだろ?なのに滝の中の洞窟に住処を作ってたんだ!」
「滝の中......どういうことだ?」
普通の洞窟ならよくある話で、奇怪でもなんでもないが......滝の中は初耳だ。
あまり濡れるのを好まないドラゴンがわざわざ住処に選ぶのはおかしい。
人工的なのか、それとも......いや、考え難い。
「とりあえず案内しよう!」
「えいえいおー」
セラ、冒険ではないけど?
めっちゃ乗り気でワクワクしてるじゃん(笑)
まさかドラゴン見たいって言い訳した訳じゃなくて、本当に見たかったのか......真相は闇の中に。
「んで、絶対ご飯忘れてるよな?」
「あーそうだった!話に集中すると忘れてしまうんだよ!」
「よく知ってますよ......」
「お待たせしたね、竜の焼肉と白米だよ。」
朝からステーキは重たいです。
白米セットなのは嬉しいけど、食べるなら晩御飯だよな。
絶対姉貴の胃袋はおかしい。
「やった、竜の焼肉......最高。」
「気に入ってもらえたかい?さ、早く食べて食べて!」
「ハッハッハ!セラちゃんよ、私の選んだ料理だから間違いないに決まってるぞ!」
「ミトラスさん、流石。」
輪に入れてくれ。
朝食にステーキとか言う胃袋アタックサブマシンガンに耐性ある3名の方々よ、俺にも耐性を分けてくれると大変ありがたい。
――想定外だ。
俺はこんなことを聞いていない。
「マスター、ごちそうさまです。」
「......」
竜の焼肉ってめっちゃ高いの忘れてた......
姉貴はギルドから食費が出るから贅沢を出来ていただけで、そうじゃない俺とセラの分合わせたら魔道具普通に買えるぐらいの値段なんですが。
今月どうやってやり過ごせって言うんだ!
助けて、神様!
「よーし、腹いっぱい飯食ったことだし住処へ行くか!」
「おー。」
「俺のおっ......お金が......」
パーティは脳筋、無表情、金欠の3人で進めさせて頂きます。
どうぞよろしくお願いします。
「どれぐらい歩くんですか?30分程度......と予想してますが?」
「私で30分くらいだけど、ひょろひょろの2人なら1時間ぐらいじゃないか?!」
「ドラゴンの為に頑張る。マスター、おんぶして。」
「絶対いやだ。」
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