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奴隷少女と特殊性癖の男  作者: 井の中の蛙でも大海は知っている
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出会い

俗世間の一般的な性では満足できない男

奴隷として売り飛ばされ心を失った少女

ぎこちないながらも少女の失われた心を癒し、取り戻そうとする

その優しさに触れ少女自らも失われた心の欠片を探そうと苦悩する


 ある土砂降りの昼下がり、陽の光などとうの昔に忘れた暗闇の中で何かが動き出す、

物音の後しばらくしてランプの火が灯る、どうやらここはとある部屋のようだ。

その部屋の中央には嗅がなくても悪臭を放っていそうな大男が一人これまた特大の大あくびをしている。乱雑に散らかった部屋の隅にある机に向かって動き出す、そして一通のくしゃくしゃになった黒塗りの手紙を手に取る、文面には「奴隷売買」の文字があった。下品な笑みを浮かべながら男は時計に目をやる時刻は昼の2時を回ったところだ、手紙には夕方6時からの開催と書いてある、男は部屋を出て1階の風呂場へと向かう。

 先ほどの部屋とは違い風呂場は意外にも広く片付いていた、湯船に湯を張りながらカミソリの刃を研ぐ男、伸びっぱなしのヒゲを綺麗に整え、動くたびにフケの落ちていた頭を洗う、それが終わるのを図ったかのように湯船から湯が溢れる、大量の水をあふれさせ

「あぁ…」

と情けなく声を上げる男、風呂に入るのなんて何ヶ月ぶりであろうか。

 風呂から上がり、浴室に散らばる自分の髪の毛を見ながらうんざりする男、乱雑に拾い集め窓の外に放る、雨でどこかに運ばれて綺麗にいなくなるだろうと考え男は浴室を後にした、開催の時間にはまだ早いが男は家を出る。

 

 いつの間にか雨は勢いを増していた、フードを深くかぶり足早に通りを歩く人々、その中に男の姿もあった。街の中心から大分外れた人が来ないような通りを抜け、目的の建物の前に着く、しかしどこにも入口らしきところが見当たらない、狼狽えていると2階の窓が少し開いた、

?「名のられよ…」

雨音にかき消されそうな低くドスのきいた声に男は萎縮する、だが名を名乗るために口を動かす、

「ウィスキー」

手紙に書かれていた暗号を口にする、いつぶりだろうか他人に向けて放ったその声は雨にかき消されて自分の耳にさえも届かなかった…

?「…」無言で窓の奥に消える男

やはり来るべきではなかったのかもしれない…、そう思いながら振り返り歩き出そうとすると後ろで何やら物音がした、先ほどの窓から縄梯子が下ろされている。大きく出た腹を揺らしながら縄梯子を登る男、するとあまりの遅さにしびれを切らしたのかいきなり引き上げられた、ろうそくの炎が小さく揺らめく部屋に尻餅をつく男、尻をさすりながら先ほどの男を探す、しかしそこに男の姿はなく、居たのはまだ年端もいかない少女であった、だがその体には似つかわしくないアザ・腫れ・爛れ・ムチでついたのであろう打傷があった、

少女「階段で地下にお降りください、まもなく本日の市場が開かれます…」

先程とは打って変わって年相応の可愛いがどこか寂しさが交じるような声で案内された。


 建物の内部は不思議な作りとなっていた、2階に引き上げられたのに階段を下がるとそこはもう地下になっており、来た道を振り返ったところで1階に続くドアなどもなかった、廊下も先ほどの部屋同様蝋燭の火が静かに揺れている、不気味さを感じながら廊下の突きあたりの部屋に入る、先程までの2階の部屋・廊下と打って変わって豪華な調度品が目を引く部屋だった、否、それは部屋ではなくもはやホールと呼ぶような大部屋だった。部屋の中央より少しずれた位置に初雪を思わせるような純白のグランドピアノが1台、部屋の中を見渡していると奥の扉が開き、これまた綺麗なドレスに身を包んだ女性が登場した、その顔にはドレスに見合わないような物々しい目隠しがしてある、その目隠しがあってはろくに歩けまいと思いながら見ていると、まるで目が見えているかのように、いや、誰かに操られるように綺麗に歩いて見せ先ほどの白いピアノに向かっていく、訝しげな目で見ながら視線で追う、女はピアノに向かって座り静かに音色を紡ぎ出す、その音は実に心地よく男は眠気に駆られる…

うとうとしていた男は違和感に目を覚ます、先ほどの静かな音色とは変わり力強くどこか恐怖感の漂う旋律となっていた、女は髪を振り乱しブツブツと何やら言葉にならない言葉を呟いている、男は心配になり近づこうとしたその刹那

「うああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ  やぁあぁぁぁぁぁぁぁあぁあ!」

女は絶叫し椅子から転げ落ちた、何事かと駆け寄り顔を覗き込む、ぞっとした、その顔には生気が感じられず紫がかっていた、昔の仕事で得た知識を思い出し首筋に手を当てる、まるで真冬の凍てつく寒風のように冷たい、凍っているかのようだ。

?「お客様、ご購入前の奴隷にはのお触りはお手を触れぬようにお願い申し上げます。」

先ほど女が出てきた扉の前に初老の男が立っていた、格好は執事そのものだ。

「これは一体どうなっている!何故先程まで音色を奏でていた女が死んだ!?」

自然と言葉が口を出た。

執事「この者はまだ調整が上手く出来ておりませんようでした、たいへんお見苦しいものをお見せ致しました、いかがでしょう?この『モノ』を銀貨3枚でお譲り致しますが?」

銀貨3枚、これは今の奴隷の市場価格では破格も破格だ、だが死んでいる女など興味は無い、ましてや屍姦の趣味などもない。

「いやいらない、早くこの『モノ』を下げてくれ」

毅然とした態度で告げる

執事「承知致しました、重ね重ねではございますが大変失礼いたしました。ただ今お下げ致ます。」

なにやらポケットからシリンジを取り出すと女の首元に刺す、一瞬痙攣したかと思うと肌にうっすら赤みが帯びたのを見た、女は立ち上がり首に鎖をかけられ連れて行かれた。


 男は動揺を隠せなかった、先ほどの絶叫して死んだ女が、シリンジ1本で赤みを取り戻し自分で立ち上がり裏へ消えていった…。

「こんなことありえない、あの技術は完全に葬ったはずだ…」

小さく独り言をつぶやく、また奥の扉が開く音がした。


執事「大変申し訳ありません、お客様のお持ちの金額で買える奴隷はこちらしかございませんでした、さぁこちらへ来なさい。」

ボロ布1枚をワンピースのように着た少女が入ってきた、その目に光はなく髪はボサボサであった。歩き方もたどたどしく愛想のかけらもない。

執事「この者は目の前で親を野犬に食い散らかされ、母の腹の中にいたはずの赤子を目の前で盗賊に玩具にされ、自身は逃げるために川に飛び込み、この通り足を骨折している所を私が見つけ治療は施したのですが、記憶障害を患っていると思われます。」

先程から饒舌が過ぎる執事の説明を聞き2つほど疑問が浮かんだので聞いてみる

「俺の持っている金額を何故知っている!?」

語気を強める

執事「お客様が眠っている際に確認させて頂きました。」

眠っていた?俺が?いつ?懐に入っている金貨3枚を確認する、ちゃんとある、続いて懐中時計を確認する、すると部屋に入った時から2時間ほど経過していた。

執事「納得して頂けましたでしょうか?」

静かに語りかけてくる、無言でうなづく、もう1つの疑問を口にする

「なぜそこまでこの者の過去を知っている?記憶障害とのことだったはずだが?

執事「それは私共の専属の術師を使い記憶を探らせて頂きました。」

他人の記憶を除くのは犯罪だがこの際黙っておくことにした。

「仕方ないもらおう、いくらだ?」

執事「金貨2枚と銀貨7枚になります。」

金を渡し奴隷に近づく、近づいても何の反応もない、縄を引くと抵抗せずについてくる、

執事「銀貨3枚お返し致します」

「いや、釣りはいい、取っておいてくれ。」

いつの間にか執事の饒舌ぶりが伝染ったのか口数が増えている自分に驚く

執事「でしたらこの銀貨3枚でシリンジを1本差し上げます」

先ほどのあのシリンジだった、

「これは一体どのようなものなんだ?」

あの光景が目に浮かぶ

執事「これは一種の強力な栄養薬とでも申しましょうか、貴方様の奴隷が病気や大怪我をした際にお使いください。」

「成分はなんだ?」

執事「私共にも伝えられておりません、ご了承下さい。」

なにか含みのようなものを感じたが、無いよりはあるに越した事はないと思い帰路に着く、

執事「お帰りの際は右側の扉を抜け階段を上って頂ければ貴方様の家の近くに出ます。」

少女の繋がれた縄を持ち扉を抜ける時に例のシリンジが気になり執事に声を掛けようとしたがとうに扉は閉まっていた。


「困ったな、これ1本しかないけどまた欲しくなったらどうするんだぁ?」

と呟く、すると少女が

少女「シッテル… ダイジョブ…」

掠れそうな声で伝えてきた、意外と意思の疎通はできるようだ、まずまずの当たりなのかもしれない、階段を上り終え扉を開けると、勿論まだ日は登らず暗いが雨は止み、見知った路地裏に出た

「なんだか疲れた、久しぶりに外に出たせいか、早いとこ帰って寝よう」

男と少女は路地を出て家に向かって歩いていった。


何気なく書き留めていたものを投稿して、色々なリアクションを頂き、刺激を得ようと思い投稿させていただきました。

続きも投稿したいと考えていますが、幾分書くスピードが遅いので気が向いた時に少し覗いて頂ければ嬉しいです。

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