五十三話 魔女のお願い聞いてよね
広報担当はアミンダ隊のサチが担う。
さて、広報活動は、魂を一つにまとめるためには重要だ。
魔女の命により、各国からメンバーを出してもらった。そして、アミンダ隊の組織に組み入れた。
ここは、魔法学園のジロウの居間。広報活動の拠点として改装された。アミンダ隊の4人とスローン王国、ミズホ王国、ガルバ王国、サハラ王国、獣人族、エルフ族、竜人族、ドワーフ族から最低1名が出席。総勢12人と魔女の家からは、モモコのミズキが入っている。
「広報のスローガンは、『魔女のお願い聞いてよね!』にします」リーダのサチが唱えた。
ひとつは、各所にポスターを張る。ポスターには、『ジロウのお願い聞いてよね!』のフレーズと顔の写し、10月1日には、神殿前、遊園地、広場に集まることを明示する。
(何ということか、僕の顔が大写しで微笑んでいるではないか。恥ずかしい)
プチダンジョンの効果で識字率は、ほぼ100%。ポスターを読めない人はいない。
もっとも、可愛いジロウの写しなので、盗難防止の魔法は必須である。
二つ目は、『星誕祭来るよ!』って、パレードを村単位までやる。これはちょっと大変なんだけど、アオシやモモコたちを駆使しよう。パレードの主役は、もちろん8代目魔女ジロウ。ここは外せないのだが、身は一つ。それで、ここはモモコに変装してもらうことにした。
何をするにも、人と金は必要。それに、魔女側で全てを提供しては、民のためにならない。星誕祭はこの星の人たちが主役になることで、魂が一つに向かって結束せねばならない。
各リーダは、メンバーを集め計画を練り、実行に移っていった。
魔女の家からは、魔女隊を10000人ほど出動させ、必要な材料や助っ人を供給した。
魔女隊、一万人に名前を付けた。パソコンで名前を用意し、名札も用意した。彼・彼女たちに並んでもらって、次々と名前を付けてゆく。ここはスミレとナズナの手伝いで、2時間かかったよ。疲れた。
でも、魔女隊の面々は大変喜んでくれた。
聖杯を探す。これは僕がやる。
ペガサスを駆って、世界中を探すのだ。
神殿の準備はサナエが担当。
既存の神殿の掃除と修復。そして、新規に必要なところの選定と建造。
祭りの準備をロゼッタ。
星誕祭の飲み食いは、魔女印の屋台は無料にする。
食料や飲み物の準備。屋台の募集。
警備をダイン
魔女隊から1万人を出して、警備に当たらせる。
楽隊と演出をスミレ
これはもう、スミレが張り切りすぎて、熱を出して倒れた。
今から楽団を編成するなんて無理。どんな楽器があるのかも不明。
(そうね。シンセサイザーが欲しいわね。それから大きなスピーカね。そして、余興用の楽師たちを集めよう)
「おねえちゃん。演奏できるシンセサイザーが欲しい。お姉ちゃんのパソコンはDTMも使える?」
スミレの顔が赤い。興奮している。
「さまざまな音を合成することができて、ピアノやオルガンなど鍵盤楽器の音はもちろん出したい。和楽器や弦楽器から、自然の音まで出したい。もちろんリズムオートでドラム音やベース音も」
スミレの要求をどうやって具体化するか。レベル6を使えばできるが、それは問題だ。この際だから魔女隊に頼んでみるか。
今回だけ特別。神様もサナエも、OKを出した。
なんたって絶対成功させねばならないのだから。四の五を言ってる場合じゃない。
各国要人の世話は顔が広いクロエ。
クロエはウサギ種で、黄桜の大商人の娘。横のつながりや、必要なものの調達も、商人の伝手で手に入る。新しい住人として認識してもらうことも狙って、ツバキとミドリ子たちを付けた。
いや、本当は先住民なんだけどね。それは秘密。