五十二話 さあ星誕祭の準備をしよう
「ドクンッ」と大地が動いた。
地震ではない。胸の鼓動のように柔らかい。
「ドクンッ」
ジロウ歴3年の春。それが始まった。
さあ、後半年だ。
10月1日を星誕祭に決めた。
ここは、魔女の居間。
星誕祭は、6か月後の10月1日にしよう。それまでに
1、7つの聖杯を見つけ満たす。
2、魂をひとつにまとめる。
3、式典を準備する。
の3つをやろう。
僕、ナズナ、スミレ、サナエ、アウラ、イリカ、ジン、カエデ、ツバキの9人と、メイドのミズナ、キク、コギク、アヤメ、ハナエの5人。魔女の村の家政長のロゼッタ、庭師班長のロイ、農業班長のカグラ、畜産班長のホルス、警備班長のダインの5人。そして、アミンダ隊のサチ、カナン、クロエ、ガルの4人。そして、各国の関係者、総勢50人が一堂に会した。
「みんな、集まってくれてありがとう。よく聞いてくれ。先日、訪れたパラレルワールド管理局員が言うには、この星は20年後に死滅するらしい。それを回避するには、7つの聖杯を見つけ満たし、この星の全ての魂を一つにまとめて祈る必要があると」
僕は、皆の視線を集めた。
「それで、星誕祭と銘打って、6か月後の10月1日に魂を一つにする祈りの式典をやろうと思う。もちろん、それまでに、7つの聖杯を見つけ満たさねばならないのだが」
皆に見えるように、白板に必要なこととリーダを決め提示した。
1、各王国民にこのことを知らせる。これをアミンダ隊のサチ。
2、聖杯を探す。これは僕がやる。
3、神殿の準備をサナエ
4、祭りの準備をロゼッタ
5、警備をダイン
6、楽隊と演出をスミレ
7、各国要人の世話をクロエ
必要なメンバー、人員はリーダが各自折衝、或いは自薦でもよい。
「参謀は、ナズナにやってもらう。メンバーは、逐次、ナズナに知らせてほしい」
ナズナには、カエデやミドリ子たちが実働隊として控えている。
パラレルワールド管理局とは何かとか、魂の話とか、聖杯の話とか、今までのことを伝え、これからのことを話し合った。そして、魔女が全てを仕切ることではなく、自分たちが立っているこの星のことだから、自分たちが率先してやらねばならないとの認識が生まれた。
確かに、レベル3の人々には理解しがたいことだらけではあるが、一丸となって当たらねばならないことは、とりあえず分かってもらえたことはうれしい。