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四十二話 小さな世界 アウラと合流

 魔女の保護区のアウラ自治区。

拳ほどの球体が、宙に浮いている。あっちこっちにあって、その数は読めない。

木の枝に実のようにぶら下がっているものや、草の上をふよふよと浮かんでいるもの、空を風に乗って飛んでいるもの、色とりどりで1000個以上あるだろうか。数えきれない。


 村の名前は リトル。

村の門に近づくと、竜人族の門番が立っていた。竜人族の門番には頬にうろこの模様がある。


「ここはアウラ族の自治区だ。 魔女の許可が無いと入ることはできない」と。 

「すみません。 僕は8代目魔女のジロウと言います。 通っていいですか?」


「あ・いや・そんな・ 少々お待ち願えますか?」と言って、横に居た部下を走らせた。

「どうぞ、こちらへ」と応接室に通された。


お茶とお菓子で時間を過ごしていると、こんこんとドアを叩く音がした。

「どうぞ」


「お初にお目にかかります。魔女様。あたしは、ここの長の分身で、”マリル”と言います」


 アウラ族は初代魔女ハナの時代に、この世界にやってきた。当時のコルネットが中に入ったことで、定住の許可を得た。

 彼女らはレベル8の人種で、物質との関わりを極限に少なくし、必要な物理関与の手段を体内に集約したそうだ。一つに、可視光から赤外線、電磁波などを吸収して生命活動を行う。すなわち食事は不要。また、体内に重力制御装置を組み込んでおり、思う方向へ移動できる。

 知識は全ての個体で共有されており、人口の9割が一瞬に死滅しない限り全ての知識を失うことが無い。

 外部へは精神干渉のみで、重いものの移動や破壊、攻撃の類はできない。もっとも、物質との関わりを極限に少なくする方向で進化したのだから。

 当時は100人だったが、今は2002人だそうだ。この地に居るのは1000人ほどで、残りは各地に散らばっているとのこと。


「ジロウ様。あなたが召喚された理由を、いろいろ考えてみたのですが、どうも大きな変化がありそうなのです。場合によっては、あたしたちも、お手伝いできるかと思っております」


「神様も、『いずれ使命がわかる』と暗に仄めかされました。『7つの聖杯が満つるとき、星は生まれ変わる』という、言葉が僕は気にかかっています」


「ああ・、その言葉は、あたしも知っています。それがキーの一つのようですね。そして、何か大きな異変が起きるような気がします。あたしたちは、この星で修行の身。できればこのまま続けたいと思っています」


目の前に、もう一人妖精が現れた。


「この子は、”アウラ”。あたしの娘です。この子をジロウ様のお手伝として、同行させていただきたいのです。如何でしょうか?。きっとお役にたてると思うし、あたしたちも情報がほしいのです」


断る理由もないので、了解した。


「あたいは、アウラ。光、妖精、女の子、男の子、偉丈夫などなど、どの形態にもなれるけど、どれが良い?。ジロウが好きなものにするよ。まあいつでも変えられるからね」


「一応、僕が女の子だし、子供が多いので、18歳ぐらいの女性が良いかな?」

(男の子にすると、アミンダ隊が混乱するような気がする)


18歳ぐらいの女性がジロウの側に加わった。


 これで、ジンとアウラが夫婦で、僕、スミレ、イリカが子供という構成になった。


「私はスミレ。アウラさんで良い?」

「良いよ」


「今日は何をしていたの?」

「うーん。この星が近々迎えることを、考えていたの。それより、あなたは誰?」ナズナを見て目を細めた。

「私は、この世界ではナズナと呼ばれているわ。でも、過去の記憶が無いの」


「ナズナちゃんには、あたいたちと同じ魂を感じるの」

あれ? ナズナがアウラと会話を楽しんでいる。


「ナズナ。アウラとどのような話をしていたのかな?」

「ひ・み・つ・・・」


あれ。ナズナにスルーされた。反抗期かな?

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