四十話 世直し行脚 その3
『隣町への道を安全にしてほしい』
ここは、スローン王国の北の端、トキワ町に住む商人、カンダの店にやってきた。
「こんにちはー」
今回は、可愛い、スミレに暖簾を潜ってもらった。
「いらっしゃいませー」
カウンターに立っている少年が、元気よく返した。
「店主はおるかのう」でました、『“のじゃ姫』
「隣村に行っております。もう帰る頃なのですが?」少年に暗い影がよぎる。
タタラ村まで2日かかる。カウンターの少年の説明では、途中野営して、昼前には戻る予定が少し遅い。
「誰か、あない出来るものはおるか!」
奥から、カンダの妻だという女性が出てきた。
「私、カンダの妻のフリエと申します。心配で心配で・・・。助けてください」
そして、カンダの妻の案内で、街道をクルーザ2で走る。小1時間走ると、戦いの様相が見えてきた。小汚い恰好をした男が10人ほどで、馬車を取り囲んでいる。あれが盗賊だな。
「ジン、やっておしまい!」
ジンとアオシのホセ、カルロス、モモコのセシリアが躍り出て、瞬く間に鎮圧した。
カンダが説明するには、近頃、盗賊が増えており、奴らもほんの一部だとのこと。道の警備は王の直轄で運用されているはずだが。スローン王国のトドア王はどうしたのかな?
ということで、警備隊のトキワ駐在所に行ってみた。なんだこりゃ。昼マッパらから酒を飲んで、さぼっているじゃないか。ジンの怒りが尋常じゃない。全員を立たせて、ボコった。
スローン王城に乗り込んだ。
「どうか、いましばらく、お待ち願います」
門番やら騎士たちが、わらわらと邪魔をする。
「トドア王はどこじゃ! 早う姿を見せねば、この国を吹き飛ばすぞ!」
これはもう猛獣と化した魔女。
「ジロウ様、ちょっとやりすぎですよ。落ち着いてください」ジンが止めに入る。
「何事じゃ。小娘が!。早う捕らえろ」
「控えおろう。この方をどなた心得る。今代の魔女ジロウ様であらせられるぞ」
ということで、トドア王に警備を見直すよう説教した。これで、一件落着。まあ、盗賊にならざるを得ないような治世に問題があるかも?。それは、追々考えていこう。とりあえず対処療法でも少しは良くなる。