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三十三話 オメガ系種族のヒヤリング

 ヒヤリングが始まった。

本格的な転移に先立ち、代表団が転移してきた。


 ここは、魔女の家の前に張られたテントの中。

レベル3の人が110万、レベル4の人が10万人で、合わせて代表は、カンダと言う人だった。

 ほぼ我々と同じ人型だが、額に親指ぐらいの角が一本見えた。

代表団の人員数は、10名までと言うことにしている。

まあ、保安面での制約だね。突如攻撃されても対処できるかな??


「カンダと言います。暫定ですが、ツチカタ族110万人と、タケヤ族10万人の代表を仰せつかっております」と小柄な男が頭を下げた。合わせて、後ろの人たちも同様に頭を下げた。


「うむ。僕はこの星の管理者8代目魔女のジロウじゃ。 パラレルワールド管理局からヒヤリングを頼まれておる。忌憚なく希望を申せ!」


「我らが暮らせる大地をお貸しいただけること、誠にありがとうございます。自活できるまでご支援いただければ、もう何も言うことはありません。ただ、120万人の統治は大変ですので、しばらく施政をお願いしたいのですが。」

「うむ。あいわかった。そのように手配しようぞ」



 次は、20万人を代表するサムエと言う女性と10人がテントに入ってきた。


「奴らのように地面に這いつくばるつもりはない。同じようなレベルのお前たちから支援されることは何もない。精々侵略されないことを祈るんだな!」開口一番、好戦的なことを言ってきた。


「ほう。ならばお手並みを拝見するのじゃ。もう行ってよい!」

「サナエさん、サムエ族への支援は、炊き出し3か月で終了にしようか?」

「そうですね。食べ物が一番の薬ですから」まっとうな相槌である。


 新しい新天地の認識に違いがあったのかな?。助けてくれたと考えるのが普通ではないか?

仮想世界の人たちが星系をダメにした。だから、新天地で繁栄したい。被害意識からきているのかな?。ならば、予定通り隔離だな。


彼らが転移する際には、レベル4以上の器具や機械、電子機器などは持ち込まないように、パラレルワールド管理局に頼んだ。



 次は、レベル6、7 300人。代表は、アナチと名乗った。


「大地の上で生きたい。人は仮想世界では生きたことにはならない。」アナチが力強く言い放った。

「耕作地と家をください。お願いします」

彼らは、このまま支援すれば問題ないかな。


「文明度がかなり下がるが、我慢できるかえ?」

「ここに対比したものがあります。詳細の説明やどうしても欲しいと思われるものがありましたら遠慮なく言ってくださいね。」サナエは優しい。

「基本的に自給自足じゃ。まあ、当面欲しいものがあれば考えてもよい。ただし、文明はレベル3を超えないのが基本じゃからの」


「トイレは如何様のものでしょうか?」アナチが神妙に聞いてきた。


「確かに、快食快便は重要ですね。特に排泄は大事です。この地にはリトルスライムという、排泄物などを処理する小さなものが沢山います。水洗ではありませんが衛生的にも匂いも少ないトイレが手に入ります。」

サナエが説明した。


 保安要員が200人も、アナチたちと同じような考えだろうか?。

代表のリリーと5人の関係者がやってきた。

「あの、仮想世界は間違いだ。人は大地から離れては生きてゆけない」

「思い通りの世界や人生は何も生み出さない」

「空しいだけだ!」

「仮想世界では、出産も死も病気もある。しかし、魂が無い」

口々に僕に訴えかけてくる。


「サナエさん。これだとアナチさんのところと一緒でいいのでは?」

「そうですね。そのように準備します」


代表団を前にして、サナエがこれからのことを説明した。

「ヒヤリングに来た代表団の皆さんは、パラレルワールド管理局が案内したように、この地にとどまることになります。現地に家と生活物資を備えましたので、即刻移動してもらいます。そして、こちらの魔女隊が、当面皆さんの支援を行います。必要なことが彼らに伝えてください」


しばらくしたら、空から大きな輸送用のマシャが下りてきた。

「はーい。カンダ様、ご一行はこちらですー」

モモコたちの案内で、マシャに乗り込んだ。もちろん各代表団の別部屋で隔離されている。

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