表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
21/61

二十一話 娯楽の調査

 心を豊かに。

この世界の娯楽ってなんだ。ここは、魔法学園の僕の部屋。特別に、大きな部屋を使って良いことになっており、ナズナとメイドが3人常駐している。まったく、お姫様なんだ。


 集まったのは、サチ、クロエ、カナン、そしておまけのガル。


「あの・・。そなたたちは、休みの日は何をしているのじゃ?」

「おれは、剣の稽古や走り込みだな」


「私は、お父さんの手伝いで、会計処理ね」

「私は、本を読んだり、お茶会ね」

「あたしは、森に入って食べ物さがしかな」


「カナン。そんなに困窮しているのかえ?」

「いや、そうじゃなくて・・・・・・」

「カナンは料理好きで、いろいろな食材を探しているのよ」

「うん」


カナンは、どちらかと言うと無口。クロエは、商売人の娘らしく、おしゃべりで人懐っこい。サチは悠然と構えている。おまけのガルはうざい。



 学園の友達にトランプを紹介する前に、ここは魔女の居間。


「サナエさん。トランプとかチェスなどのゲームが、この世界には無いようなのですが、何か理由が?」

「ジロウ様、それはですね。初代ハナ様がことのほか、賭け事を嫌っておりました。それにつながるものは広まらないようにしていたのです」


「確かに、勝ち負けが楽しみだけなら良いが、金銭や人生そのものをかけちゃいけないよね」

「初代ハナ様が、一度『リバシー』というものを披露したことがありました。一挙に広まって、当初娯楽の無い人たちが夢中になって、賭け事へと進展しちゃいました。 働かず、一日中興じている民を見て、サクヤ王も辟易したそうです。禁止令を出しても衰えなかったそうです」


「それで、どうしたの?」

「魔女隊を大量投入して、没収しました。以降見つかり次第、関係者は開拓村に送られたのです」


「おおお・・・。過激だね」

「この星では精神はプラス方向に制御されていますが、このときは、マイナス方向に動いたのです」

「なるほど、健全な勝ち負けは、精神の鍛錬に有効なんだが?。まあ、追々お考えていこう」


「とりあえず、カルタと、トランプは普及に挑戦してみたい。協力を頼む」

「ジロウ様、了解しました。魔女隊の準備もしておきます。過ぎたことをしたら、片っ端から鉱山送りにしてやる!!」


何か、サナエさんが悪魔に見えてきたのだけど??


 僕は、サチ、クロエ、カナン、そしておまけのガルの前にトランプを出した。

「ほおお。これはなんだ! 薄くて固くてきれいな模様だな」


まず、7並べを披露する。食いつきは良い。欲の面が厚いガルは、折り返しでストップしていたカードが出せなくなって、ビリ。結構楽しんだね。2時間も。


「ねえ。他にも遊び方があるの?」サチがすり寄ってきた。

「大富豪。と言うのもあるのじゃが。ちょっと刺激が強いのじゃ。どうしようかのう」


「これ、ほしい。どこに売っているの?」

クロエの目が商人になっている。


「これは、僕の自作なのじゃ。 魔法を使って作るので、おぬしら次第じゃな」


紙に、がまの油を浸み込ませ、乾燥する。その上からハロルドの樹液を塗る。そして、少し乾燥させて、絵の具で絵を書く。最後に硬化魔法を少しかける。硬化魔法は、ちょっと難しいので一般の人には無理。


「来週、材料を集めて、製作してみようかの?」


(うまく行けば、いい商品になりそうだ。とクロエがほくそ笑む)


「そういえば、クロエ。商品の独占販売権とか、製作者権利とかあるのかのう?」

「ジロウ様 ございます」


「僕は、お金はいらないが、国の収入になればいいのと思うのじゃが」

とりあえず、トランプを広めることにした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ