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十一話 カカチ村を訪問

 カカチ村は、ミナミ村から東に10キロメータほど海寄りの漁村だ。朝早く、ミナミ村から使いが来て。カカチ村の浜に人魚の親子が流れ着いたという。至急魔女様に来てほしいと。

「ジロウ様、車を出しますので、此処でお待ちください」


サナエは、魔女の家の裏手に走っていった。ほどなく、流線型のシルバー色の車がやってきた。車輪はなく地上30センチほど浮いていた。運転席らしいところからサナエが降りてきて、

「ジロウ様、どうぞこちらに乗ってください」と案内する。


(なんだこりゃ。この時代にはミスマッチな感じがする。運転席の横は助手席、後ろに3人とその後ろに3人 ワンボックスカーの様で8人乗り。魔力で推進されるのだろうか?、ヒュイーンと小さい音が連続して聞こえる)


サナエが運転席に乗って操縦する。時速40キロメータほどの速度で、ミナミ村に向かう。


「うぉっ! これはすごい」僕は外を見て騒ぐ。

「この“マシャ”は、5代目の魔女ササ様が作られました。空高く飛ぶこともできます。一番遠いガルバ王国までは2時間ほどで行けます。この星を一周するには3日ほどかかるそうです。ササ様がそう申しておりました」


 10分ほど話をしていると、カカチ村に到着した。門の前で降りると、早速警備のお兄さんがやってきた。


「私は、カカチ村の警備をやっておりますクローと言います。朝早く漁に出ようと浜に行った者が、船の陰で人魚の親子を見つけたのです。大分弱っておりましたが、集会場に運んで看病中です」


「はて、サナエさん。人魚の話は初めてですね。現存する種族にはなかったように思いますが?」


僕は不思議に思った。それに、この人は『人魚』だと認識したことも変ですね?サナエがクローの方を見て、

「なぜ、人魚と分かったのですか?」と尋ねた。

「うんにゃ 上は人の顔と胸があるが、腰から下は魚のように鱗に覆われていたので、皆で「人魚だ、人魚だ」と叫んだわけですだ」

「サナエさん。兎に角 いってみましょう」


集会場にやってきた。野次馬が十人ほどたむろしており、かき分けて中に入る。

「魔女さま、こちらへどうぞ」と間を開けてくれた。


簡易ベッドが2つ。成人の女性らしき形と、小さな子供が横たわっていた。

「今、食事を取って落ち着き、寝入ったところです」看護の人が言う。


「本人に事情を聴きたいところじゃが、まずは、発見者と医者から話をききたいのう」

「人魚の里は確か、この沖200キロメータぐらい先にあるアマル島にあるそうです。年に一度、物々交換にやってきます」発見者が答えた。


「子連れとは、ちょっと事情がありそうですね。身体の具合いは、どうですか?」

サナエが子供のほうを見ながら言った。

「疲労しているように見受けられますが問題ありません。何日も食べていないようでもありましたが」

医者がサナエに説明する。


まあ、特別問題ないということで、僕たちは魔女の家に帰った。


僕の心を写したナズナの様子は?

特に変わった様子もなく、僕に引っ付いている。


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