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ゲームしてたら異世界へ  作者: ユーリー
3/3

異世界の門

 ーー翌朝。

「おはよう、ユウヤ」

目を覚ますとすでにアイが布団をたたんで隣に座っていた。

「おはよう、アイ」

俺も起き上がると、とりあえず布団をたたんだ。

「あ、お兄ちゃん起きた?」

そこへレンがとててっとかけてきた。

「ああ、久しぶりによく眠れたよ」

「もうすぐ朝ごはんできるからちょっと待っててねっ。私お母さん手伝ってくるから」

そう言ってレンは部屋を出て行った。

「やっぱり昨日のことは夢じゃなかったか」

「あたしもさっき同じことを思ったわ」

目を覚ますと現実世界に帰れるかとも思ってたけど・・・

「まぁ、まずはとにかく情報を集めないとな。この世界のことをまずは知らないと」

「そうね」

するとレンが入ってきた。

「お兄ちゃん、お姉ちゃん、ご飯できたよ!」

そしてレンに連れられて居間へ行く。

テーブルの上には見たことのない料理ばかり並んでいた。

「すみません、お口に合えばいいんですが・・・」

ハクさんが言う。

「いえ、ありがとうございます。泊めていただいただけでもありがたいのに食事まで」

正直お腹がペコペコだったから助かった。

「いただきます」

俺とアイは二人で手を合わせ、料理を食べる。

「・・・・・」

「・・・・・」

俺達は黙り込む。

「お母さんの料理、すっごい美味しいでしょ?」

レンが尋ねる。

「ん、ああ、美味しいよ」

「そうね、独特な味ね」

すると、ハクさんが口を開く。

「すみません、やはりお口に合いませんでしたよね?私達妖狐族とあなた達人間では味覚が違うみたいなので・・・」

ハクさんとレンは妖狐族というのか。

「俺達人間って、他にも俺達みたいな人間がいるんですか?」

「はい。こことは別の世界に住んでいます。実は私達親子も別の世界から来たんですよ」

「ハクさん、その話もっと詳しく聞かせてもらってもいいですか?」

「ええ、構いませんよ。少し長くなりますから食べ終わってからにしましょうか」

そして俺達は、朝食を食べ終えて、ハクさんが洗い物を済ませると、座って一息つく。

「さて、どこから話しましょうかね。まずは私の生い立ちから話しましょう。私は妖狐と人間の子どもなんです。母は私を産むと同時に亡くなりました。そして私は祖母に育てられました。私達妖狐の村では人間を嫌っていて、祖母は私の父親のことをまわりに隠し続けてきました」

「その父親っていうのは?」

「わかりません。祖母も教えてはくれませんでした。その後私は祖母に厳しく育てられました。私があなた達くらいの年になったある日のこと、私は祖母に頼まれた買い物に出かけたのですがその帰り道で雨が降ってきました」

俺達は黙って話を聞く。

「私はあるバス停のベンチで雨宿りしてたんです。そこへある人物がやってきました。それは人間の男の人でした。彼は黙り込む私に色々話しかけてくれました。そして鞄から何か食べ物を出したんです。私はその食べ物の甘い良い香りにお腹がなってしまいました。すると彼は取り出した『菓子パン』という食べ物を私に差し出しました」

菓子パンだって?それって・・・

「私は人間から施しなんて受けないと拒んだのですが、それでも渡そうとしてくるので仕方なく食べました。それはとても美味しくありませんでした。しかし、私は彼の明るい態度に惹かれていきました。彼は名前を蓮也と名乗りました。彼は目が見えないそうです。そして私達は毎日そのバス停で待ち合わせをし、しだいに愛し合うようになりました。そして、ついに私は彼の子をみごもってしまいました。私はバス停で彼に恐る恐るそのことを明かしました。すると彼はとても喜んでくれたのですが、その時後ろで誰かがいる気配に気づかなかったのが間違いだったのです」

「誰かに話を聞かれたってことですか?」

「はい。家に帰ると祖母は怒り、人間の子どもを身籠ったことを村に知られた以上この村には置いておけないと言われ、私は村を追放されました。行く宛のない私はただ途方に暮れて歩いていると、ある人に話しかけられました」

「ある人って?」

「その人間の女性は三神鈴と名乗りました。逃し屋をやっていると言っていました。私は彼女に連れられて異世界の門を通りこの町へやってきました。この町は色んな種族が暮らしておりみなさんとても私によくしてくれました。そして私は子どもを産み、蓮也のレンをとってあの子に名付けました」

「その鈴って人が気になるわね」

「ああ、何か元の世界に帰るヒントを知っているかもしれない。その鈴さんは今どこに?」

「それは私にもわかりません。私をここへ送り届けると、すぐに去ってしまいましたから」

「じゃあその異世界の門がどこにあるかわかりますか?」

「それはわかりますよ。この町には年に一度御霊送りの儀というものがあり、神様に選ばれたものはその異世界の門を通り神様に御霊を捧げるのです」

「御霊送り・・・・」

「はい。しかし異世界の門までは遠く厳しい道のりです。私が鈴さんに連れられてここへ来たときも数日かかりました。それに道中危険な魔物がたくさんいるんです」

「そんな危険なとこまでどうやって御霊送りをするんですか?」

「はい。御霊送りの儀の祭、案内人を務めてくださる方がくるのです。その方はとても強いので門に着くまで守ってくださるんだそうです」

「その人のこと、もっと詳しくわかりませんか?」

「すみません、私はわかりません。それに今年の御霊送りはもう済んでしまいましたから・・・」

「そうですか・・・」

「でも門の場所ならわかります。この町を出てずっと西へ行くだけです」

「わかりました。とりあえず、その異世界の門に向かってみます」

俺がそう言って立ち上がろうとするとーー

「待ってください」

「はい?」

「門までは遠く厳しい道のりです。しっかり準備していったほうがいいと思います」

「準備というと?」

「もちろん食料や水とかです。あと怪我とかした時のために薬とかないと。みたところお二人とも手ぶらのようですし」

「ああ、そうですね。たしかに食料とかはいりますね。でも薬は大丈夫です。アイの回復魔法がありますから」

「魔法・・・?魔法とは何ですか?」

「こういうのです」

俺はそう言って手の平の上に小さな火の玉を出した。

「え・・・・!?」

ハクさんが驚いた顔をする。

「わー、お兄ちゃんすごい!」

レンが喜んでいた。

「なるほど。そういう不思議な力があれば大丈夫かもしれませんね。あ、水はうちの井戸を使ってください。食べ物は・・・この町にはお二人のお口に合うものはないかもしれません」

「いえ、水だけでも助かります」

そして、俺は水を汲み、次元収納にしまう。

「じゃあ、お世話になりました。ありがとうございました」

俺達はハクさんとレンに挨拶をして町を出て、異世界の門を目指すことにした。



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