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ファーストコンタクト

僕の名前は林鐘(りんかね) (しょう)、17歳だ。中校卒業後、すぐに中小企業に就職した。


その会社は人間関係も良く、アットホームな環境で中卒の僕にも優しく働きやすい環境だった。


そんなある日、僕はいつも通り通勤していた。

そして信号を渡ろうとした時、それは起きた。


「林鐘さん!危ない!」


急に人の声が聞こえた。

今の声は多分山中さんかな、そんな事を思っていると次の瞬間、体の側面に物凄い痛みが伝わってきた。

意識が遠のいていった…。




目が覚めたのはそれから30分後くらいだった。

目がさめると、痛みはなく、目の前には自分と同い年くらいの青年が横断歩道の上で倒れていて、その傍には30歳くらいの男性が泣き崩れていた。

その青年をよく見ると、全身から血が流れていた。

横断歩道の上で血だらけの青年、泣き崩れる男性、あたりを囲む救急車とパトカー。


僕はやっと状況を理解した。きっとこの辺で事故が起きたのだろう、と。

僕は事件の起きたすぐ側にいたから事情説明などをするためにここにいたままの方が良いのかな、

そんな事を考えてあたりをウロウロしていると自分の頭上から声が聞こえてきた。


「…ねさん…鐘さん…林鐘さん!」


上を見上げると、そこには天使のような格好をした女性が宙に浮いていた。


「何をしているのですか?早くこっちに来てください、こっちですこっち、ほらはやくー」


その女性はずっと空を指しながら僕に言ってきた。この女性とは多分面識ないよな…大体宙に浮く人間なんて今まで見たことないもんな…

事故の事を忘れ、そんな事を考えていると、女性は言ってきた。


「…もしかして林鐘さん…状況が分かってないですか?」


うん、やはりこんな女性には面識がない。ただ明らかに僕に話しかけてきている事は分かる。林鐘って言ってるし。


「状況…というとこの事故の事ですか?もしかして当事者と関係とか…」


僕は素直に知りたい事を聞くと、女性は呆れた顔をして、続けざまにこう言ってきた。


「あなた…分かってないんですか?そこに倒れている人はあなたですよ?普通自分の姿を見たり宙に浮いている人をみて分からないものですかね…」


「え…」


僕は急いで倒れている人の顔を覗き込んでみた。

その顔は自分と瓜二つ…いや、自分そのものだった。


「全く…最近の子供は状況整理が出来ないんですかね…、良いですか?あなたはついさっき事故にあってお亡くなりになりました。つまり今のあなたは霊体です。ご愁傷様でーす。それで私は天使です、まぁこの格好を見れば分かりますよね。大体最近の子は…ハッ…まさか事故で頭を打ってバカになってるんじゃ…」


天使と名乗る女性はブツブツと文句を言っているようだったがそれどころではない。


もう一度状況を整理してみると、血まみれで倒れている自分とその傍で泣き崩れている先輩の山中さん。間違えない、自分と山中さんだ。


「ってことは…っとすみません、独り言です。つまりですね、あなたは亡くなり、これから所謂あの世に行くです。まぁ良かったじゃないですか、他人が死ぬのをここまで悲しんでくれる人はなかなか見つかりませんよ?良い人ですね。っと、後が詰まってるので早く行きますよ!」


そういうと女性は僕の事を上へ上へと押していった。


自分が死んだ…?本当に…?現実味がない状況を飲み込めず気持ちの整理がつかないまま、女性は僕をあの世へと連れて行った。


「ふぅ…はい、ここは天国です!あなたがここに留まることが出来るのは1ヶ月です!1ヶ月経つと自動的に記憶を消され、元の世界に別の人間としてまた生を与えられます、まぁ気楽にしていてくださいね。少し悲しいかもしれませんが、それがこの世の理ですから。それから、色々な施設があるので自由に回ってください、地球のような通貨は必要ないので欲しいものなども自由に手に入れられます!そうそう、それから食事や睡眠などはしなくても大丈夫です。分からないことがありましたら係員に聞いてくださいね、ではではー!」


女性は早々に遠くへ行ってしまった。


「山中さん…良い人だったな…」


そんな事を呟きながら、僕は天国を歩いていた。

コンビニ、書店、レストラン…見た感じ現世と全く同じようだった、違いをあげるとするならみんなの頭上に天使の輪が浮いている事くらいだろうか。


やっぱりここは天国なのか…自分は死んだのか…そう考えるとなんとも言えない気持ちが湧き上がってきた。悲しいような、寂しいような…


「…いいや!もうそんな事気にしない!」


所詮はもう終わってしまった事なのだ、考えていても変わらない、そう割り切って僕は天国を回ることにした。


さっきのお店の他にも色々な施設があった。

温泉や遊園地、大人な店など様々だ。

その中の一つにこんな施設があった。


『転生課』


そこには長い行列があった。

どんな所なのかを最後尾の人に聞いてみると教えてくれた。


「お、新入りさんか。ここは転生課…まぁそれは看板を見りゃ分かるか。まぁ簡単に言えば生まれ変わる世界を元いた世界じゃない所にしてほしい、っていう願いを受け付けるのがメインだな。

他にも世界に戻るときに自分の記憶をそのままにしておいて欲しいとか高い能力を得て生まれたいとかいうのもあるが、そういうのはあまり受諾されないな。」


「分かりました、ありがとうございます。」


僕はその人にお礼を言い、列に並ぶことにした。

元いた世界が嫌だったわけではないが、転生という物にも興味がある。話を聞いてみるだけでもするかと思ったのだ。

最初の方は状況説明等が多くなってしまいめんどくさい点も多いと思います、ごめんなさい!

感想等をお待ちしてます!

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