プロローグ
俺は月ヶ瀬春人、この春から新高校生になる極々一般的な人間……
に、なれなかった能力者だ。
どうもはじめまして。
さて、何から説明すれば良いのやら……まずは俺の身の上話から始めるか。
俺は先程述べた通り特別な力を持った人々から能力者と呼ばれる人間である。
いや、別に厨二病とかでは無くてな。
俺が生まれる三年前、日本ではある事件が起きたのだ。
この事件が、この能力と直接関係してくる。
ゼルラウスコーポレーション、今は無き巨大な株式会社だ。
この会社では当時人間工学を研究、又新人類の開発と言ういかにも、何かやらかしそうな事をやっていた。
そして案の定やらかした。
研究中のウイルスが突如暴走。
世界中にウイルスがばら撒かれ幾多の細胞変異を繰り返し人に宿った。
この時ばら撒かれたウイルスが『ゼルク』と呼ばれていたため、このウイルスに感染した人々は能力者と呼ばれるようになったのだ。
そしてこのウイルスに感染した人々は決まってある症状が発祥した。
それが『なんらかの超能力』だ。
と言うかそれ以外何も症状は出なかった。
ちなみに当時全世界の30%、約21億人の人がなんらかの超能力を手に入れた事になる。
話が少し逸れてしまったが、もう少し身の上話を続けさせてもらおう。
もうお気付きかも知れないが俺の両親は能力者だ。
そして、そんな能力持ちから俺が生まれた訳だから当然俺も能力を持って生まれた。
これで俺が大体どんな人間か分かって頂けただろうか?
では次に、能力について軽く説明させてもらおう。
まず、能力は6つの属性に分かれている。
無・火・水・草・光・闇だ。
さらにレベル分けなんかもされている。
LV1 『微力』
外的干渉がほとんどない能力
LV2『生活支力』
生活で役立つ能力
ほとんどの能力者がこれに当たる。
LV3『戦闘支力』
戦闘に役立つ能力
LV4『破壊支力』
ありとあらゆる物の破壊に役立つ能力
能力者の中で0.1%の者が持つ能力。
LV5『燼滅支力』
天体を消すのに役立つ能力
能力者の中で0.000001%の物が持つ能力。
ざっくりこんな感じだ。
これらの能力を悪用しようとする輩も少なくは無いのだがここは平和の国、日本だ。
よって生活支力なんかは、とても役に立つし、人々の生活を豊かにした。
事件と言うには憎むにも憎めない、能力者はそんな存在になった。
逆にLV4やLV5の能力は使いにくいったらその上は無い。
なんせ、これらの能力は強大すぎるのだ。
豊かな生活を生む方ではなく、壊す方である。
しかしLV4やLV5なんて滅多に居ないし、いたとしても証明しようとすれば色々ぶっ飛ぶ。
能力を発動しても良いのだが、法に触れれば当然犯罪になる。つか、発動したら間違いなく法に触れる何かが起こる。
つまり現代日本においては超無能なのだ。
結論からして、日本では能力者が出現しても、差別や迫害が生まれる事は全くなく、むしろ国が能力者を支援するシステムまで生まれた。
これから俺が通う、能力者専門育成学校もその一つだ。
能力を仕事や趣味に使う人も多くなり、能力のお陰でいい世の中がさらに良くなったといえよう。
さて、長い説明はこれくらいにしておいて最後に、僕の能力を説明させてもらおう。
気になっている人も多いはずだ。
え?タイトルを見ればわかるって?
それは言わないお約束だ。
ゴホン、では俺の能力だが……
LV5『燼滅支力』の能力全てを使える、いやそれしか使えない。
ちょっとコンビニ行こうとしたら海王星に着いちゃう。
洗濯物を乾かそうとすれば山一つ消しとばす豪風が吹き荒れちゃう。
炙りサーモンを作ろうとしたら日本を丸々炙っちゃう。
言い忘れていたが、この物語はこんな意味無し最強の俺が高校生活を謳歌しよと、頑張る物語だ。
不定期更新です。
面白いと思って頂けたらまた見に来て下さい!