とある青年の話
少年は普通の家庭に生まれてそれなりの人生を生きていた
笑って怒って拗ねて泣いて、普通の人が送るような毎日だった
毎日が平凡で普通だった
そして少年は青年になった
青年はいつしか、何かを亡くしたことに気が付いた
けど、亡くしたモノがなにか分からなくて
ぽっかりと心に穴が開いたようで、なのに痛みはなくて
分からないままにしていたら、いつのまにか自分の笑い方を忘れていた
笑えるけど笑えない
自分の思っている「笑み」じゃない
じゃぁ、この「笑み」はいったいなぁに?
そう自覚したとき、顔にすっぽりと仮面がつけられたような気がした
僕の顔そっくりでいつも笑って楽しそうにしている表情をした仮面が
僕はいつの間にか他の人にも、自分にも嘘をつく道化になっていた
いつしか青年は自分の「笑み」よりも先に「泣く」ということが出来なくなっていたのに気が付いた
「心の底から甘える」ことが出来ないことに気が付いた
自分の口から発した「言葉」が「嘘」になっていることに気が付いた
気が付いたきっかけはやっとできた彼女と別れたときだった
自分から切り出したから痛みはないはずなのに
非はあっちにあったから僕は悪くないのに
悲しいことじゃないはずなのに
もう大人だから甘えちゃだめだって
だからずっと自分の気持ちを抑え込んでて
ずっと泣いていた子供の自分に気が付かないふりして
自分に向けても道化を演じてて
「嘘」じゃないのに「本当」の言葉でもなくなってて
最後に泣いたのはいつだっけ?
感動して泣いたのは覚えているんだけど
悲しくて泣いたのは覚えているんだけど
僕の求めてる「泣く」はこれじゃぁないんだ
僕が本当に流したい涙はこれじゃないんだ
だれでもいいんだ
だれでもいいからお願いだ
僕に「泣いてもいい」って、「思いっきり甘えてもいい」って
言ってくれよ!
僕に許可をくれよ!!
縋らせてくれよ!!
こうしないと泣けなくなった僕に
こうすることでしか甘えられない僕を
ずっと閉じ込められている子供の僕を
助けてください
もう、道化の仮面の外し方が分からないんだ
自分を青年に置き換えてみた独白です。
若干病んでる。病んでる
ただ、心の叫びを短編にしちゃったんだ・・・(あはは