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2章4節 調達1

「まぁー昨日も言ったけどここが今村で機能してる唯一の宿屋だな。俺の家はもう別の施設として使ってるしな。」

「ほぉ、まぁ今だと部屋は倉庫だしな。そういや、、シルコーズだっけか?シルってのはお前さんの名前だろ?コーズの由来は何なんだ?」

「おいおいお前さん、、いくらサイスエイド出とは言っても、、さすがに無知すぎやしないか?シルの店、だからシルコーズだろ。」

「お、おぉ、そうかそうか、何か別の意味があるのかと思ってたよ。悪い悪い。」

なるほど、、コーズとは恐らく~~の店という意味があるらしいな。

この世界特有の文字の他に特有の単語があるとなると、、覚えるのに苦労しそうだな。

「あーシル兄ちゃん!おかえり!」「シルさんおかえり!収穫はどうだった!?」「あれ!シルの兄ちゃん!いつ帰ってきたの!?隣のおじさん誰?」

「おぉみんな!ただいま!収穫か?いつも通りだけど、一つおもしろいモンが連れたぜ!」

「俺のことじゃないだろうな」

「こいつな、ヨーヘーって言うんだ。暫くこの村で暮らすらしいから、仲良くしてやってくれよ!」

「わかったー!ヨーヘーさん!」「よろしくおじさん!」「私ノキっていいます!」

「お、、おう、、。よろしく、、?」

正直、ここまで子供に懐かれたのは初めてだな、、まぁ、こんな見た目だし、向こうの世界では怖がられるのも無理は無いだろうしな。

そう考えると、やっぱりこっちの世界も居やすいものだ。

ちなみに今の格好はシルの家にあった服を着ているため迷彩服の事で質問攻めになることは無かったようだ。


一通り昨夜と似た内容のシルの説明が終わり、一度シル宅に戻ってきた。

村の人数が少ないと、見たことない顔の人がいると、どの人も興味津々で寄ってくるようだ。

しかしどの人もフレンドリーに接してくるのは、隣にシルがいたからだろうか。

この村にも、同じジャンルの店はなく、鍛冶屋も宿屋も酒場も商店も、どれも1つしかなく、その分建物が大きかったり、品物が豊富だったりと、1つだけでも不自由はないらしい。

村には意外と人数は多かったので恐らくどの店も繁盛しているのだろう。

1つだけだし。

だが、やはりファンタジーのような世界だけあって、武具店もあり本や神話などに出てくる剣や鎧が売っており、向こうの世界のような銃火器などが無かった。

飛び道具は弓矢やブーメランのような物しか無かった。

ここで銃を見せればどのような反応をするのだろうか。

「さぁ、こんな事考える時間あるなら、さっさと言語を覚えなきゃな。」

そう言い昨夜読んでいた本を取り出す。


数十分か数時間か、集中していると時間が早く過ぎた感じがするが、窓から空を見る限り太陽の位置はあまり変わっていない。

「やっぱり、、、元の世界と1日の時間の長さ違うんだな、、、。単位とか表し方も、、さっきの本読む限り違うよな。はぁ、、、これも覚えるのか。」

実は時間の単位以外にもわからない単語が出てきたり、OKが通じなかったから英語は無いのかと思いきや一部英語らしき単語などが出てきている。

ここの世界観はどうなっているんだ、、、それに宗教なども色々とわからないし、、まさかキリストな訳無いだろうし。

そう一人で悶々としていると下の階から呼び出しがかかる。

「おーいヨーヘー!今からまだ取れてない物資を調達もとい仕入れに行くんだが、一緒に行くぞー!」

「へーい、分かった!待ってろ、今行く!」


「よし、準備出来たぜ。待たせたな!」

「遅いぜヨーヘー。さっ、今回は東にある洞窟に、鍛冶屋のウィルさんから頼まれてる鉱物と、その近くの山にある、この店で出す薬草と木材。それとサリの肉だ。」

「サリ?」

「出たよヨーヘーの無知。サリも知らないのか?あ、、でもサイスエイドの方にはいないのか、、えーと、サリってのは、人と同じ2足2手で、体が毛で覆われてて、顔と尻の辺りが赤く」

「あーもういい、分かった。サリだな。知ってる知ってる。名前がわからなかっただけだ。」

「えー?知ってるのに名前だけ知らないってか?やっぱ無知だな。」

「うるせぇな」

サリとは恐らくサルの事だろう。

この世界特有の物もあれば、向こうの世界にあるものに似た物もあるのか、、。

それならまだ予想できる単語もあるだろうな。

しかし、サルの、、サリの肉を食べるのか?

「おっと、そういや、サリもその近くにいるのか?」

「あぁ、サリなんて基本的にどこでもいるからな。ただし、群れには手を出すな。普段は単独だが、稀に群れてるのもいる。そいつらはひとり襲うと全員で襲い掛かってくる。知ってるだろうが、握力と腕力がとても強い。お前みたいな奴でも、殴られれば危ないだろう。」

「わかった。群れは襲わないよ。」

「よしじゃあ、行こうぜ。」

そうして、まずはその東の山の麓の洞窟へ向かった。


向こうの世界の時間で1時間も経たない内にその洞窟へ辿り着いた。

太陽はもう少しで真上に来る。しかし家を出た時と何も変わってはいないように感じる。

体感時間で大凡の計算をしてみると、1日が48時間といったところだろうか。

この世界の住人は昼寝をするが、中にはしない人もいるらしい。だとするとその人達は2日に1回寝てるようなものだ。

まぁ、同業者の中にはそんな奴もいた気がするが、、、

しかし48時間というのも、あくまで仮定に過ぎない。もしかしたらもっと長いかもしれん。

恐ろしいな、、、

「よぉし、ほら、ピックル。えーと、こう丸めの、あまり凹凸の無い青い石を見つけたらこれでほってくれ。」

「了解。」

そういい渡された、L字型の、先端が尖ったもの。ピッケルに似たもの。

これで凹凸のない、、デコボコしてないものを掘れ、、か

実際自然であるのだろうか、デコボコしてない鉱石など、、、

「あ、これか。」

本当に凹凸がない。

手入れされたサファイアのような鉱石がそこにはあった、一部のみがでていて、後は石壁に埋まっている。

これを自然が作り出したのか、、?

明らかに人工物としか見えないソレはとても価値のあるように思えた。

が、

「あぁ!砕いちまった!1個無駄だぁ、まぁ、1個だし、、」

「お、、おい!これ、、すごく高いんじゃないのか?」

「そんなわけないだろう?こんなたくさんあるんだし。」

そう言ってシルはカゴを見せてきた。

そこには、綺麗な楕円形の宝石が数えきれない程あった。

「まぁ、これだと、、ざっと3,000メニーってとこかな?中には小指の爪くらいの一つで50,000メニーのもあるし、少ない方だな。他の鉱石と比べて、めちゃめちゃ硬いから、これと鉄を配合して剣身に使われる位だな。実際それならもっと高値で買い取って欲しいもんだよなー。」

「な、、なぁ!一番高い鉱石って、、どの位でいくらになるんだ?」

「あぁ、ディアモッドって鉱石、それこそ小指の爪位で890,000メニー位で、だな。まぁ、王都の方で売れば900,000はいくんだけどな。」

「お前の店で一番高いものは何だ?」

「ケルシの木で、30,000メニーだな。」

「木材か、、何に使うんだ?」

「木造建築とか、あとベッドとかテーブル、イスの材料かな。」

「そうか、、ならディアモッドってすごい高価なんだな、、」

それにもう一つ、ベッドやイスなど聞き慣れた単語が出てきたのは、少し嬉しい。

「まぁ、これくらいとれればいいだろう。意外とヨーヘーもとってるだろ?合わせて、、20キルグレルはあるな。これくらいあれば60,000メニーで買いとってくれるだろう。」

「重たくないのか?」

「何言ってんだ?この背嚢はレルムの繊維で作られてるから重さを感じないんだぞ?」

「お、、おうそうか、レルムか、なるほどな」

レルムは君主制国家云々って意味だった気が、、

あ、いや、この世界独自の単語か

分からなくなってくるな、、レルムは多分虫か何かだろうか。

「さぁ、後は、ケルシの木と薬草と肉だ!」

「肉、、食うのか?」

「何言ってんだ?サリの肉は食用じゃなくて餌だぞ?」

「あっ、そうかそうか!そういやそうだったな。」

我ながら上出来な演技である。

「お前、、小さい頃にしっかりとした教育受けたか?」

「あぁ、、、、いや、あまり、、ん?、、あ、あぁ」

「わからないことがあったら素直に聞けよ?いつでも教えてやるぜ、ハハハハ!」

「あぁ、そいつは助かるな、、ハハハ、、、、ハァ」


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