2章3節 村
「ついたぜ、ヨウヘイ。ここが俺の住む村。イエストだ。」
「思った以上に大きいな、、小さい集落だと思っていた、、」
「ハハハハ!あの森の近くって言われたらここまで大きいのは予想つかないよな!まぁ、わからなくもないぜ」
実際、イエストは村以上街以下位の大きさだ。
建物も木造建築が多く、数件だけ石像建築の家がある。
そしてシルが少しずつ説明して周り、最後にシルの自宅兼店についた。
その間、時間もあるのか村人は一人もおらず、代わりに各々の家から明かりがついていた。
「さぁ、ゆっくりしていってくれ!ここが俺の家であり店であるシルコーズだ!ヨウヘイは、、そうだな、上に行く少し余ってる部屋がある。そこを使ってくれ。」
言われたとおりにその部屋へ行くと少し埃があるが、ある程度は整備されている。
来る途中に、元は宿屋だったと聞いていたが、少し汚いのは、それとして機能しなくなったからだろう。
だが一見おしゃれな部屋だ。少し掃除するだけで見違えるだろう。
「掃除なら手伝うぜ、ヨウヘイ。」
「おぉありがたい。なら手伝ってもらおう」
「今用具を持ってくるな」
シルが下に掃除用具をとりに行ってる間にできることはやってしまおう。
まずは窓をあけて、、、
そこで机の上にある本に気づく。
嫌な予感が過る。
「おい、、これ、、、、何語だよ、読めねえぞ、、」
その本には見覚えの無い文字が書かれていた。
どうやら音声言語は同じでも文字言語は違うようだ。
リアルの世界では、育ての親である結城さんの弟が確か言語学者だったな、、、、、解読してみるか?
「おーいヨウヘイ、持ってきたぜ。ちゃちゃっとやって終わらせよう。」
「あ、、お、おう。そうだな。早く終わらせるか。」
そういい、男2人で一室の掃除を始める。
少しして、その2人からため息が出る
「やっと終わったぁ!まさか机の足が折れてるとはな!いやあ大変だった!」
「そうだな。でもシル、お前何もしてなかったろ!」
「ハハハハハ!何言ってるんだ!その間俺はお前のこと見守ってたじゃないか!」
「あぁ分かった分かった、見守ってたな。そうだな。それでいいよ。とりあえずシル。俺はもう眠いから寝るぜ。」
「分かったって。俺も寝るよ、じゃあ、明日な、ヨウヘイ。明日は店は休みだし、ゆっくり村でも観光してこい!」
「あぁ、わかった、それじゃあな。」
「おう。」
バタン、とドアをしめ、シルは自分の部屋へ戻っていく。
明日は休みか。
徹夜は結構慣れている。解読か、、できるのか?
「さぁ、夜は長い、これくらい、、、できる、、だろう、、、?」
音声言語が一致しているんだ、恐らく類似言語はローマ字だろう。
なら踊る人形方式でやっていけるだろう?
「さぁ、、、やるか、、これ絶対疲れるよな、、、」
どの位の時間が経ったのだろう。そう思い窓を見ると暗かった空は青く、すこし明るくなっている。
そういえばこの世界で朝は初めてだな。
この短い時間でよくここまで来れたものだな。
言語も、ある程度解読できた。
あとは26文字中9文字わかれば、、AからZまでわかる。
我ながら速いペースだな。
いや、、待て。速すぎやしないか?
まさかこの世界では1日は24時間ではないのか、、?
クソッ、、、それについても調べていく必要があるな。
まぁ、言語についてはここまでわかれば、あまり支障はないだろう。
それに主に口で話す事のほうが多い。
それまでに残り9文字も解読できればいいだろう。
そう考えているとドアをノックする音が聞こえる。
「おーいヨウヘイ、起きろ。」
「やぁシル、俺は起きてるよ。」
「そうか、この様子じゃ、結構前から起きてたな?ずいぶんと早いな。」
「そんな事もないさ。シルもその様子じゃ今起きたろ?」
「あぁ、そうだよ。ヨウヘイ、飯を作るぞ。さぁ手伝え。」
「わかったよ、今行く。」
まぁ、、分からないことは今日で調べればいいか。
体感的にだが、1日の長さは元の世界とは違うようだし、
恐らく言語も今日中に把握できるだろう。
「よぉし、、いっちょ行きますか。」
異世界での2日目が始まった。