3章19節 強化
ほとんど会話です。
いや他の話も大抵会話なんですけど
「はぁー・・中は意外と狭いんだなぁ。外から見たらでかいのに。」
「まぁ、ほとんど武器を保管したり、魔術用のマナをためる空間だったり、あとは内部の兵士用の訓練部屋だったり、ですね」
「んーまぁ、あれだ。エンチェイントだ。忘れる前に。」
「そうですね!えーと、こっちの部屋です。」
「なんだ普通の部屋みたいだな。」
「失礼しまーす。ユニです。クローさん。」
「お。ユニじゃないか。今日はどうした?」
「えーとこの2人の武器の強化を・・」
「2,000メニーだな」
「そんなんでいいんですか?」
「知り合い割引だ。なぁ?シルよぉ」
「え・・・何で俺のこと知ってんの?」
「お前の親父とはずいぶん仲良くしてたよ。俺も、イエスト出身さ。」
「へえぇぇ。親父の知り合いねぇ。でも俺と会ったことあるの?」
「おめぇが3歳の時にここにきてんだ。それまではずっと遊んでやってたんだぜ。」
「うっわぁ全然記憶にない・・」
「シルさんひどいですねぇ忘れるなんて。」
「ハハッ!まぁ無理もないさ。で、さぁ、どれとどれだ?用があるのは」
「俺の剣と、こいつの短剣だな。」
「ほうほう・・・ってお前これ!ローズンデライトの剣じゃないか!何でお前が・・」
「あぁ。ここに来るときに、村長から。」
「へぇーーあのおっさんがねぇ。で、兄ちゃん。どんな風にしてほしい?」
「どんな事ができる?」
「ローズンデライトなら全適正だからなんでもできるぜ。まぁ、なんもついてないまっさらな剣だから、最初は攻撃強化と耐久性、それと範囲拡大だな。」
「範囲拡大?」
「あぁ、重さ刀身はそのまま。剣自体に仮想の刃をつけて攻撃範囲が広くなるんだ。」
「ほーう。そんな事ができるのか。なら凄い長い剣に範囲拡大を何重にもつければ」
「残念ながら、範囲拡大も限度があってね。これにはあと1回だけ、シルの剣にはつけれない。」
「これにあと1回つけたらどのくらいの距離が?」
「シルの剣2本分。」
「限度設定ガバガバじゃないか・・・」
「たぁーだ、つけると折れやすくもなる。だから、耐久性と範囲拡大を1回ずつしかつけてない。耐久性はどの武器にも1回だけだからな。」
「なるほどな。それでバランスが取れるようになってるのか。」
「バランス?知らんがまぁ大体あってると思うぞ。」
「それじゃ、俺のも頼む。」
「おう。お前のは攻撃と耐久と火炎属性でいいな。」
「任せるよ。」
火炎属性・・まぁ名前からして察するが、その通りなんだろう。
延焼弾みたいなものか。
「あのー私も護身用の短剣につけてもらっていいですか?」
「あぁーユニちゃんなら500メニ―でいいよ。」
「明らかに人で選んでるな。もし俺が1人で来てたらいくらだった?」
「兄ちゃん1人なら3,000メニ―とってたな。」
「ぼったくりだな随分。」
「いやぁ、でもこれで兄ちゃんと俺は知り合いだろ。次からは1人でも1,000メニ―で許してやる。女になってきたら500メニーだな。」
「あーもういい。わかった次もユニを連れてくるよ。」