3章16節 闘技
「ヨウヘイさん!ここを右に曲がって!」
「うわあああ待ってええ!!お前ら早い!ユニちゃんどこにそんな体力あるの!」
「あいつはほおっておけ・・・」
急遽、寮に戻り、目的の物をとりに戻ることになった。
正直、走りながら今じゃなくてもよかったと思いつつも、ここまで来てしまったのでまぁ良いじゃないかと自分に言い聞かせる。
それに、もしかしたらここでの資金源や武器の量産がスムーズに進むかもしれない。それならやはりここで物を取りに戻ったほうが良いんじゃ・・
「ヨウヘイさんしっかり前みてくだっ・・・あーー」
「おぉ?なんだ?どこ見てあるいてんだぁ?」
「すいませんすいません!この人が失礼しました!でわっ!ほらヨウヘイ行くぞ!」
「ちょっと待てよそこの金髪の二人。嬢ちゃんはいっていいがな。ほらお前だよ。」
「あ、あぁ。すみません。少し考え事をしてた。」
「そーかそーか。で?ぶつかっておいてそれだけ?」
「いくら欲しい?」
「金じゃねーんだよ。ちょっくら、頼み事聞いてくんねえか?」
そう言い、男は話し始める。
どうやら、3日後に闘技場で腕試しがあるらしい。
それに人数合わせで俺らと一緒に出てくれ。とのことだ。
「いやぁ、あんな、出場するにはパーティ組まなきゃいけなくて、あと一人足りんかったんだ。ちょうどよかった。名前貸してくれるだけでいいぜ。まぁ、なんなら一緒に出てくれてもいい。そこの嬢ちゃん見る限り、あんたら騎士団のだろ?もう一人の奴は置いといて、あんたからは他の奴と違う感じがするぜ。」
「何なんだろう。俺よく弱い人みたいに見られるんだけど。俺とヨウヘイそんな違う?」
「立ち振る舞いが違うんじゃないですか?ヨウヘイさん堂々としてますし。」
「それで、俺はどうすればいい?名前は貸すし出ようとも思う。闘技場はどこにある?武器の使用は?どんな服装だ?金はかかるか?勝ったらどうなる?」
「あぁ、闘技場はそこの中央広場から東の方にまっすぐ行くと、円状のでかい建物がある。武器はなんでもありだが、闘技場内では殺傷能力が0になる。出れば元に戻る。飛び道具の飛距離は定められてない。服装は配られる。布製の身軽な物か鉄製の鎧のような物だ。その防具には攻撃を食らうと赤く染まる細工が施されてる。金は出場料があるがもう払ってる。勝ち上がって3位以上には賞金が、1位にはそれの他に次回の出場時の出場費用免除権と王都中央あたりの飯屋で金が半額になる。」
「よし出よう。半額だろ?目指すは1位だな。」
「ハハッ!乗り気だな兄ちゃん。あーヨウヘイ?よぉ!俺はジョーって呼ばれてるぜ。」
「そうかジョー。よろしくな。」
「あぁよろしくよ相棒!それと、他の奴らにも合わせてやりてぇ。明日の夕暮れ時に、そこの酒場。ラガーに来い。」
「明日か。明日は予定が入っているから、遅れるかもしれん。先に来たら飲んで待っていてくれ。出る予定はないだろうが、この2人も連れていく。」
「おーうよ。そんじゃ。」
「おう。」
そういいジョーは路地裏へと消えていった。
案外長く話し込んでしまった。
だがそれもこの世界の時間経過では大したことではない。
お盆休みなんであと7話投稿しますもし読んでる方いたら待っててください