1章2節 戦闘
「止まれっ、、、静かに、前方右建物、武装した2名を確認、まだ奥にいるかもしれない。慎重にな」
「「「了解」」」
「レオンとハリスはそこの建物から、俺とヤンで裏から回る」
「オォケイ、行くぞハリス」
「ヘイヘイ」
そういい、残りの2人と別行動をすることになる。
この建物は昔は立派なホテルだったのか、フロントや、階段の上にはいくつかの部屋がある。
だが、戦争をきっかけに廃墟と化した地区だけあって所々血痕のような染みや壊れかけた壁が目立つ。
上は爆撃でもされたのか、殆ど吹き抜けの状態だった。
少し下を見ると別行動している2人がいる。
ハリスはその2人にGoサインを出し、その2人が通りを抜けることを見守る。
そうして2人が奥まで行った事を確認して、ハリスが言葉を発した。
「レオン隠れろっ、、」
いきなり後ろから肩を押され、地面に這いつくばる姿勢にされる。
「おい、、おいレオン、奥のアパート、3階右から二つ窓、狙撃兵確認。注意しろ。こっちを見てた、恐らく気づかれてる」
「了解」
そういい、壁から遮蔽物へと、死角となる場所を数メートル前進する。
「移動した時、一瞬ポインタの光が見えた。やはり気づかれてる。どうする?」
「待てハリス、まだ近くに敵がいるかもしれん。慎重に、だろ?」
「ハッ、そうだな」
鼻で笑い、ハリスが胸元から無線機を取り出す。
『隊長、聞こえるか?おい』
「あーー、、ダメだ繋がらん、ここは届かねーのか?」
「いや、恐らく近辺にジャミングが張られてるのだろう、迂闊に外を見ることもできん。このままじっとしてても意味が無い。もしかしたら敵の兵士にも気づかれてるかもしれん。急ぐぞ。」
しかし急ぐと言えどどうするか。恐らく下にいた敵兵はこっちの事を気づいているだろう、隊長側ではなくこっち側に、だ。
そうして考えを巡らせてると下の階から足音が聞こえてきた。
「ストップ、、ハリス、足音が聞こえないか?」
「隊長達は向こうの通りだろ?ならこのあたりに他に味方はいないはずだぜ、、」
「ハリス、、狙撃兵に撃たれる前にそこの階段を降りて下に行く事はできるか?」
「多分ムリだろうな」
「分かった、なら俺が一瞬だけ奴の気を引くから、その隙に下へ降りてくれ」
「了解」
手近にあった石ころをとり、階段とは逆の方向へ投げつける。
それと同時に、奴のであろうレーザーポインタが一瞬その石へ向けられ、ハリスは階段へ駆け抜ける。
なんとか階段側の壁まで来たハリスは、多分奴には気づかれてない。
下を確認してこい、と合図して、ハリスは階段を降りる。
ジャミングが張られているので連絡は取れない。
さぁ、どうするか、狙撃兵にこっちの人数まで知られてたら恐らく俺をジっと狙っているだろう。それか場所を変えてこっちを狙ってきているのか。
しかしすぐに俺の意識は別の方へ向けられる。
消音器をつけた銃火器の音がすぐ近く、階段の下から聞こえてくる。
近い、、ハリスか?
いやアイツは消音器をセカンダリウェポンにつけてたはずだ、ここまでリズミカルには撃てない。
だとしたら、、マズイ、、ッ!
「ハリスッ、、!」
そうして駆け出そうと身を乗り出した瞬間、今自分が何から隠れていたのか思い出す。
「あっ、、!」
パアァァンっと、耳を劈く発砲音が聞こえ、体中から力が抜けていくのがわかる。
頭を弾丸が貫通するが、痛みは感じない。
気がつくとその場に倒れこんでいた。
光が奪われていく。
まるで時が止まっているようだ。
音も感覚も光も無い。
気が付くと真っ暗な世界だった。
とても無い程心地の良い浮遊感と意識がある。
体は見えないが、何を根拠にか視覚はしっかりと
働いてると、脳が認識している。
いや、視覚以外にも聴覚も機能している。
ここは死後の世界か?
だとしたら天国だろう。体から力が抜け、強制的にリラックス状態にさせられた上で、浮いてる感覚に陥るが、とても心地よく、言葉に出来ない安心感がある。
あぁ、一体どれくらいの時間が経ったのだろう。
そう思うと同時に足元から、また感覚が消えてゆく。
まだ謎の快楽に体ごと浸かっていたい。
足元から頭にかけて感覚が無くなっていくのは、その部分がなくなっていくようで、とても不快だ。
その不快さが、さっきまでの快楽を奪っていく。
―――そうして、レオンは意識までも奪われていった。
とある指摘を受け、一部編集させていただきました。
辻褄を合わせようと、無理やりなシーンもありますが、そこはすいません(´・ω・`)
これからもよろしくお願いします。