表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
28/36

3章13節 買い物2

お久しぶりです

少し歩くと、とても良いにおいがしてきた。

肉の焼けたようなにおいが一際目立っており、それはどうやらすぐそこの赤い屋根の店からしているようだった。


「おぉ・・久々にがっつりとしたものを食べれるのか・・・なんだかんだで例の酒場では軽くつまんだくらいだったしなぁ。」

「来る途中はシルの釣りが下手すぎて魚も十分に食えんかったしな。」

「う、うるせぇな!俺は釣りより狩りのほうが得意なんだよ!」

「いやぁ、お二人さん、やっぱり仲が良いですねぇ!羨ましい限りです!」

「そ・・そりゃぁ!俺とヨウヘイの仲だからな!ユニちゃんにも仲良い子はいるだろう?」

「うーん。私にその話題が来るとは思いませんでした。」


ユニは少しいいですか、と照れくさそうに、しかし思い出を探るような顔つきで語り始めた。


「私、産まれも育ちも南の奥にある、名前もない港町でした。小さいですけど、活気もあふれてて、お魚もおいしいんですよ!そこで魔術学校へ通ってたんです。私の一番の友達も、同じ学校の子で、アリスっていうんです。金髪で青い瞳の、すっごい可愛い子なんですけど、その子いきなり遠くへ行くって言っていなくなっちゃったんです。私もそのころは幼かったんで、どこへ行ったか、何で行ったのかなんて知らなかったですし、ここまで来たの正直それを知ることが目的でした。」

「へぇ~ユニちゃんもすごい過去があるんだねぇ。まぁ、今も十分幼いけどね。」


この二人の会話を余所に、ヨウヘイの頭の中ではある言葉が繰り返されていた。

「アリス」「金髪で青い瞳」

偶然だろうか。偶然にしては出来すぎている。

しかし、数日前に記憶として蘇った少女アリスと、ユニの知るアリスでは、見た目も状況も酷似している。

いきなり頬の傷が痛みだした。

その事を、アリスを思い出すな。記憶の奥に閉じ込めておけ、と言わんばかりの激痛が走る。


「お、おいヨウヘイ?大丈夫か?」

「・・・・っ!」

「うわわ!!どうしたいきなり!俺だシルだ!わかったからその剣をしまえ!」


ぼんやりとしてた意識が戻ると、自分のナイフをシルに向けていた。

横ではユニが呆然として立ち尽くしている。


「あ・・・すまん。ぼーっとしてた。えーーっと・・・これは昔の癖だ。悪いなシル。」

「あっ、あぁ。大丈夫だ。何か悩むことでもあったのか?」

「いや。関係ない。すまない俺のせいで空気を壊してしまった。忘れてくれ。さぁ・・腹がすいたな!店の前で立っていてもしょうがない。早く入るぞ。」


何か言いた気な二人を連れ、ヨウヘイは赤い屋根の料理店の中へ足を踏み入れていった。

謎の少女アリスとヨウヘイには一体どんな関係が・・・・っ!!?



※メタ注意

(自分の脳内でのイメージがちょくちょく変わるので、アリスに関して以前と矛盾する設定が登場するかもしれません)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ