3章5節 準備
「うっわ・・めっちゃ人集まってる・・・なぁユニ、まさかあれが騎士団とか言わないよな・・?」
「あれ全員ではないですけど騎士団ですよ!今回の作戦は他ギルドの参加も容認してるので騎士団以外のギルドに属する方も参加してます!で、あの奥で固まってる人たち、あれが騎士団の魔法部隊で、その隣の方にある、また別の群れが剣とか使う人たちです!」
「なるほど。あれ?俺らの事って騎士さん達に伝わってるの?」
「昨日話しておきましたので大丈夫です!おーーい!キックスさーん!昨日話してたた人連れてきましたよ!」
キックスと呼ばれ、こちらの方に厳つい男が歩み寄ってくる。
荘厳な見た目の巨漢は鋭い目つきでこちらを睨みながら
「あらぁ~あなた達がユニちゃんの言ってた子ねぇ~。あらっ、男前じゃない~こっちのヒョロっとした子も可愛いじゃないの~!あぁ、私、キックスって言うのよろしくぅ~」
その見た目とは裏腹に、とても男とは思えない甲高い声で体をクネラせながら、自らの名を名乗った。
それを見てシルは耳元で、帰ろうぜなぁ帰ろうぜ、と続けるがそれを無視し
「あ、えっと、よ、ヨウヘイって言います・・。こっちのヒョロっとしたのがシルです。えーと・・・キックスさん?ですよね?あの、私達は王国騎士団に所属させてもらいたく話を・・」
「あらぁ!大歓迎よ!ちょっと待っててねぇ~」
そしてその後、キックスは剣士達の元へ戻り、大声を上げた。
「おらぁ!!てめぇら!敬礼!!!歓迎式始めるぞぉ!」
「「ハッ!!」」
開いた口が塞がらなかった。あのオカマらしい口調のキックスが、剣士たちの元へ戻るとその見た目通りの声を上げた。
一見普通なのだが、声にもしゃべり方にもギャップがありすぎて驚いたままの顔を、部下を引き連れ戻ってきたキックスが不思議そうに眺めている。
「どうしたのぉ?二人とも・・・・何かあった?大丈夫?」
「あっ・・いや・・えっと大丈夫です・・・はい」
「そーお?んじゃぁ、早速歓迎式を始めるわぁ。ウフフッ。時間無いから、短縮させてもらうけど、終わったらもう一度しっかりとしたのやるわねぇ。」
「あ・・はい、わかりました。」
「ウフッ。じゃあ、あなた達、服を脱ぎなさい。」
開いた口が塞がらない(ニ度目)。やはりオカマはオカマだったか、ここで己の身を守れぬならば、逃げるのみ!
そう思い、シルにアイコンタクトを送り逃げ出そうとしたところをキックスに掴まれる。
「なーに勘違いしてるのかしら。あたしに襲われるとでも思った?やっだぁ~!違うわよ。素質があるか確認するだけよ。上着だけで十分だわ。」
「あ・・・そうだったんですか。すいません。」
「ヨウヘイ・・・俺もう帰りてぇ・・・」
シルは無視しつつ、装備を外し、服を脱ぎ上だけ裸になる。
キックスニにジロジロと見つめられてるのは恐らく素質とやらを見ているからだろうか。
「うんっ、大丈夫ね。よし!さぁ、王国騎士団第一部隊へようこそ!そうねぇ、まずは、それじゃいきなり、前衛についてもらおうかしら!」
「前衛ですか、イマイチ陣形がわからないのですが。」
「大丈夫よ!三角形二つつくって、一番後ろの中央に私一人と副隊長がつく、ヨウヘイちゃんとシルちゃんは一番前についてもらうわよ。」
「わかりました。」
なるほど、陣形は魚鱗の形で間違いはないだろう、それに第一部隊と言ってたから、恐らく先陣を切るのはこの隊、となるとこの人数の中で、一番先頭になるわけだ。
「なあに心配しなくていいわ。何かあれば私が守ってあ・げ・る。」
「ヨウヘイ俺心配だぁ・・」
「いい、シル、死にはしないぜ。あとは・・お前がは頑張れ。」
「いやだあああああ!戦い向いてないよ!!!」
タイトルが投げやりになってきてます。単語のタイトルにするのやめようかと考えてしまいました。
ちなみに、これを想像してる段階では、どの話でもキャラの名前は考えておらず、出てきた時に、ふと思いついたものや、近くにあったものの名前をとってます。