2章最終節 王都
「準備は大丈夫か?」
「まぁ、ざっとこんなモンだろう?」
「あぁ、大丈夫みたいだな。で、ヨウヘイ。王都でまずなにするんだ?」
「住居確保が優先だろう。そして、そうだな・・・情報収集かな。」
「そうかい。分かった。それじゃ、王都着いたら、俺はまず武器や防具を調達してくるよ。えーと・・お前の・・カービンは?」
「あぁ、軽く落ち着いたら、向こうの技術力の高い武器職人に複製してもらって・・だな。」
「剣は?」
「なんか魔法かけるとか言ってなかった?どうやるんだ?」
「あぁ、術師にな。その剣に術式を編んで、魔力付加してくれるんだ。」
「どうなる?」
「強くなる。」
「それだけ・・か?」
「何を期待してるんだ?」
くだらない雑談を交わしながら準備を終えた俺たちは、村の中央広場へ向かった。
もうすでに村人が集まっており、2人の出発を見送る準備ができていたようだ。
「おう!ヨウヘイ!昨日渡した剣の調子はどうだい?」
「まだ閉まってるし振ってもいないからわからんよ。」
「ハハハ!お前見た感じあんなデカイのより、これくらいの方がいいんじゃないか?」
そういいウィルは後ろで組んでいた両手から、とても古めかしい布に包まれた1本の短剣を見せる。
「これな、本当は先祖から受け継がれてる物でな。何でも、ローズンデライトだかっていう物で作られてて、今じゃもうどこにも無くて採掘出来ないらしい。だから、お前には2日かけて伝説級の剣を2本も手にしたってわけだ。」
「なるほどな・・・あぁこいつは良い。持ちやすい。」
「そうか!そりゃ良かった!んじゃ、そのデカイ方はシルにでも渡しといてくれや。」
「あぁ、分かった。」
「シルさんヨウヘイさん、これ、さっき急いで作ったの。王都まで遠いけど、頑張ってね。今じゃ移動手段も徒歩しか無いのよ・・魔族に襲われても隠れるか逃げるかしてね。」
「何言ってるんですか!ヨウヘイが居る限り死にませんって!」
「おい。何言ってるのはお前だろ」
「ようシル、競争相手がいなくなって俺の店はこれから繁盛する予定だぜ。」
「そうかそいつは良かったな、俺はお前が扱ってない物も売ってたから村が少し不便になるだろうな。」
「ふざけろ。ほら、これ。高級羊毛を使った寝袋だ。結構前に仕入れてた羊の毛だぜ。王都から持ってきた、いいもんで寝れるぜ。」
「おう、サンキューな。」
「さんきゅう?何だソレ。」
「ハハ!俺とヨウヘイの秘密の言葉さ。」
「シル。俺の・・・俺たちの仇を取ってきてくれ。俺は何も出来なかった・・無力だ・・」
「お前は無力なんかじゃない。お前たちの死を無駄にはしない。」
「うぅっ・・ありがとう・・・。」
「さぁ、一通り別れの挨拶も終わったかな。ヨウヘイも思い残すことはないか?」
「あぁ、大丈夫。」
「気をつけてな!2人とも!」「シルさんヨウヘイさんお元気で!」「夫の仇を!」「兄ちゃん頑張って!」「ええぇい!お前たち五月蝿いぞ!最後位静かにせんか!・・・・・ゴホンッ。まぁ、そういうわけじゃ。みな、お主達に期待をしているんじゃ。死んだら承知せんからな。」
「あぁ、任せとけって爺さん!」
「よし、シル、そろそろ出るぞ。」
「オウケイ!」
次回から、王都編始まりますが、今回は区切りをつけるため短くなっています。
しかし短すぎるのもあれだと思うので露骨に文字数稼ぎしたり、深夜のテンションで少し文章がおかしくなってますが、僕は元気です。
因みに、実際にダイアモンドより硬いロンズデーライトなるものがあり、今回にも出てきていますが、名前を少し変えてます。
間違ったわけではありません。
間違ったわけではありません。(大事なことなのでry