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If start story (イフ・スタート・ストーリー) ~ボッチな問題児は異世界で大暴れするようですよ?~  作者: 過ち凪
短編章 「VS hero story」~俺と雷神の承認試験~
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閑話

二分…。


それが、今の全出力をフルに出している状態のユウトの充電切れ(タイムアップ)までの時間だった…。


元々、ユウトの能力は体内のエネルギーを電気に変えて放出していて、常に全力で雷を放出し続けて5分間という、短期出力形の能力なのだ。


加えて、技を複数同時に併用することによる頭の不可は尋常ではない。


今のユウトは、既に大手を置かれているのと、大差無い状況なのだ。


しかし、それだけのリスクを払ったのだから、只では終わらない、終わらせない。


現在、発動している技は実は四つ。


空中に足場を展開する能力、蒼作黒現(クリエイト)シリーズver空床(エア)。『黒空立動』


造り上げた義手、蒼作黒現(クリエイト)シリーズver左腕(レフトアーム)


 名前はつけるのは面倒なので省略。


 そして、常時展開形、白の雷で形成された翼、『翼雷兎(よくらいう)』と、前からは気付かないが、尻尾の用な形の蒼の雷が常時立体的に動き続ける『霎薄鬱(そうはくう)』を腰から本物の尻尾のように発動していた。


 空中で颯爽と佇む姿は、天使のようにも、悪魔の様にも見え、正直言って不気味だった…。


 全くの余談でしかないが、ユウトの頭の天辺にはアホ毛があるのだが、そのアンテナは雷を帯びて、ぴょんぴょん、と元気に自己アピールをしており、些か場には不釣り合いの様でもあったが…。


 だが、それにしても異様である。


 トオルは、その姿(アホ毛を除く)に危機感を懐き、直ぐに次の行動に出た。


 バキっ…ボキっ…、


 と歪な音が響いてユウトは何事かと身構える。


 見ると、校舎の壁が曲がり始めていた…。


 具体的には、壁から鉄筋コンクリートだけが、なん本も飛び出ようとしていた…。


 トオルは鉄分の大量に含まれた校舎の磁力を操り、鉄筋だけを取り出そうとしているのだ。


「しゃらくせぇえ!」


 しかし、中々出てこないことに苛立ちを感じたのか左手で足場…、つまり、校舎の側面をなぐり付けて壊す。


 すると、壁は見事に崩壊して、中で燻っていた鉄筋コンクリートが剥き出しになり、そのまま一気に飛び出した。


 その数、全部で八本。


 磁力に操られたそれは、真っ直ぐとユウトに向かう。


 ユウトは一本目、二本目、三本目と立体的に動き回避するが、五本目がどうしても間に合わないと分かると、黒の雷で出来た左腕を突き出し、


「形態切り替え(モードチェンジ)『ver.(チェーンソー)』!」


 叫んだ。


 途端に形が変わる左腕の先が、ギザギザのついた楕円形が真っ直ぐと伸びて、まるでチェーンソーの様になった。


 更に黒い雷はその形のまま高速で動き、甲高い音を響かせている。


 蒼作黒現(クリエイト)シリーズver左腕(レフトアーム)


 千切れた左腕の切断部を焼ききり、止血させ、その上から、体の左右のバランスを取るために、いつものように蒼の雷と黒の雷を併用して造った義手。


 だが、ユウトはその手をそのまま、様々な(ぶき)に変えて、左手をバランサー以外の、攻撃用に使っているのだ。


 そして、今はチェーンソーの形にしているのだった。


 甲高い音をたてながら、動くチェーンソーで、向かってきた、鉄筋コンクリートを向かえうつ。


 両者(物?)が触れ合った瞬間、ギギギッ、と音が響いて、直後、チェーンソーの動きに負けたコンクリートが下方向に飛んでいった。


 その断面には僅に削られた後があり、その部分は熱運動で他よりも熱くなっているのだった。


 トオルはユウトのチェーンソーを見ながら、「何でも有りか!」と内心酷く叫びたい気持ちに刈られたが、焦らずに二本の鉄筋コンクリートの方向を操り、微調整を行う。


 ユウトは、それに対して対して左手のチェーンソー型の雷を、


「もう一回、形態切り替え(モードチェンジ)!『ver.(パラソル)』!」


 変形させる。


 今度は、傘の用な形を黒と蒼の雷で形どる。


 とっての部分は螺旋状に出来ており、よく見ると蒼と黒の雷が動き回りながら、回転しているのが分かった。


 回転のしかたこそ、雨の日の乙女のようにキュートな物だったが…、それを展開しているユウトにとっては、隣から風を切る音が聞こえるので、若干我ながら引いている。


 それを、毎回どこぞの亀に連れ去られて、髭のオッサンが救いにいく姫が、突然大乱闘の舞台に立たされ、シマッシュしたりブラザーズしたりするゲームのみたいにふるうユウト。


 飛んできた鉄筋コンクリートは二つともあらぬ方向へと消え去るのは当然と言うべきか…。


 しかし、鉄筋コンクリートを弾いて、傘を構え直した瞬間…。


 目の前にトオルが居た。


 何と、校舎を蹴ってこちらに飛んできていたのだ。


 片手には最後の鉄筋コンクリートを磁力を操り、数十センチ離れた状態でキープして、装備している。


「いっ!?」


 これには、流石のユウトも予想外だったのか、上ずった声を出してしまう。


 トオルは、それを好機とばかりに鉄筋コンクリートをユウトに降り下ろす。


 ユウトは慌てて、パラソルを当てに行くが、間に合うかが分かは微妙な所だった…。


 それが分かると何とか間に合わせるために、右手に、剣を造り上げるユウト。


 剣と形容するよりは、ビームサーベルと読んだ方が良いような形状ではあるが…。


 勿論、これも黒の雷で形成された剣だ。


 ただし…、相反する二つの黒と白の雷を合わせて造った剣だが…。


 ユウトは黒と白の剣を、トオルの降り下ろした鉄筋コンクリート目掛けて、振り上げる。


 交差する剣と鉄筋コンクリート…。


 その双方は鍔迫り合いすらせずに…、激しい閃光を放ち、鉄筋コンクリーが、切れた。


 『相反する酷薄刀』(ライトニングイレイザー)


 ユウトの現段階最強の技の一つ。


 ユウトの白と黒の雷で造った抹殺の剣なのだ。


 そもそも、ユウトの白の雷の効果とは普通の雷より質の高いという、一番シンプルな物なのだ…。


 ただし、シンプルイズベストの言葉が有るように、白の雷は、通常の雷を、質や電圧や電流の全てにおいて上回る。


 その白の全てを焼ききる白の雷と、超振動させて全てを切り裂く黒の雷。


 その二つが交わって、この技は構成されているのだった。


「嘘だろ!?」


 トオルは思わず、そんな声を上げてしまうが、まだ攻防は続いている。


 ユウトは、そのまま左手の傘を横凪ぎになぎ払い、トオルは慌ててそれを左手で受け止めたのだった。


 自身の左手で、唸りを上げながら、回転を続ける傘を掴んで放さないトオル。


 その手は、血を流し始めている。


 しかし、トオルは、そのまま左手に最大出力の電気を込めて、教化した肉体で傘を握り潰した!




「ちょっ!?」


 今度は、驚かされたのはユウトの方だった。


 元々、傘の回転力こそ高かったが、傘という脆い構造を考慮しておらず、それが仇となり、トオルに握り潰されてしまったのだ…。


 トオルは左手の細胞を活性化させ怪我を治し始めながら、右手に力を込める。


 このまま一気に勝負をつけるつもりなのだ…。


 ちなみにお忘れかも知れないが、舞台はまだ空中。


 トオルは握り潰した傘を持って、ぐんとユウトに近付こうとして…。


 ユウトが、左手を切り離したことによりバランスを崩した。


「ちょっ!」


 頓狂な声をあげ、ユウトの斜め右上に狙いをそらされてしまうトオル。


 間抜けにも空中で方向を変える術を持たないトオルの隙だらけの脇に剣を振るおうとユウトは思い…。


 謎の脇腹への衝撃で、その行動を中断した…。


 トオルから繰り出すことは、どう見ても、不可能な攻撃。


 見るとそこには、自らが切った鉄筋コンクリートが自身に重くぶつかっていた。


「(磁力操作…)」


 トオルは鍔迫り合い切り離された鉄筋コンクリートを手放してなどいなく、隠し持っていて、油断した、今、使ったのだった。


 ユウトは咄嗟にその起因に思い至るが、くらってしまったものはしょうがない…。


 内蔵の何処かが出血してしまったのか、口に上がってきた血を吐き出したい衝動を押さえながら、ニヤリと笑う。


 次の行動に移る為に、一歩だけ元居た位置から離れる。


 その一歩が大事なのだ。


 ユウトは、その背の白の翼から一枚の閃光をトオルの真近くに飛ばした。


 先程まで、ユウトが居たその近くに…。


ここで、ユウトの尻尾の様な形の蒼の雷が常時立体的に動き続ける『霎薄鬱(そうはくう)』の能力を説明しよう。


その能力は実に単純。


蒼の雷の精密操作による電気分解。


先程までユウトは空気中の水分を電気分解し続けて、水素と酸素を精製していたのだ…。


その用途は別の為に、有ったのだが、この際仕方無い。


密閉空間で無いので、やや威力の落ちるものの次の瞬間、


爆発が起きた…。

重大発表その2

ライトルアナザー始まりました。

次回、その3です。

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