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If start story (イフ・スタート・ストーリー) ~ボッチな問題児は異世界で大暴れするようですよ?~  作者: 過ち凪
短編章 「VS hero story」~俺と雷神の承認試験~
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閑話

何度も言うが俺は雷神トールじゃない。

通称、ライトル。

雷神に任命される英雄のお話。

今回のお話はある記念にそんなライトルとコラボします。

吸血鬼ちゃんに負け落ち込むユウトの前にあらわれる神、トール。彼が告げるセリフとは

 刻闢葬雷こくびゃくそうらい


 これが、俺の名付けた、雷の力の名前だ。


 まぁ、名は体を表すと昔から、良く言われるが……、この名前にはちゃんと裏の意味がある。


 黒白蒼雷こくびゃくそうらい


用途の違う黒と白と青の雷を操る事が出来る能力。


 真の意味はそこにある。


 だって、これは大きく外れた力だと思うのだ。


 普通の雷は、電圧や電流を強くしたり弱くしたりするのに対して、この雷は色によって、能力を使い分けることが出来ると判明したのだ。


 そこには必ず意味がある筈なのだ。


 その意味を俺が分からないだけで……。


 まだ、全く何も分かってやれないだけで。


 ………………………。


 更に付け加えるなら、この力にはもう一つの異常性イレギュラーが存在する。


 それは、これが、俺の二つ目のこの世界で手に入れた力だと言うことだ。


 普通、この世界にいる者はどんなに応用できても一つしか能力を持つことが出来ない。


 なのに、二つ目の能力。


 これは確実にこの世界の中の理を大きく外れている。


 例外的に……。


 心当たりが無い訳では無いが、結局、それも分かっていないのだ。


 更に更に付け加えるなら、共有リンクも完璧には使いこなせていない。


あの時、これらに気付けていれば、もっと違ったことも出来たかもしれない。


 はぁ……、こんなんじゃ駄目だよな……。


このままじゃ、あの時を繰り返すだけだ。


もっと、強く。


 責めて、まともに刻闢爽雷を使えるくらいには、ならないと……。


 駄目なのだ。


 そんな願を聞き届けてくれたのか、くれなかったのかは……分からないが、今回の物語は、とある三組の悪巧みから始まってしまうのだった……。






「で、今回集まって貰ったのは他でも無い、彼らの今後についてだ…」


 白く不思議な空間で何かしらの集会が行われている。


「雷の神の称号を持つ俺達に選ばれた、その力を使うあの二人の…」


 そこには、人の形状をしている者達が集まっていた。


「あの二人の力は確かに強い…、だが、まだまだ、足りない…、力に目覚めたばかりの少年と神になったばかりの少年。このままじゃ生き残っていけるかは、微妙な所だ」


 しかし、その力は人知を凌駕する。


「そこでだ、何か良い意見は無いか?」


 彼等の集まりは、雷神やその側近、かつて雷神と呼ばれた者によって構成されている。


「……………………」


 一つ目の陣営は、とある聖戦に自分の代理で召喚した普通の男の子から神になった人間をどうするか決める為に…。


「…あ、あの…?意見しても…良いですか…?」


 二つ目の陣営は、別の異世界から、ある人物の協力により、この世界に思念体として、自分達の気に入った、少年の自分達を知りたいとの気持ちに答える為に…。


「ああ、この場では、何もまだ出ないみたいだからな…、良いぞ?…レスクヴァ」


 そして、三つ目の陣営は…。


「そもそも、何で貴方がここにいるんですか…?○○○」


 かつて、別の世界で雷神の2つ名を人の身にして、手に入れた、この場にいるべきでは無い、一人の少年だった…。


「良いじゃんか~、トールに呼ばれたんだからよぉ~。レスクヴァちゃん」


 そんな気楽な返事に…。


「気安く、トール様を呼び捨てにするなぁ!!あと、私をちゃん付けするな!!」


「危なっ!?」


 レスクヴァと呼ばれた少女はキレながら少年に金属バットを降り下ろした…。


「死ねぇ!この前の恨みを込めて!」


「しゃれになんないから!目が血走ってるから!つか、あの時はすいませんでした!」


「あんたのせいで、トール様と要られる時間が減るのよ!ここで、消えろ!」


「そっちが、本音か!?」


 何度も何度も金属バットを振るうシャルヴァ。


「その位にしとけ、レスクヴァ…。シャルヴィ、レスクヴァを連れていってくれないか?」


「分かりました…」


 その姿を見かねたのか、トールと呼ばれた男がもう一人の部下に命じて、レスクヴァを下がらせようとする。


 まぁ、その顔には怒っていると言うより、苦笑しているようで、客人の前の為、仕方無く下がらせた様だった。


 普段は見逃しているのだろう。


「ほら、行くよ…」


「離しなさい!バカ兄貴!」


 そのまま、レスクヴァはシャルヴィと呼ばれた青年に連れていかれる…。


 口振りからして、彼等は兄妹なのだろう。


 ○○○は凶器を振り回す少女がさったことに安心して、胸を撫で下ろすと…。


「くらいなさい!」


 ブン!


 最後の力を振り絞ったレスクヴァが金属バットを○○○に投げつけた。


 回転しながら、遠心力を増していくバットが、あと一歩で○○○に届くところで…。


 バリバリ!


 黒い色の雷によって、阻まれ、焼き消えた。


「くっ!邪魔しないでよね!」


「…………………………」


 そんな会話を最後に、レスクヴァとシャルヴィは、この場を後にした。


「ありがとね…」


 少年は黒い雷を出した者に礼を言う。


「…………………………」


「災難だったな~、○○○!」


「いや、お前の部下にやられそうになったんだけど!?」


「でも、防げたろ…?助けて貰わなくてもさ?」


「…………………………」


 その場にいる者達の視線が少年に集まる。


「うっ…、まぁ、そうだけどさ~、女の子の攻撃はなるべく避けない主義で……」


「何だ、ドMか?」


「違うわ!はぁ…、いい加減にしろよ?トール…?遊ぶのは今度にしようぜ?」


「まぁ、そうだな。少しつまらんが…、今は二人の行く末か…」


「だけど、決まってんだろ?そんなこと?」


「まぁ、意見としてはあるな……。ぶっちゃけ、勢いで神になったトオルに雷神昇格試験を執り行ないたいと思ってる」


「具体的には?」


 そして、トールは切り出す。


「二人をスパーリングさせる!」


「成る程、新米雷神と雷神候補をぶつけるわけか。それは予想もしてなかったかな」


「いや、お前は知ってるだろ?」


「ああ、ばれた?」


「問題はその方法だが…、それも出来るだろ?○○○?」


「ああ、大丈夫さ…。黒石は以前、夢で過去と繋がった。つまり、ーーと繋がっても可笑しくは無いだろ?」


「お前、他にも何かする気だろ?」


 そう言ってニヤリとトールは笑った。


「当たり前だろ?許可は?」


「良いぜ!」


「即答かよ!トオルくん泣くぞ!?」


「大丈夫!頑丈だから!」


「おいおい…。でも、まぁ…………」


 一泊おいて、


「「面白いからいっか(いいさ)!」」


 声を合わせる二人。


「……………………」


 それを呆れた様に、眺める二つ目の勢力の者達・。


 そんな秘密の話し合いは、大雑把で楽しいこと好きな二人によって、悪い方向に向かった…。


 後で、苦労するのは、別の二人だと言うのに…。






 敗北した…。


 見事に…無様に…女の子によって…。


 この俺、黒石ユウトは…、人生において…大黒星を上げてしまった…。


 マリ姉もヒマリちゃんも、気を使ってくれているのか…、そのことに何も言わないでいてくれるけど…。


 事実は絶対に曲がらない…。


「はぁ…」


 あの後、複数の町を経て簡単な依頼に取り組み宿を取り休んでいる俺達。


 二人は、キャッキャ、ウフフと入浴タイムだが…。


 今は、何時もみたいにふざける自信も気力もない…。


あの後の話を少ししよう。


多くを思い出すことはしたくはないから少し。


逃げるようにあの街を出た俺は、自分の失敗を撒き返すために雷の能力の再検査をした。


その結果から分かった三つの特性。


ついた名前が刻闢爽雷(こくびゃくそうらい)


ナイアちゃんとの戦いの後に検証した結果から名付けた名前。


もしも、何時ものようにこの能力についてすぐに理解していれば結果は違ったかも知れない。


そんな憶測を吐いてしまうのは俺が弱っているからだろうか?


 結局、俺はあの吸血鬼ちゃんを救うことは出来なかったんだ…。


 俺が弱いから、勝利した上で、守って上げることも出来ず…。


 俺があまいから、彼女の願いを聞くことも出来ず…。


 俺が強くないから、無理矢理にでも救うことも出来ず…。


 力が足りないから…、何も出来なかったんだ…。


ナイアちゃんだけではない、ルティちゃんも泣かせてしまった。


「こう言うときは…」


 ふて寝に限る…。


自身が弱っているからこそ、こんなしょうもない答えを出すということを理解する。


 でも、きっと、明日には、俺は答えを出してくれている筈だから…。


 俺は現実逃避気味に…布団に乗せている体重を増加させて…。


 眠りについた…。






 ~ ユウト in dream ~


 あれっ…。


 ここは…?


 気が付くと、そこは大きなグラウンドのある学校だった。


「はっ…?」


 こっちに来て、20日前後になるが、久しぶりに見る光景には違和感しかなかった…。


 この世界には、こんな場所がある筈は無いのだ…。


 と、そこまで、思った所で…。


「あっ、夢か…」


 気付いた。


 そう、俺は寝たんだった…。


 つまり、俺の能力が発動した訳だ…。


 俺の共有リンクの能力が発動してどこかと夢が繋がった。


 だけど、今回は何処と繋がったんだ…?


 これに意味は有るのか?


 と、まぁ、考えてもどうにかなることじゃあ無いし…。


 とりあえず、どうするかな~?


 何て、考えていると、目の前に人が居た…。


「見っけたぜ!やっぱすげえな!あいつは!流石に七つの大罪セブンスギルティーと呼ばれるだけは、あるな!」


 いや、人と呼べるのかは、不明だった…。


「…………誰…だよ…?」


 黄色髪をしたそいつは…、立っているだけで特殊な威圧感を放ち…、


「ん?あっ、そっかそっか…、まだ、知らなかったんだっけ…」


 俺なんかでは足元にも及ばないと思わせる…。


「俺はトール!あ!あの雷の神様って呼ばれる、雷神トールね?」


 神だった…。






 いやいやいや、待って欲しい…。


 何がどうしてこうなった!


 落ち着け!餅突け!


 何で、目の前に雷神が要るんだよ!?


 神話って、人の空想上の物じゃなかったのかよ?


「そう慌てない、慌てない。今回は、少々お願いがあって来たんだ…」


 慌てる俺に雷神は、そんなことを言う…。


 はっ?頼み?


 雷神自らが直々に俺なんかに?


「…何のようですか…?」


「む?何時ものユウトさんなら、何のようかにゃ~?くらいは言うんじゃないか?そんな、緊張しないでくれ…」


 俺の質問に、そんな答えを返す雷神…。


 いや、そうなんだけれども…。


 場の空気くらい読むよ…。


 何その、受験生が遊び呆けた末路みたいな返答は…。


 つうか、今の言い様じゃ…。


「僕のことを知っているのか?」


 まるで、昔からの知り合いの様に話し掛けてくる雷神。


 あっ、俺の僕っ子は未だに健在である。


「ああ、知ってるぜ?まぁ、今は気にしても仕方無いことだって…気にするなよ」


「………………」


 何だろう?


 余計気になってくるんだけど…。


「まぁまぁ、それじゃあ、頼みごとを聞いてくれよ~」


「き…聞くだけなら…」


 嫌な予感がヒシヒシと伝わるが、俺の思い違いかも知れないし…。


 うん、と言うか、それでいて欲しいな…、思い違石さん…。


「頼みって言うのは、他でもない…。俺の弟子を倒して欲しいんだ…」


「はっ…?」


 今、なんつったよ?


 弟子を倒せ?


 え、何?雷神って、弟子居たっけ?居ないよね?


 しかも、何故にわざわざ手に塩かけているであろうお弟子さんを?


 む~、分からん…。


 分からないなら、手を上げよう!現代っ子。


「はい!質問です!雷神さん!」


「トールで良いぞ?で、何かな?ユウト?」


 案外、ノリが良い雷神だった…、平然と、名前で呼ぶ許可を貰った…。


「何で、お弟子さんを倒さないといけないんですか?」


 うん、聞かないと駄目だよね?つうか、何故俺に…?


「良く聞いてくれました…。実はな…。弟子の名前はトオルと言いってな、今度雷神を襲名するんだよ」


「…………」


 名前がそっくりだな…。


 何て、どうでも良いことを考えながら、続きを促す。


世代交代みたいな物なのか?と勝手に解釈している。


それはおめでたいことなんじゃ?


「実は問題児で、最初の頃は自身で雷神を名乗っておきながら、いざ力を見せたしめたとたん、人前で自身は雷神じゃないとか言いだして…」


 やっ…、まぁ…、そんくらいなら…、師匠の名を語る可愛い感じの…。


「揚げ句の果てには、家をぶち壊し、ムカついた相手を殺そうとする始末…」


 うわぁ……。


 やっぱり、前言撤回するわ…。


 全然、可愛げ無いよ…トオル君…。


「女の子を涙目にさせたり、金属バットを振り回させる程の事態を起こしたり…とか」


 ………、なんだと…?


 女の子を泣かせただと…?


 しかも、金属バットを振り回される程のこと何て…、浮気でもしたのか…?


 おいおい、最低だな…。


「……………………」


「え?トールさん?何その、自分の心に聞いてみろ的な無言は…?」


時事的過ぎて辛いんだけど!


 良いんだよ!俺は!


それに女の子の攻撃は受け止めるぐらいの男気をみせて。


「なんだ?ドMか?」


「違うわ!」


よく考えたら、逃げ出してる訳であって、この論理はつかうのに抵抗があるな……。


そんな思考をよそにトールは話を続ける。


トールとトオルがややこしい。


「そんな彼に雷神を襲名させるのはちょっとってなってな……。雷の能力を覚えたての君に敗れたらトオルも考え直すかと」


「いや、ちょっと待って!よく考えたら俺関係ないよね!たまたまそのポジにいただけだよね?」


「な、なんのことやら?まぁ、兎に角頼むよ!向こうはやる気みたいだし…………」


「えっ…?」


「見つけたぞ…」


 トールが指差す方を、俺は振り向く…。


 そこには、トールにそっくりで、凄まじいオーラを放つ一人の人間が立っていた…。


 恐らく、トオル君だろう…。


 だが…。


「おいおい…、聞いてねえぞ?」


 こんなやばそうな奴だとは…。


 トオルは肩に担いだハンマーを強くに握りしめ直して、トールを睨み付ける…。


「……絶対……ぶっ飛ばす…」


 やべぇ、目が血走ってらっしゃる…。


「やっべぇ…じゃあ、後は任せたぜ!エスケイプかもぉん!」


「おい!今、逃げるって単語を使ったよな!なぁ?なぁ?」


 突如として、トールは白い光に包まれ始める…。


 いや、100パー逃げようとしてんだろ!?


「逃がすか!」


 トオル君は、その姿をみた途端、腕に稲妻を纏わせながらハンマーを地面に一度打ち付ける。


 ドン!


 その一撃で地面が音を立ててへこむ…。


 凹むと同時に辺りに岩の欠片が飛び散り、その中で最も大きなものを、トオルはゴルフボールの様に打つ!


 かなりの早さを誇るそれは…、真っ直ぐと正確にトールの元へ飛んでいき…。


「じゃあ、頑張れ~」


 間一髪の所で、トールは光の濁流に飲まれて消えた…。


「おい!ちょっと待てぇえ!!」


 あいつ全てを丸投げして来たぞぉ!


 嘘だろ!なぁ?嘘だと言ってくれよぉお!


 そんな、心の中の叫びは誰にも届かず…。


「ちっ、逃げやがって…、何が雷神継承テストだよ!変なところに放り込みやがって。まぁいい…、まずは…お前を倒してあいつの所へ行かして貰う…」


 そんな絶望的なお言葉を頂いた…。


「おいおい…、嘘だろ…?絶対に勝てねぇって…」

何度も言うが俺の親は雷神トールじゃない。

通称、ライトル。


さて、重大発表を控えたライトルるとコラボさせていただいております、今回のイフスト。

時系列的には、最終回後のお話となります。

是非、ライトルの方もご覧ください。

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