第五物語 「complexは秘密にして」
さぁ、初battle!
そのダンジョンは白で同一されていた。
王宮の様な雰囲気を纏っている…。
黒石さんはテクテクと歩くのですよ~。
今日も平和です、まる
でも…、あれはなんだ?
タプン。
ユウト「ねぇ、マリ姉?」
マリナ「何かしらユウちゃん?」
マリ姉も少し焦ったような声を出している…。
タプン。
ユウト「あれ…、あの水色の物体何だと思う?」
タプン。
マリナ「さぁ~、どっかで見たことあるような感じがするわねぇ~」
タプン。
実は二人とも焦ってます。
汗石さんです。はい。
ユウト「じゃあ、マリ姉?」
マリナ「なぁに?」
タプン。
ユウト「アイツ、近付いて来てない?」
マリナ「うん。近付いてるわね…」
タプン。
冷や汗が止まらない…。
目の前に水色の単細胞生物が近付いてきた…。
ユウト「多分あれって…」
マリナ「スライムでしょうね…」
二人の意見が一致する。
タプン!
まるで水の様に透き通って向こう側が見える。
しかし、それが一定の形を崩すことはない…。
単細胞生物だからだろうか?
そして、どういう訳か重力に逆らって立ち上がっている頭のトンガリ。
間違えないだろう。
スライムだ。
顔はないよ?
スライムは飛び跳ねて着地という動作を繰り返しながらこちらにやってくる。
うん!
スライムAが現れた!
ユウト「どうするマリ姉?逃げる?戦う?」
マリナ「勿論、戦うわよ!私に逃げると言う選択肢何か無いわ!」
出来ればあってほしかった!
じゃあ、まっ、戦いますか!
ユウト「行くよ!マリ姉!」
俺は魔法の指輪から棍を 呼び出し、近付く!
マリ姉は右腰にかけてある鞭を何時でも取れるように構えている。
お手並み拝見!
俺は床を蹴り空中にジャンプ。
そして、そのまま単純に棍をスライムの頭に叩き下ろす。
しかし…、
ボヨン!っとスライムから打撃音じゃなく、ゴムボールを叩いた時の様な音がする。
そして、俺の攻撃はゴムに当てたように力がそのまま返ってきた。
何が言いたいかと言うと、空中でおもっいっきり力を込めた為体勢があまり良くなく、尚且つその力が返ってきたので体制が完璧に崩れた…。
つまり、そのまま地面に落ちて、ぶっちゃけこけた…。
ぐふっ…。
黒石さんに12のダメージってところか……。
口元を拭う俺。
ユウト「へへっ!中々やるじゃねぇか!」
マリナ「いや、今の完全に自爆よね!」
ユウト「言うなよマリ姉!」
せっかく、カッコつけて誤魔化そうとしたのに!
情けないわ!
マリナ「うわぁ…。マジ無いわね~。行くよ!マリ姉!とか言いながら、マジないわね~」
ユウト「止めて!俺が悪かったから!次こそ真面目にするから言わないで!」
心が痛い。
くっ!今度こそ!
今度は、棍を槍のように構え、スライムに向かって突きを放つ!
しかし、これもボヨン!と跳ね返ってしまう。
打撃じゃ無理か!
そうと分かると、棍から手を話す。
棍は弾性力で跳ね返ろうとしていたので後ろに飛んでいく。
俺は気にせずに無手のまま右側から切りつける様に腕を移動させる。
今だ!
空気の刃がスライムに当たる瞬間手元に曲刀を 呼び出す。
その手にスッポリと収まった曲刀をそのまま振りかぶった。
ビチュ!
奇妙な音を響かせスライムのトンガリと体?が分離した。
ユウト「ふぅ…」
俺は曲刀を軽く振りヌルッとした液を振り落とす。
くぅ~!
格好いい!
やっと、ファンタジーらしくなってきた!
やっぱり、日本人は曲刀だよね~!
ん?
良く見ると、その曲刀のスラッとしなやかな刃には波紋がはしっていた。
日本刀?
実際に初めて出して気付くことだった。
ユウト「本当に至れり尽くせりだよ…」
老人がこっちにしてくれたんだろうと思うと、何か微妙だが…。
ふぅ…。
ユウト「取り敢えず、戦闘終り「なに言ってんの!?まだ、終わってないわよ!」へっ?」
ボチャッ!
ユウト「へぶぁ!?」
背中に衝撃がはしる。
ダメージを受けた……。
倒れ込みそうになったのをどうにか右手を床に着き、そのまま軸として体を横に半回転させつつも起き上がる。
見るとスライムが佇んでいた。
あれ?生きてんの!?
でも、小さくなってない?
マリナ「ユウちゃん!このスライムは核が有るわよ!」
そう言われて、スライムを見ると僅かに濃い青色の小さな球体が浮かんでいた。
あれ、あれ攻撃しないといけないの?
ユウト「はぁ…。期待させやがって…」
マリナ「慢心してたのは誰よ?あと、核から切り離されたらああなるわ!」
指を指してる所をみると、スライムの後ろの方にヌメヌメした水色の液体が垂れている。
ああ、だから小さくなったのか…。
ユウト「成程、核から切り離されたら放置されるわけね…」
と思っていたら、タプンと切り離されたら液体の上に飛び乗るとスライムダンス(仮)(プルプル前後左右に震えている)を踊り出した…。
すると、どうでしょう!
あんなに小さかったスライムが段々と大きくなり、今ではもとの姿に!?
マリナ「ビフォー、アフター風の説明は良いから!」
ユウト「心読まないでくれる!?」
マリナ「つまり広がった体液は、吸収出来るってことよね?」
ユウト「あれ、スルー!?まぁ、多分そうだけど……」
あれ~、面倒臭いな…。
スライムって、最弱モンスターじゃなかったっけ!?
マリナ「まぁ、ユウちゃんおどらせて特性分かったから、後は私がやるわ…」
ユウト「あれ?俺っておどらされてたの!?」
なんかマリ姉、今日冷たくないか!?
なんか、ナターシャさんと離れた辺りから冷たい…。
俺はいつも通り、マリ姉LOVEなのに…。
マリナ「はいはい…」
ユウト「心の中読まれた上に受け流された!?」
軽くショッキング!
何時もなら、私もよユウちゃん!とか言ってくれるのに…。
マリナ「じゃあ、倒れなさい!」
そう一言スライムに告げるマリ姉。
パアァン!
次の瞬間、マリ姉の右腕が消える。
いや、左右に二往復て最後に強く前に一降りしたのか!
一瞬、何をしたのか分かっらなかった……。
急いでスライムの方を見ると綺麗に四分割されていた。
それだけじゃない…、中の核がはぜている。
スライムAを倒した。
つぇえ…。
え?なにそれ?なんなのそれ?
え?俺達って異世界から来た普通の学生設定だよね?
いや、確かにだよ…、確かに俺はマリ姉から騙されて毎日登校する時くそ重いとか思っていた(人間慣れでなんとかなった…)鞄とローファー(今は魔法で軽くなってる。そういや、学生服はまだ、着てないか…)が軽くなったお陰でやべぇ!もの軽い!からだ浮きそう!誰よりも速いぜ!なんてふざけてたけれども…、その速さはなくない?
可笑しくない?
魔王クラスだよね?
異世界のバランス無視だよね?
つうか、能力なんか要らねえだろ。
マリナは《絶対強者》バランスブレイカーの称号を手に入れた!
何この最強存在!なんですか、なんですか、なんなんですか!
俺なんのために頑張ったの!?
つうか、鞭の攻撃でスライム分割出来んの!
ユウト「はぁ~、次いきますか…」
マリナ「どうしたのよ?ユウちゃん?」
落ち込んでまふ(誤字にあらず)。
せっかく、スライムバーン技考えたのに…。
はぁ~。
マリナ「溜め息つくと幸せが逃げるわよ?」
ユウト「良いんです~。別に俺は女の子じゃないし…。お嫁にもいかないし…」
マリナ「あら、私がお嫁に貰おうかしら?」
ユウト「嫁じゃねぇよ!」
マリナ「あら、残念~。化粧とドレス用意してるのに…」
ユウト「何故に!?つうか、嘘ですよねマリナさん!嘘だよね?嘘なんですよね!」
マリナ「大丈夫よ!オーダーメイドだから!あれ、どうしたの?ユウちゃん?頭なんか下げて!」
ユウト「マジで止めて下さい。本当にお願いします。許してください。」
絶賛土下座中である。
マリナ「それにしてもユウちゃん。お腹が回り意外と少ないわね?ついで言うとに腰回りは大きいけど…」
ユウト「止めてぇ!俺の体型に 隠された秘密ばらさないで!特に後者!つうか、何で知ってんの!?」
マリナ「あら、私がユウちゃんのことで知らないことなんか無いわよ?」
ユウト「割りと本気で怖いんだけど!」
いや、マジで!
くっ!
小学生のころ、特にお尻的な意味は無いのに発音だけでプリティってあだ名を付けられたことがある。
プリティって可愛いって意味なのに。
マリナ「きっとお尻がプリ「言わせねえよ!?つうか、女子が何を言おうとしてるの!?」あら、私はユウちゃんのためにならどんな卑猥な言葉でも言えるわよ?」
ユウト「その弄るための精神何とかしてもら得ませんかねぇ!」
本当に勘弁…。
もう黒石さんのライフは0よ!
零石さんである。
マリナ「分かったわ……」
ユウト「本当に?」
マリナ「何なら試してみる?私のこの卑猥なピィーーに?」
ユウト「何で自分でピィーーって言ったの?でも、冗談でも言うなよ!」
何で口でピィーーって言ったよ?
いや、俺をからかってるだけなんだろうけども!
マリナ「分かったわ…。この童貞野郎!そんなに私を ●●●したいの?」
ユウト「今度こそ言ったよね!?意味わかんないんだけど!中学生だよ?しかも、童貞言うなよ!中学生に何を求めてんの!?」
正直、何を言われているか分からない。
まぁ、知らないのには理由があるんだけどさ…。
あれ、でもマリ姉滅多にそう言うボケはしないような?
マリナ「ユウちゃん意外とウブだもんね~」
ユウト「それを言うなよ!」
マリナ「え?だって変態的な感じを微妙にだして、ちょいエロ感出して誤魔化してたんでしょ?」
ユウト「いや、止めて!割と確信に近い事言うの!」
最悪だ。
だが、しかぁし!
ユウト「でも童貞は高校生で卒業する!」
こんくらい見栄は張る男。黒石さん!
マリナ「まぁ、どうせ私の友達で卒業するんでしょ?」
ユウト「俺は人を脅したりしねぇよ!」[好意を持たれているのに気付いてない!]
その一言で場がシーンと静まる。
あれ?何か変なこと言ったか?
マリナ「……呆れたわ…。気付いてないなんて…。」
ユウト「マリ姉?何か言った?」
マリナ「言ってないわよ…」
ん?何だ気のせいか…。
マリナ「追加で言うなら、正直男子より女子の方がエロいわよ?」
ユウト「そう言う事を言って夢壊すな!」
そうだったの!?
知らなかった…。
あれ、知らなかったの俺だけ?
ユウト「な、何にしてもそう言う話は無し!」
マリナ「でも、中学生ならむしろ喜びそうじゃないかしら?」
ユウト「色んな学校友達とヌルイ会話しかしないから!」
マリナ「あら、色んなと呼べるほど学校に友達なんかいたかしら?」
ユウト「グハッ!」
いないなんて事はないよ。
ちゃんといる!
マリナ「三人ね!」
ユウト「マリ姉!?何で被せた上に事実を述べた!」
くっ、確かに三人しかいないな!
しかも、二人は違うクラスで最近喋ってないので端からみたら一人だけである。
くっ、違うんだ!
あれなんだ!
別に人や話が苦手な訳ではない。
むしろ、得意だ。
初対面の人にも気楽に話し掛ける事は出来るし、簡単に仲良く出来る。
ただ、俺の通っている学校がわりかし田舎なのだ…。
なので小学校と中学校では生徒が十五人程度しか代わっていない。
しかも、入ってきた十人は知り合い。
説明すると小学生の頃は何処か皆とずれていた…。
しかも、夢見がち…。
宿題をやらず、授業をサボり騒ぎを起こす。
ボッチになっていった。
まぁ、小六に少しまともになったが…。少しだ…。
先輩、後輩にも名を轟かせる始末。
そのまま中学に上がってボッチ。
残りの五人も直ぐに話が通ったのだった…。
さっき、マリ姉の言うことの意味が分からなかったのもこのせい…。
だって、友達いないからそんな話とかしないし、言葉の意味知らないんだもん…。
そんな俺は最近名言を見つけた。
否!出会ってしまった。
曰く、「人と知り合うと人間強度が下がる」
名言だ。共感した!
おい、憐れみ満ちた顔するな!やめろ!放せ!近寄るなぁ!
マリナ「はい」
そう言って、俺に抱きつくマリ姉…。
ユウト「うぅ?マリ姉?」
マリナ「よしよし~。悲しかったんだね~」
ユウト「今、優しくしないでくれない!?」
俺が可哀想な人みたいじゃないか!
そういえば、今日の朝…止めろよ!煩悩退散!
別に形やら感触を思い出してない!
マリナ「はぁ、落ち着くわ…」
ユウト「うぅ、悔しいが俺も………」
本当に人間強度が下がっている……。
でもさ、マリ姉?
いつもより、握る力ちょっと強くない?
マリナ「本当はね。ユウちゃん?」
ユウト「何?」
マリナ「今日、少し怒ってたの…」
ユウト「知ってた…」
うん。分かってた事だ。
その言葉に「そう」と返すマリ姉。
そして続ける。
マリナ「その訳…知りたい?」
ユウト「知りたいな…」
気になっていたことだ。
知りたい。
すると、勿体ぶる様に話しだすマリ姉。
マリナ「ユウちゃんが他の女の子と私をほったらかしにして、二人で楽しそうに話してたからよ…」
そうだったのか…。
ユウト「ごめん、マリ姉…。ほったらかしにして…」
マリナ「うん。分かってたけど、わざとやってるのかしら?」
ユウト「?」
マリナ「うん。首かしげないで良いわよ…」
ユウト「分かった…?」
マリナ「………ホントは、後半の二人で楽しそうに話してたが大事なのに………」
ユウト「なんか言った?」
マリナ「何でもないわよ!」
そう言うと、少し頬を膨らませている。
やっぱり、可愛いな…。マリ姉…。
テイクアウトしたい。プニプニしたい。
そんなお年頃の中二生。
でも、何で怒ったんだ?
あ、分かった。
ツンデレだ。
マリナ「何言ってるのかしらね…」
ユウト「だから心を読まないでくれる!」[そう言うユウトはツンデレを否定されてないことに気付いてないから!]
でも、これからは放置しないように気を付けよう。
放置プレイに!
何てね~、ボケてみた!
マリナ「そんなに虐められたいのかしら?」
ユウト「すんませんした!」
形振り構わず土下座である。
地面の上なのに土の下に座るとは、これいかに?
マリナ「埋まりたいのかしら?」
ユウト「全身全霊お詫びします!」
何で分かるんだ?
謎だ?
マリナ「それより、来てるわよ?」
唐突に話題を変えられた…って、へっ?
あれ、スライムさんじゃないですか………。
あれれ?
見間違いかな?
スライムA、スライムB、スライムC、スライムD、が現れた…。
団体旅行だった…。
ピンチだった。
いや、待て!今こそスライムバーンを見せる時だ!
ユウト「よし、行くぜぇ!」
自分に勢いを付ける俺!
そのまま俺は両手剣を 呼び出し、スライム相手に突っ込む。
更に剣を逆手に持ちかえ近付いた所で核目掛けて思いっきり突き刺す。
しかし、柔らかいゼリーの体にその攻撃は阻まれる。
予想どうり、途中で止まってしまう。
核に届いてはいない。
だが、予想どうりだ!
くらいな!
ユウト「チェスト!」
叫びながら、俺は剣の持ち手に一回転し遠心力と重心を込めた蹴りをかます。
俺の特技は蹴りだ…。
正直言って、俺は余り背の高い方ではない…。
おのれ、親友!(只の八つ当たりである。分からない人はスルーで)
じゃなくて…(親友は背が高い方なのだ。つうか、高い。かなり。今度脊髄を何本か抜くか?)、背が低くリーチの短い僕は力業は苦手なのだった(物を持ち上げたり、握るのは得意なんだけど…、パンチとかは苦手)。
それが、直接的な理由となる。
勿論、バランス能力が高いい、武器と組み合わせて変則的かつ自由に動ける、基本腕は技用なのでそれを隠すフェンイトを入れやすい、等の理由はあるのだが…。
まぁ、兎に角、足の柔軟性を強く鍛えて、相手の頭まで届くようになった。
更にローファを(意図せず)重りとし、筋肉を鍛えれた。
そう言う事を続けていたからなのか、無手の場合脚を主とした攻撃を主力として使う。
ぶっちゃけると、武器を使っていたのはビビってたからなう。
とにかく、俺の蹴りが入りガスッと鈍い音を響かせながら剣は奥へと入り込んだ。
つまり、核の方に。
外部から力を加えられた剣はスライムの中を深く抉り、スライムの核に届いた。
そして、剣が突き刺さった核は破裂する。
スライムは力なく崩れ落ち足元にスライムだった液体が広がるだけだ…。
楽勝!
さすが最弱モンスター。
案外、分かってみると楽だった。
そして、軽くねばついた剣を拾い上げながら一降りする。
ユウト「そういや、こいつのチェストって何処だ?」
とか言いながら…。
ふっ!きまってね?格好良くね?
そう思いマリ姉を見る。
見なきゃよかったよ…。
マリナ「あら、遅かったじゃない?」
ユウト「あ、うん…」
マリ姉は既に残りのスライムを倒していた。
俺の頑張り何だろうね…。
あれ、何か目から熱いものが流れる。
俺は現実から目を背けるように前を向いた…。
さぁ、いかがでしたか?
個人的には主人公がかわいそう…。
話を変えますが、
お正月って天国ですよね?
なにしても許される!
でも、お正月にスパ三昧が決まっているオレって…。