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If start story (イフ・スタート・ストーリー) ~ボッチな問題児は異世界で大暴れするようですよ?~  作者: 過ち凪
短編章 「No hero story」~俺はheroには届かない話~
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短編物語 「とある入学式の後輩ちゃん」Ⅲ

前回、後輩ちゃんの名前が抜けている場所がありましたので、

一部修正しました。

孤林 七緒ちゃんです。

放送室を出た俺は、そのまま保健室に帰らず、次の目的地の家庭科室へと向かっていた…。


その理由は服を調達する為。


家庭科室には、商品展示用の制服が保管されていたりする。


それを借りるために、放送室に向かうのだった。


後輩ちゃんの制服は汚れてしまっている。


このままでも隠せるだろうけれども、気分を豊かに入学式とはいかない筈なのだ…。


ちなみに今の俺はパーカーのフードを頭に被る、ちょいこそ泥スタイル。


うん。全然スタイリッシュじゃないよ?


取り合えず、マスターキーを使い、部屋に入り込むことには成功した…。


したんだが…。


「ほふく前進が…異様につれぇ…」


以上の通りである…。


俺はほふく前進をしているのだった…。


この学校の家庭科室は一階にある…。


つまり、両サイドにとりつけてある窓から見放題。いわゆる、バレやすい…。


更に更に窓ガラスは一面がすっけすけ…。


最近は防犯や集中力向上やらの為に曇りガラスの学校も多いのだが、うちは寧ろ授業風景を見せびらかす感じだ…。


お陰で迷惑極まりない…。


それだけじゃない、服を保管している場所は入り口の真反対だったりしていて、かなりメンドい…。


正直言って誰か通ったらアウトだ…。


まぁ、この黒石さんが見付かるわけな…、


「マァマ~?あれなぁに~?」


見付かった…。


なんか、幼稚園らしき子供に…。


「え?どれかしら…?何も無いわよ…?」


「あれぇ~?さっきそこに…」


慌てて身を隠して誤魔化す…。


お母さんらしき人が来たようでギリギリでセーフだった…。


今俺は机の下に縮こまっているのだ…。


「おっかしいなぁ~?」


そう言って、去っていく親子。


はぁ…。助かった…。


早く戻らないと…、後輩ちゃんの所に…。


ほふく前進のまま、俺は服に辿り着く。


あれだな~、なんかここだけ見ると…、女子の制服を取るために全力を尽くす変質者みたいだな…。


めっちゃ、嫌だ…。


もう誰かに見付からないように…。


「…………………」


「…………………」


………あ、アハハっ…。


さぁて…何故二人分の三点リーダーがあるんでしょう~?


正解は教室の外にいる同じクラスの紅君と目があってしまったから…。


何で休日なのに学校に居るのかは分からないが、問題点は…そこじゃない…。


俺の右手に女子の制服があることだ…。


さぁ、考えてみよう…。


同じクラスの同級生が家庭科室から女子生徒の制服を持ち出していたら…?


おれは二度とそいつに口を効かないだろう…。


まぁ、元から友達は居ないんだが…。


兎に角、今問題に値するのは、紅君の誤解をどうやって解くのか…だ…。


このまま、誤解されたら、俺は只の変質者へと成り下がる…。


それだけはご勘弁…。


いや、大丈夫な筈だ…!


人と人は分かり会える!俺はそう信じてる!


さぁ、今こそ伝えよう!俺の気持ちを!口パクで!


「パクパクパク(誤解なんだ!)」


「大丈夫…分かってるから…俺は…何も見てないよ?」


伝わらなかった…。


暖かな瞳が心を抉った…。


「パクパクパク!(話せば分かる!)」


「いや…、俺はそっちの趣味は無いけれど…大丈夫!皆には内緒にしとくよ!」


分かり会えなかった…。


そのまま、何も見なかったよ?との表情で去っていく紅君…。


俺は家庭科室を出て、必死な気持ちで紅君を呼び止めようと…、


「だから、違うんだっ!」


声を出した…。


だが、それがいけなかった…。


「何やってるの?黒石くん…?」


後ろから声をかけられた…。


そこにいたのは…、俺達の担任…。


もう一度言おう…。


俺の右手には女子の制服…。






「ええっと…、その……」


何か言葉を出そうとするけれども…、何も出ないよ?うん…。


「……………………」


ほら、先生も無言でいらっしゃる。


うん…。社会的に死んだな?俺…。


「て、てへっ!」


全然、可愛くも何ともない…。


「……………………」


お~ぅ、無言なんだよ…。


こうゆう時…。


歴史の数々の偉人。


そして主人公たちは…、こうやって、その場を切り抜けたのだ…。


「じゃっ!」


「あっ…待ちなさい!」


クロイシユウトハニゲダシタ!


「後でちゃんと全部説明しますから!」


今は捕まる訳にはいかない…。


例え、変態の汚名を被っても!


うん…やっぱ、無理…。


後でちゃんと説明しよう…。


そう決意を胸に(へんたい)は走る。


おい誰だ!変なルビを付けた奴!






走る…。


誰にも見付からないように…。


目的地に…。


隠密行動のプロ…主に気配がない…。


自慢のパーカーは謎の汚れ…。


片手には女子の制服…。


あれぇ…可笑しいな…。


完璧な変態だなぁ…。


いや、女子の制服がいけないのか…。


ならば、パーカーの汚れてない部分で包んで隠せば…。


あ、駄目だ…。シャツとジーパンの不審者だ…。


つうか、服を着てる時点で怪しいんだよな…。


学校だから…。


やっぱり、どうしても目立つ…。


さっさと、保健室に帰ろう…。


もう、精神的ダメージを増やすのは嫌だ…。


もう問題なんて…、


カツカツカツ………。


足音が聞こえた…。


最後の最後でどうして…、もう…。


取り合えず、見付からないうちに…さっさと入ってミッションクリアだ…。


鍵をさっさと開けて、保健室に入る…。


だけど、俺は気付くべきだったのだ…。


自分が不注意な人間だと言うことに…。


「へっ…?」


「ひゃっ…?」


後輩ちゃんが、お風呂に入っていたということに…。


風呂上りで半裸の後輩ちゃんが、そこにはいた…。


後輩ちゃんは下着こそつけてはいるが、それ以外は身を纏うこと無く、全身濡れたままだ…。


と言うか、濡れているせいで、下着が少し透けている…。


そして、風呂上りを意識させる様に髪から滴る雫…。


もう、なんか、ヤバかったことだけは、ここに記そう…。


だが、本当にヤバいのはこれからだ…。


今はフリーズしている両者だが、この後はお決まりの展開へと移行するであろう…。


あの小説とかで良くある…「きゃああ!先輩のエッチ!」+ビンタの王道パターン。


だが、それは不味いのだ…。


外では人が近付いている…。


そんな大声を出したりしたら、気付かれない訳が無い…。


ああ…、ヤバい…。


後輩ちゃんの顔が赤く染まっていく…。


その比率当社比2倍。


次の瞬間には、声を上げるかも知れない…。


その前に行動する…。


俺は背後のドアの鍵を左手で閉めて地面を音がギリギリ出ない強さで踏み締め加速する。


そのまま、足のスポンジをうまく使い音をたてないように床に滑るように後輩ちゃんの懐に飛び込む…。


「きゃ……」


「ごめん……」


そのまま、俺の行動に二重に驚き、悲鳴を上げようとしている後輩ちゃんの…。


「ムグッ……」


口を右手で押さえた…。


理解が追い付かず更に驚く後輩ちゃん。


最早、パニックに陥ってる。


暴れて俺の手を逃れようとする後輩ちゃん…。


「…ダメだって…静かにしないと…!」


小声で後輩ちゃんに話し掛けるが……


「ムゥウ!!」


あ、駄目だ…。手を離したら叫びだす…。


「…ちょ、暴れちゃだめ……!」


俺の手から逃れようとする後輩ちゃん…。


「ムゥウウ!!」


仕方がない…。


「ホントごめん…!」


俺は暴れる後輩ちゃんの右腕を左手で掴んだ…。


後輩ちゃんは捕まれたことに動揺して、更に暴れ始める…。


そして、後輩ちゃんの口を塞ぐ俺の手が離れた…。


「へっ…?」


「危ない…!」


だけど、離れた途端後輩ちゃんは、勢いが余って後ろに倒れ混む…。


左手を掴んでいる俺と共に…。


「きゃっ!」


「うっ…!」


そのまま、俺達は近くのベッドに倒れ混んだのだった…。


って!何故にベッド!?


暴れているうちにここまで来てしまったとでも、言うのか!?


ちょ!ヤバいって!それはアウトだって!


今まで意識の外に出そうとしていたけれど…。


後輩ちゃんは半裸で風呂上りなのだ…。


いやでも、意識させられる。


特にシャワー室にあったのだろう、シャンプーの臭いとかが、クラッと来そうになる…。


と言うかシュチェーションが一番やばい…。


今俺は、風呂上りで体も録に乾かして無い女の子をベッドの上で押し倒しているのだ…。


「せ…先輩……」


か弱い声を出す後輩ちゃんの顔を見ると、風呂上りのせいか顔を赤らめて、今までに無い表情をしていた…。


そこから滲み出る官能的な魅力、後輩ちゃんの違った一面に俺は今までに一度も経験したことの無い感情が渦巻く…。


「後輩ちゃん……?」


冷静に分析しているように見えるが、正直言ってなんと言うか…ヤバいのだ…。


さっきから、ヤバいしか言ってないよね?俺?


まぁ、兎に角、俺は今欲情という感情を身を持って感じていた…。


だけれど、俺は後輩ちゃんに手を出すことは全く無いだろう…。


俺は…他の人と比べてどこかずれている…。


どんなに欲情したとしても…俺は女の子に手を出すことは…………。


「おい?何か音がしなかったか…?」


「「!?」」


やばっ!忘れてた!人が近付いて来ていたんだった…。


後輩ちゃんは人が来たことに驚き、ビクッとしている…。


「気のせいじゃないんですか?なんなら、確かめて見ますか…?」


ガチャッ…。


不味っ!?


「ほら、何もありませんよ…?」


「そうか…いや、すまなかった…」


今の俺たちがどうなっているか、頭の回転の早い人ならすぐに想像がつくんだろうな…。


ベッドの掛け布団の下…。


後輩ちゃんと息を潜めている…。


咄嗟に近くにあった掛け布団をかけて隠れたのだ…。


保健室の掛け布団は無駄に分厚くフッカフカだから、気付かれることは無いと思いたい…。


だけど、問題は……。


「はぁ…はぁ…せんぱ…い……」


この体勢だ…。


今、俺は後輩ちゃんを下敷きにして、完璧に密着している…。


もう一度言おう、今、俺は後輩ちゃんを下敷きにして、完璧に密着している…。


「んっ…動かないで…下さい……」


「ご、ごめん…」


動いたら、後輩ちゃんも俺も危ない…。


そして、後輩ちゃんは下着しかつけていないのだ…。


なんかもう…。色々アウトだ…。


俺は後輩ちゃんのお腹とか腕とかの素肌と触れ合っていて、その柔らかさがとても心地が良い…。


体温とか女の子の臭いとかがヤバい…。


後輩ちゃんは風呂上りで濡れているので、俺も少しずつ濡れる…。


だけど、それは実は汗なのかも知れない。


そんくらいヤバい…。


さっきから、やっぱりヤバいしか言ってない…。


そして、一番ヤバいのは…、何か小さいながらもその存在を主張する柔らかな脂肪の塊だ…。


下にいる後輩ちゃんに完璧に覆い被さる形で俺はいるので、密着している。


更に濡れているせいで、下着があまり意味をなさないのだ…。


水のせいで完璧にペタリとくっついてしまっているのだ…。


つまり、ダイレクトに触感が伝わってくるのだ…。


当然、俺がちょっと動いただけで


「ヒャ…!…ンッ!…うご…か……」


「…ごめん……!」


その動きがダイレクトに伝わってしまうのだ…。


くっ、体制を変えないと…。


「ひゃ…、どこを触って…………ムぐっ……ンンンンッ!!!!」


うん、ごめん。


俺が悪かった…。


もう二度と動きません…。


思わず、後輩ちゃんが何かを言いそうになった口を塞げたのは正解だろう…。


何故、叫びそうになったのか、とか塞いだ後に思いっきり叫びそうになってたのは何故かとかは…ご想像にお任せします…。


いや、動いた俺は理由は分かってるんだけど、R指定にかかっる表現はNGだ…。


そんなこんなをやっているうちに見回りに来ていた、多分先生方の足音は遠ざかって、


ガチャ!


鍵が閉められた…。


そのまま、足音が遠ざかったと同時に…。


「プハァア!!」


掛け布団を退かした…。


「だ…大丈夫……後輩ちゃん…?」


後輩ちゃんの安否を確認しようとしたら…


「はぁ…はぁ…、せんぱぁ~い……」


顔が近かった…。


後輩ちゃんの赤く上気した顔が可愛らしい顔が良くわかった…。


当たり前だ、今まで密着していたのだから…。


「ご…ごめん……!」


急いで後輩ちゃんの上から退こうとして、


「ひゃん!」


また、何かやらかした…。


だけど、退くことは出来たので、ベッドから離れるだけ…。


と思ったら、腕の袖を捕まれた…。


潤んだ瞳と上目遣いで言われてしまい、たじろいでしまう…。


凄く可愛いのだ…。


いや、半裸だから、凄く危ない…。


「後輩ちゃん…?」


思わず、後輩ちゃんの審議を確かめようとして…。


「せんぱいの…エッチ…」


なんか、可愛らしく言われてしまった…。


「ちょ!まっ!」


思わず、否定するが…。


「変態…犯罪者…せんぱい…」


そして、また、新たな誤解が産まれた瞬間だった…。


いや、せんぱいってなんだよ…?


まぁ、兎に角…。


「すいませんでした…」


頭を下げたのだった…。


「許しません……責任とって下さい……」


ツーンと拗ねた対応をする後輩ちゃん…。


「…襲われたのかと思っちゃったじゃないですか………」


だが次に何かを呟いた後輩ちゃんだったが、俺には聞こえなかった…。

次回こそ、本当に入学式変最終回。

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