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第三十三物語 「true end…?~物語の続きは貴方の中に~」

二章。

最終話。

誰にでもやり直せる話

「ねぇ…ユウちゃん?」


「何さ…マリ姉……」


マリ姉が俺に話しかける…。


だけど、ちょっと今の俺の返事はあまり気持ちの良いものでは無いだろう…。


いちお、自分でも自覚している…。


「そんなに…、拗ねるのなら、戻れば良いと思うわよ…」


でも、仕方無い…。


「別に…拗ねてないけど……?というか…、何度同じことを聞くのさ…」


マリ姉が、さっきから似たようなことを何度も何度も言ってくるのだ…。


「その発言が既に拗ねてるのだけど…?」


だけど、マリ姉は痛いところをついてきた。


「別に拗ねてないし…。それに、今更、戻ってどうすんのさ…」


それに、ついついムキになってしまう…。


あそこに俺らは歓迎されてない。


今更、戻れる訳が無いのだ…。


「はぁ…、客観的に行動してみたり…、子供みたいに拗ねたり…、全く…、ユウちゃんは…」


無駄な所で母性を全快にするマリ姉…。


表情が諭す感じになっている…。


「何さ…何さ…」


それに対して、更に拗ねてやる。


ふん…だ…。


はぁ…、子供っぽい…。


いい加減、顔に表情が出ないようになりたいんだけど…、無理なのかな~。


そんなことを考えていたら…。


「でもね、ユウちゃん?」


不意にマリ姉が真面目な顔をした。


そう言うのは、反則だと思う…。


だって、嫌でも耳に入って、考えさせられる…。


「後悔はしてるでしょ…?」


ほらね…。


痛いところを付かれた…。


しかし、俺は…。


「どこがかな?」


惚けて、話題をそらす。


「あの後、村の焼け跡には土で出来た家が出来たから…住は完璧…」


村に帰った時、住む家に困った村人の為に、罪悪感に苛まれているシャーガに無理をして貰い、土と石で家をいくつか作ってもらった…。


いや、シャーガ死にかけてたけど…。


どうやら、いくら土と石を扱うエキスパートでも、家は随分な重荷だったらしく…。


小さめの家を五、六個作った辺りで、息を荒くしていた…。


本人は、まだやれる!とかほざいていたけれど、流石に無理っぽかったんで、村の人達の能力を組み合わせて、残りは簡易式住宅を作った…。


まぁ、いずれ置いていった金でなんとかするだろう…。


「食も大丈夫…」


アルマに連続テレポートして貰い、最寄りの町に買い出しにいかせた…。


こちらも、連続でやって、死にかけていた…。


まぁ、かなり量を買いにいかせたので、割りと暫くは持つだろう。


こちらも、金を置いていったから問題ないと思う…。


うん…。


衣は着た分があったから、大丈夫。


ついでに言うと、アリバックは何をしたかだけど…。


主に光を集めて、洗濯物乾かしたり、虫眼鏡の用量で火をつけたりしていた…。


後は雑用…。


一番楽そうな仕事と言うか、奥様から、是非とも一家に一台と大人気だった…。


まぁ、顔はホストだし…。


ちなみに、ぶっ倒れた二人組に対して、この世界に魔力ポーションは無いのかしら?あったら、飲ませて働かせるのだけど…?とか何とか言おうとしたマリ姉は全力で止めた。


マジで鬼畜なマリ姉だった…。


そんなこんなで、不命が残していった様々な負の遺産は大体解決に向かったのだ…。


これで、happy end と言っても、問題はないはずだ…。


アリサちゃん達のことは気になるが、俺には大丈夫だという確信があるし…。


他には思い当たることはない…。


「それの何処に不満があるのさ…?」


「ええ、大有りよ…。何で、自身に嘘をつくのよ?ユウちゃんは…?」


そんな台詞に体をビクリとさせてしまう…。


「う…嘘なんか……」


思わず、言い淀んでしまうほどには…。


「ついてるわよ…?だって…、ユウちゃん……」


だが、そこでマリ姉は容赦などしない…。


「………………………」


思わず、黙ってしまうが…、マリ姉は、一番致命的なことをいう…。


「一度もヒマリちゃんのこと…、話してないじゃない…」


その致命的な一言を…。


マリ姉は…残酷な程、優しいから…。


「本当は、後悔してるんでしょ…?」


優しいから、俺に後悔させないように悪役を買ってでてくれる…。


だから…、俺は…。


「してないよ…」


それに答えないといけないのだ…。


「確かに、ヒマリちゃんとのお別れは、ちゃんとしたかった…。だけど、それは僕の勝手な思いだから…」


そう、それは俺の思い上がりで、俺がしたいだけなのだ…。


「今、村の人達は、三人組を受け入れようとしていた…。だけど、それには、受け入れない者を作らないといけなかったから…」



あの村に僕らがいたら…いけないから…、仕方無い…、仕方無かったんだ…。


「それには村を救ったけれど、何処から出たかも分からず……不審な僕らの役目だった………んだ………」


……本当に?仕方無かったのか?


何かずれて無いか?いや、ずらしてないか?


「ユウちゃん…言い訳は止めなさい……!私は…、ヒマリちゃんのことを聞いてるのよ?」


そんな時、マリ姉の言葉がすっと…頭に入った。


あれ?俺は何を話していたっけ?


「良いわね?ヒマリちゃんについて、他を一切省いて話なさい…?」


そう言われて気付いた。


ああ、また、俺は話をすり替えようとしていたのか…。


何が、それに答えないといけないのだ…。だ…。


また、話題をそらそうとしてたじゃないか…俺は…!


何が仕方無いだ…。何も仕方無くなんか無い!


本気で考えろよ!黒石ユウト!


お前は今、何から逃げようとしていた!


「僕は………」


「ユウちゃんは…?」


考えろよ!自分がしたかった事を…!


「僕は…、ヒマリちゃんと…」


そうだ…。後悔してないなんて、嘘だ…。


子供っぽい意地だったんだ…。


叶わなかったから、嘘をついたんだ…。


「僕は、ヒマリちゃんと別れたく無かったんだ……」


「そう…それが…ユウちゃんの…後悔よね…?」


そう、気付いたら単純だった。


別れたくない。


それが、俺の本音だ…。


でも、それは叶わない…。


何故なら、ヒマリちゃんにはヒマリちゃんの生活があるから…。


村の人達に顔を会わせないように?嘘だ…。


本当は、僕は…、ヒマリちゃんと会うのが、怖かったんだ。


ついてきてほしいと、言ってしまいそうで…。


泣いてしまいそうで…。


だから、嘘をついたんだ…。


そんな単純な見栄を張るために…。


後悔なんて無い?嘘だ…。


後悔しか無い。


そんな感情に気付きたくなくて、傷付きたくなくて、意地をはっていたんだ…。


俺は、嘘つきだ…。


自分が傷付くのが嫌だから、こんな所まで逃げるようにやってきたんだ…。


ちゃんとしたお別れもせずに…。


ヒマリちゃんが悲しむであろうことも考えずに…。


いや、分かっていて目をそらしたんだ。


「最低だな…。うん…。ありがとう…、マリ姉…」


気付かせてくれて…。


あ、今、ちょっとマリ姉が不機嫌になった…。


多分、違うでしょ?私が聞いたことは!とかなんとか言いたいことがあるのだろう。


でも、マリ姉は、別のことを言った…。


「で、ユウちゃんは…、これからどうするの?」


「決まってる。このまま、先に進むよ…」


悲しいけど、辛いけど、それ以外に何かを選んだりは出来ない…。


もう、戻ることなんて出来ないからだ…。


ヒマリちゃんには、既に置き手紙を置いてきた…。


今更、戻ってお別れなんてムシが良すぎるのだ…。


それに、あんなことをして嫌われてない訳がない…。


俺なんかの顔なんか見たくないだろう…。


「もう…、意地っ張りなのよね…」


「だって、僕だぜ…?黒石ユウトだぜ?」


何て、おちゃらけて言うが、意地をはるなんてもんじゃない…。


ただただ、怖いだけ…、ヒマリちゃんに会って謝って嫌われたりするのが……。


ああ…、本当に最低だ…。


だが、こんな心を知っていても、マリ姉は優しく諭すように笑いかけてくれる…。


そして…、


「でもね?ユウちゃん?」


マリ姉は目を伏せて…。


「ユウちゃんはそうでも…、ヒマリちゃんはそうはいかないみたいよ?」


そう言って、マリ姉は再びゆっくりと目を開けて、優しく俺の後ろに向かって微笑んだ…。


その動きにつられ、ゆっくりと振り返った所で、俺の思考回路はフリーズした…。


「え?」


間抜けに広がる俺の声…。


「ユウトさん!」


そんな誰の声が聞こえた…。


いや、誰かなんて事ではなく、ちゃんと分かっている…。


ただ、理解出来ていないだけ…。


現実を…。


ただ、俺の思考より、頭の回転の方が早い。


「ひ…ま…り…ちゃん…?」


俺はその名前をゆっくりと、だけど、ちゃんと口に出した。


そして、理解する今、目の前には人が立っていて、それはヒマリちゃんなのだと…。


いや、正確には何故か三人組が要るのだが…。


しかし、そんなことは意識の外…。


「はい…!ヒマリですよ…!ユウトさん!」


俺は目の前にヒマリちゃんが要ることを確かめるように、ヒマリちゃんの顔をずっと見る。


「そ…、そんな風に…見つめられると…恥ずかしいです…」


そう言って、頬を赤らめるヒマリちゃんだったが、俺が注目したのは別の所だ。


その可愛いらしい瞳に泣き張らした様な痕があること…だ。


「っ………………」


瞬間、後悔で心が痛む…。


これをやったのは間違えるにべも無く俺なのだ…。


未だ態度を変えないでいてくれるヒマリちゃんに俺はかける言葉を探すが、見付かる筈も無く、少し荒い息を吐き出すだけだ…。


だが、俺が何かを言うよりも早く、


「「「歯ぁ!食い縛れ!!」」」


「うぐっ!がっあっ!」


三人組が、俺を思いっきり殴り飛ばした。


そのまま、無様に地面を転がる。


何の脈略も無いように見える行動。


「「ユウちゃん(トさん)!!」」


二人の女の子が驚いたように、声を出して、三人組を睨み付ける。


これだけ、見たら、悪いのは三人組だから、当然と言えば当然だろう…。


しかし、三人組は、それらの視線を意に返さず、まるで当然のことをやった様な表情をしていた。


それを見て、二人の女の子は何かをしようとして、止めた…。


いや、正確には止めさせたが正しい。


俺が二人の前に手を出して、今にも三人組に飛びかかろうとしている女の子達を止めたのだ…。


「ユウちゃん……」


「ユウトさん……?」


「良いんだ、これで…、あいつらは間違ったことはしていない…」


そう、彼らは俺の言ったことをそのまま実行にうつしただけだ…。


曰く、


「「「ヒマリちゃん(おんなのこ)を泣かせた報いだ……」」」


かつて、俺が三人に言った言葉だ…。


「そゆこと…」


俺の言葉に不服そうな顔をするマリ姉とヒマリちゃんだったが、男にしか分からない世界もちゃんと存在するのだ。


「効いたかい?」


いつものホストスマイルで、アリバックはそう言った。


「ああ、効いたね…。本気でやりやがって、でも、まぁ、礼を言うよ…ありがと…」


今のこの状況を全く考慮せずに言わせてもらえば、なかなか良いパンチだったことは確かだ…。


それに少しだけ、冷静になれた…。


「ふん、貴様の礼など求めていない……」


「そうそう、当然のことをしたまでってね…」


「はっ…。良く言うぜ…」


そんな軽口を叩きながら、心の中を整える…。


黒石ユウトのキャラクターは…。


いつでも、いつも通りに…。


そうだ…。くよくよしたって始まらない…。


何でこんな簡単なことを忘れていた。


自分で言ったじゃないか、女の子を泣かせるのは許さないと…。


きっかけは些細で結構。


動機は単純でOK。


ただし、直ぐに立ち直れないのはNGだ!


例え、虚勢でも弱気を見せるな…。


内心ずたぼろでも、笑え!


どうせ、許されないことだ…。


だから、目の前の女の子くらい、笑わせてみろよ!ユウト!


パン!と両の頬を叩き、ヒマリちゃんに向き直る。


さぁ、始めよう。


目の前の女の子の為の話を…。






「むぅ~、また、女の子をタブらかして~」


「良いもん!良いもん!私だって、浮気してやるぅう~」


「なぁ~んてね!嘘嘘!私がユウト以外を好きになるわけないしね!ユウトは私以外を本気で好きになったりしないよ~」


「もし、本気だったら…、…しちゃうもん~ね~。ユウトもそれは分かってるよ~」


「生きたまま、……して~切…して~…断して~ゴミ箱に捨ててあげちゃうもんね~」


「だから…、あれは…、見間違いだよね…?」


「あんな子なんか…と、キ…ス…してナンカナイヨネ…?」


「モシソウナラ、ソイツノ、クチヲ、ケズラナイト……ネェ…?」


「あ、何だ何だ~!勘違いなのか~。なら、大丈夫!大丈夫!」


「一緒に寝たのと、抱き付いたのと、撫でて貰ったので、……くらいでカンベンシテアゲヨウ~!私って、やっさしい~!」


「ちょっと、泣き叫んで、産まれたことを後悔するさせるくらい痛め付けるながら…すだけで、許してあげるからね~」


「あ…不名…。帰ってきてたんだ…。そのまま、死んでればよかったのに…」


「しぶとい奴は嫌われるよ…?ゴキブリみたいだから…」


「近付くな…、息するな…、存在するな…、生きるな…って、伝えてなかったっけ…?そう?まぁ、いいや~」


「それより…、なんで、ユウトに手を出したの…?殺すよ?」


「ふぅん…?で…?何?言い訳なんて聞きたくないんだけど…」


「兎に角、次、ユウトに何かしたら、容赦無く、命を奪ってあげるから…」


「ふぅん、聞けないかもって言うんだ…。もう…、分かって無いな~。ワタシの方が強いってこと…」


「あれぇ~?どうしたの~?そんな、苦しそうな顔をして~?」


「やめろ?何を止めれば良いのかな~?能力?ナンノコトカナ~?」


「さてさて、今、この場で死んじゃうのと、ユウトに手を出さないって誓うのどっちが良い~?」


「うんうん…。だよね…。賢い賢い~。最初から素直にそうしてれば、良かったのにね~!危うく死んじゃうところだったよ~?」


「まぁ、死んでくれたほうが良かったのに……」


「え?何で、私がこの組織に要るかって~?そんな分かりきったこと聞かなくて良いじゃ~ん!」


「そうそう、さっさと私の視界から消えてよ…。害虫さん…」


「そうそう、害虫と言えば……」


「ユウトに近付いてくる害虫はちゃぁんと排除しちゃうよ~?」


「もちろん…。マリナさんもだよ…?一番の害虫…なんだから…」


「チョッキン、チョッキン、シテアゲルカラ~!」


「気付いてるのかな?ユウトは貴方が…いるから…なにも出来ない……って」


「貴方が消えたら、ちゃあ~んと私がユウトの面倒を見てあげるからね~!」


「世界で一番愛しい、ユウトは私だけのものだし、私もユウトだけの私なんだから~!」


「何も心配しなくて良いからね~!」

いかがでしたか?二章最終話。

個人的にはこのあとのユウトとヒマリの物語を書かないことを悔やみます。


この仲直りの話は自分の文才が上達するまで書けません…。

楽しみにして下さった方、本当にすいません。

いつか、その時までこの続きはあなたの頭の中にお願いします。


さて、話は変わりますが、ヤンデレちゃんが、また出てきました。

いや、はや、今回でまさかの展開でしたね!!

ヤンデレちゃんは章の最後に必ず出てきます!

彼女の今後の活躍をお期待下さい!!


あとは、なんかアリバック達三人組がちらっと出てきました。

彼らには彼らの物語があります。

しかし、イフストは基本入れ替わりの話なので、彼らは次の章には別行動をとっていることとなります。


他にもアンケートに、「ヒマリが小六にして、色々とアウト」と書かれたお方がおられましたが、

イフストは異世界の話。ましてや、盗賊がまかり通る世界。

治安がそこまで確立されていない世界と言うのは結婚年齢が早くなるものです。

昔の日本でも小学生高学年では既に結婚していたり、中学生になると子供がいたりしました。

この方式がヒマリに当てはまると思ってください。

勿論、治安の良さは国ごとに違うので、この考えは一先ず、ヒマリだけに適用されるものと思って頂ければ、

どうでもいい余談ですが、ヒマリの両親若いです。


アンケートに協力してくれた方がた。

どうもありがとうざいます。

文の書き方で意外と書いてくれた方って分かる物ですね(笑


これからも末長くイフストにお付き合いして頂ければ幸いです。

ユウトに幸福(ハッピーエンド)あれ。

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