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If start story (イフ・スタート・ストーリー) ~ボッチな問題児は異世界で大暴れするようですよ?~  作者: 過ち凪
第二章 「in dream story」Ⅰ~手を伸ばすために~
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第十五物語 「fast contactは失敗に…」

~ マリナ side story ~


「これで勝ったと思うなよ…」


「あら?捨て台詞?降参ととって良いのかしら?」


マリナは軽口を叩いているが常に警戒は怠らない。


シャーガだけが敵だとは限らないからだ。


アリバックの能力も分からない。


まだ、味方が隠れ潜んでいるかも知れない。


ならば、警戒をしていても損はないと思っての行動だ。


しかし、その行動が仇となる。


何故なら、アリバックに刺されるユウトを目撃したからだ。


「ユウちゃん!?」


急いで助けに行こうとするマリナ。


だが、シャーガが起きているかぎりその策は有効では無いだろう…。


シャーガは土や石を構成したり、既にその場にある土や石を操る。


今、マリナの周りにはシャーガの造り出した、マリナ自身が壊した石の残骸が大量に残っている。


ならば、それを利用しないシャーガではない。


「後ろががら空きだ!」


向こうを向いたマリナの周りを石の残骸が取り囲む。


偽視克岩(ギシコクガン)!」


宙にまっていた石は一斉にマリナに向かって突き刺ささろうとする。


シャーガ単体で出せるの二つ大技のうちの一つ。


数百に及ぶ石が相手を取り囲み逃げ場を塞ぐ。


そして、その石全てが襲い掛かる。


並大抵の相手ならば、これで戦闘を終わらせることが出来る。


だが、マリナはそれら全てをかわして見せた。


マリナはその並大抵の域を遥かに凌駕していのだ。


今のマリナの時間は通常の五倍。


ならば、襲い掛かる石の速さは通常の五分の一の速さで体感している。


その程度のスピードなら、かわせないこともない。


マリナのかわす姿は妖艶であり、神聖あり、この場で戦闘が行われて無かったら誰もが見とれていたことだろう。


まぁ、観客は誰も居ないのだが。


「なんだと…」


シャーガは驚愕を隠すこともしない。


いや、出来ない。


今まで破られたことのないこの自身の必殺技を破った初めての人物。


もう一つの必殺技は石ではなく土を使う。


だが、今の状況では使えない。


それはつまり、自分に勝つ手段が残されて居ないということだ。


「おとなしく気絶してくれないかしら?」


そう言って、鞭を振るおうとしたマリナ。


「それは、止めて上げてくれないかな?」


だが、それは第三者の登場により中断してしまう。


「誰かしら?」


自分に気配を悟られず突然表れたその人物を警戒心を剥き出しにするマリナ。


それに対して答えた解答は警戒心の薄い物だった。


「僕はアルマ。傭兵さ」






 ~ユウトsidestory~


頭がくらくらする。


脇腹は痛い。


それが今の俺の正直な感想だった。


素直は大切だよ?


素な石さんだよ?


とりあえず、ふらふらしながら立ち上がる。


「あれ?起きちゃうんだ?」


「う、るせぇよ…」


負けっぱなしは主義じゃない…。


ここから、逆転してやるよ…。


だが、思いとは裏腹に体が思うように動かない…。


「無理無理、麻痺毒塗ってるから…って、何で立ち上がっれてんの?」


成る程、麻痺毒か…。


道理で体がダルい訳だ。


でも、何で立ち上がれたんだ?


「昔からの耐性でね…」


いや、嘘だけど…。


うん。こう言うときのハッタリって大事なんだよ!


「凄いな…。驚きだよ!」


信じちゃったよ!自分で言って何だけどチョロいな!


いや、まぁ、実際問題立っちゃったしね。


く、ク○ラが立った!


冗談は置いといて…。


どうする?


立ち上がれたと言っても、その程度だ。


今の状況じゃあ、歩くのも困難だ。


ならば、俺の能力の新しい使い方を試してみるかな…。


推測の域を出ないけど、やってみる価値はある。


目を閉じ意識を集中させる。


状態共有(リンク)


「なっ!」


途端にアリバックは倒れ伏す。


今までは、五感や感覚を共有してたからもしかしたらと思っていたけど…。


まさか、上手くいくとは…。


多分、アリバックは今麻痺毒をくらったように体が動かせ辛いだろう。


五感と一緒に麻痺を共有化させると言う俺の目論みはどうやら成功らしい。


だけど、分からない事が増えた…。


俺の能力は相手と共有化することなのだろうか?


説明としては、まぁまぁ何だけど…、納得出来ないのが本音だぜ。


「驚ろいたね…。いったいどんなタネなんだい?」


「さぁね~。とりあえず、理不尽な道連れ(ドローゲーム)とでも名付けるかな?」


お互いに動けないこの状況は俺に有利だ。


何故ならこちらにはマリ姉がいる。


マリ姉ならあの紫坊主くらいの実力なら余裕で勝てるだろう。


そんなことを考えていたからだろうか?


至近距離に近付くマリ姉に気付けなかった。


「ど、どいてユウちゃん!」


「って!マリ姉!?」


マリ姉が俺の方へと飛び込んでくる!


いや、どいてって言われても…、体が動かないんですが…?


マリ姉はブレーキをかけるも止まれず、必然的に俺とマリ姉はぶつかってしまった…。


そのまま縺れ合い、ゴロゴロゴロっという効果音が似合う様な程、二人で転がってしまう。


ムニュウ~。


そして、お約束というか何というか…、動けない俺の上にマリ姉が覆い被さる様や形になる。


「あぅ……」


マリ姉のか細い声が上から聞こえた。


何故上から?


勿論、顔の上に胸が当たってるからだ……。


いや、勿論って何やねん!意味わからんわ!


この気持ちの良い弾ryo…、ゲフンゲフン!


あ、アブねぇ…。


正気を失うところだった。


何という破壊力!


「裂くわよ?」


「すいませんした!!」


冷たい目で見られた…。


つうか、脅しが怖いよ!マリ姉!


どこを裂くんだよ!


はぁ~。と溜め息を吐くマリ姉。


「……全く、ドキドキした私が馬鹿みたいじゃない……」


そして、小声で何かを呟いた…。


「え?今なんて言ったの?マリ姉?」


「何でも無いわよ!」


急に怒られた…。


何故だ?


「お楽しみ中に悪いんだけどさ?もう終わりかい?」


知らない声が近くから、聞こえた。


新たな第三者の介入に多少の驚きは有るものの平静を装って対処する。


マリ姉に立ち上がってもらい、産まれたての小鹿のように立ち上がる。


「いや、楽しんでないから…」


「ふぅ~ん…。ユウちゃんは全く嬉しく無かったの?」


「いや?マリ姉?今はそんな場面じゃ…、何で鞭を構えてらっしゃる…」


マリ姉…、注目点がおかしいよね?


え?何でこうなったの?


何で目からハイライトが消えてるの?


「そうなのね~。私は恥ずかしかったのにユウちゃんは、な~んにも感じなかったと~………、フフフ…、ウフフ…、アハハ…ハ……ハ………?」


「マリナさん!?」


怖いよ!怖すぎるよ!ホラーだよ!


最初はニッコリ笑顔だったのに、怒気のオーラが見え隠れして、段々と口調がゆっくりになりながら前髪に顔が隠れて、突然笑いだしたと思ったら、いきなり顔を上げたけど、色が消えた虚ろな目で見上げて空虚な笑みと共に乾いた笑い声を上げる所が!


「ねぇ?ユウちゃん?」


「何かなマリ姉…」


一ミリも表情を動かしていないマリ姉。


「私、可愛いかしら?」


「その感じで言われるとホラー映画やヤンデレを思わ……、嘘です!嘘です!可愛いです!だから、突如として蝋燭と釘を出すのは止めて頂けませんか!」


「可愛い?なら許すわよ」


何故、魔法の指輪にそんな物が収納されてる。


突然、笑顔を取り戻したマリ姉を眺めながらそんなことを思う。


「で、お前誰よ?マリ姉に今、何したの?」


「あれ?ばれちゃったか…。君は中々鋭いね…」


「会話の中に自然と負の感情が入ってきてたから、感情干渉系の能力がお前の力か?」


「惜しいね…。会話の途中にさりげなく発動させたんだけど…。正解はこれ。DD(ダブルディー)ランク魔法具マイナス思考(ネガティブゲイト)


マリ姉がはっ、と何かに気付いた様子を見せる。


恐らく、無意識に働きかけていた魔法具の存在に意識的に気付いたからだろう。


相手をマイナス思考にさせる魔法具か…。


恐らく、少し心が弱った時に弱りかたを倍増させる魔法具だ。


使える時も限定されるし、効力もそこまでない。


「成る程。お前、名前は?」


「アルマ。傭兵だよ…」


「僕はユウトだ。同じく傭兵」


体を動かし辛い状況であたかも平静を装う。


「気をつけてユウちゃん。こいつ瞬間移動系能力者よ…。強いわ…」


負の感情から抜け出したマリ姉が忠告を促してくれる。


「さっき、マリ姉が飛び込んで来たのも…」


「ええ、懐に入り込んだ所までは良かったんだけれど…、ユウちゃんに向かって飛ばされたわ…」


成る程、それで俺が気付く間も無くマリ姉が…。


「あっさり、秘密を見抜かないでくれないかな~。楽しみが減っちゃうだろ?」


「人の話に首を突っ込まないでほしいわね…」


改めて見ると変な奴だ。


青い髪をした好青年をイメージすれば、良いかな?


「で、やりあうのか?2体1で?」


見ると紫坊主は何処にも居らず、金髪も動けない。


いや、実際俺も動けないんだけど…。


「止めとくよ…。アリバック」


首を振りながら答えて、アリバックに近付いていくアルマ。


「なんだい?マルマ兄…。見ての通り動けないから…助けてくんない?あ、目印は×ね…」


目印は×…?何の事だ?


つうか、兄?


兄弟なの?


「OK。じゃあ、さきに帰ってて…」


そう言ってアルマが金髪に触れた途端、金髪がこの場から消え去った。


「取り逃がしたか…」


まさか、たった一人で場を引っ掻き回すとはな…。


「さて…」


そう言いながらチラっと倒れている女の子を見るアルマ。


その瞬間、俺は叫んでいた。


「マリ姉!」


「分かってる!」


あいつの勝利条件は俺達に勝つことじゃない。


女の子を拐う事だ。


加えて奴は瞬間移動系能力者。


人を拐うにはうってつけの能力と言える。


例えば、俺達を無視して女の子を拐う事だって出来ないわけがない。


俺の読み道理、次の瞬間にはアルマは俺の目の前から消えていた。


恐らく、瞬間移動したのだろう。


だけど…。


「やらせないわよ?」


「わぁ…。早いね」


マリ姉はもうたどり着いている。


「対処も的確だね…」


褒めるような物言いをするアルマ。


マリ姉はしゃがみ込んで左手を女の子に当てながら、アルマに警戒を発していた。


恐らく、奴の能力は対象に触れることで発動し触れた相手を瞬間移動させることが出来る。


だから、マリ姉は女の子に触れて女の子が瞬間移動させられたら自分も一緒に行くようにしてるのだろう。


女の子だけを拐いたいから危険な場所に連れていくことは出来ず、安全な場所でも薬を盛らされいないマリ姉は暴れるだろう。


完全に膠着状態に持ち込まれるかと思われたが違った…。


「諦めるしかないか…。じゃあ、獣だけ回収しとこうかな…」


そう言って地面に触れるアルマ。


何をしているんだ?


途端に地面が盛り上がり中から石の牢獄が出てくる。


次々と地面に触れて計3つの石の牢獄を出したアルマ。


何だ?紫坊主が予め仕掛けておいたトラップか?


いや、中に何かいる…。


中にいるのは…、動物?


『み、みんな…!』


「うっ!」


突然、頭に声が響く。


女の子の声か?


だけど、何で頭に?


『ラッセル、ミカン、ミュー、助けないと…』


少女の悲痛の声に込められた強い思いが感じられた。


もしかして、あの子達はこの子の友達なのか?


なら、助けないと!


マリ姉は動いてはいけない、なら俺が行くしか!


しかし、そんな思いの途中でも時は残酷だ…。


「それじゃあ、また会おう」


「な、待て!」


だいぶ動けるように(それでも徒歩より遅い)なった体を動かして叫ぶがアルマは無表情で動物達の檻に触れ次々と何処かに飛ばし、最後に自分が消えた。


場には嫌な静寂だけが流れた…。


「くそっ!逃げやがって…」


何とかマリ姉の近くに近寄って呟く。


が、返事がない…。


「マリ姉?」


話し掛けると同時にフラッとマリ姉が倒れる。


それを慌てて受け止めるが、受け止めた時に見えたマリ姉の顔は疲労困憊といった様子で顔色が悪い。


「ごめんなさい…。電池切れみたい…」


「ま、マリ姉!」


そう呟いて完全に気を失ったマリ姉。


後には気を失った二人の少女が残る。


「運ぶしかねぇか……」


お腹の血もまだ止まってない、いつ倒れるか分からない。


そんな状況も忘れて、目の前の女の子しか見えなかった俺だった。


はい!いかがでしたか?

個人的には初のバトル終了って感じですね!

ユウト、負けかけたけど…。


それにしても、

ユウトは良くマヒ状態で立ち上がれたね~。

筋力も中学生の平均より上なんじゃ…?

と、まぁ、これ以上はネタばれなので心の奥に占めていて下さい!

そして続きを楽しみに!


さぁ、行きましょう。

今週のナゼナニ夕凪さん!

今回はこれ!


状態共有(リンク)!!


相手と自分の特殊な状態異常を共有(リンク)する能力。


今回は麻痺だが、他にもバッドステータスなども共有(リンク)出来る。



ちなみにユウトは今のところ、

一つの使い方を一人にしか使えません。

今後レベルアップするかもですが…。



そういえば、

二章の始まりを汗って、一章のように始めるのを忘れていました。

どうしよう?追加した方がいいかな?><

皆さんはどうしたらいいと思いますか?


とりあえず、時間がないんであとがきは終わります!

出来ればまた、来週!

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