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If start story (イフ・スタート・ストーリー) ~ボッチな問題児は異世界で大暴れするようですよ?~  作者: 過ち凪
短編章 「An happy story」~俺とbestfriendとの馴れ初め話~
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短編物語 「とある春休みの喧嘩騒動」 後編

頭が割れそう。

頭痛と下痢がひどいので

ふらふらしています。

間違いが出やすいと思いますが温かい眼で見てやってください。



「ふざけんなよ!」


 すぐさま、俺は階段を登り上がり、辺りを見渡す。


 そして、待ち合わせをしてるらしき、立ち止まっている男の人を見つける。


「すいません!少し前に倒れた女の子がいませんでした?」


 そこまで、時間が経った訳じゃない。


 五分くらい、この場に居たなら見たはずだ。


「え?ああ見たよ?」


「本当ですか!?何処に?」


 一発目からビンゴだ!


「どんな状況でしたか?」


 成るべく、焦りを表に出さないように聞く。


「えぇっと、男の子三人が焦った様子で出てきて、タクシーを読んで下さいって言ってたよ?病院に連れて行こうとしたんじゃないかな…?女の子は意識が無いみたいだったけど…」


「そうですか…。ありがとうございます!」


 くっ、無駄に巧妙な手口だな…。


 あたかも自分達は倒れている女性を見つけた振りをして、行動を正当化させ、タクシーを呼ぶことにより、病院に連れていったという、先入観を持たせることが出来る…。


 救急車を呼ばれないように、タクシーを大声で呼ぶ辺り小賢しい。


 救急車のタイムラグを巧妙に利用しているのだ。


 誰かに救急車を呼ばれたら、三人組とやらにとって、ジ・エンドの筈だが、それすらも計画の内かよ…。


 ちくしょう、誰があの子をさらったんだ!?


 三人組って、まさか、あの不良たちじゃないよな!?


 こうなったら、仕方ない…。


 一つの手が思いつき、近くの公衆電話へと、向かおうとして…。


「君はあの子の知り合いかい…?」


 そう男の人が聞いてきたので…、俺は振り向いて…。


 俺は一瞬答えに迷う…。


 あの子と俺の関係って…、いったい?


 知り合い?友達?顔見知り?全部違う気がする…。


 散々悩んだ挙げ句、結局、無難に…。


「従姉妹の友達です!」


 そう答えた…。


 そんなんだから気づかない、だから、僕は友達が…な…ことに…。






~ ユウト side ~


「もしもし!マリ姉!?緊急事態!!」


 タクシーが行ったとの方角に走っていると、公衆電話を見付けて、急いでマリ姉にコールした俺。


 こういう時に頼りになるのがマリ姉だ…。


 兎に角、焦っている俺は早く情報を聞き出そうとして…。


『やっとかけてきたわね!待ちくたびれわよ?』


 そんな、既に準備を終えたようなマリ姉の言葉に…………全てを理解している様なその台詞に…………、冷静にさせられた……。


 はぁ、計算してるのかよ?


 思わず、溜め息をつきたくなるよ…。うん。


「で、状況を説明なさい…。居場所の情報を提供するわよ?」


 そして、緊急事態において俺のすべきことを的確に教えてくれるのだ…。


 ほんと、頼りになるぜ、マリ姉は。


 とりあえず、俺はマリ姉に言われたことに素直に答える。


「○○地下街入口○○階段にて、井坂ちゃんが何者かに昏睡させられた可能性があり、現場にはバッグ。目撃者によると、タクシーを使用している可能性が高い。以上」


「人前で大胆なことするわね…。それにしても、ユウちゃん?何時から、名前で呼んじゃう仲になったのよ…。まだ、定刻時間じゃないわよ?」


 俺の報告に対する感想を述べたあと、呆れた様な声を出すマリ姉…。


「うっ…、たまたまだよ…。たまたま…」


「まぁ、事の経緯は知ってるんだけどね?災難だったわね?不良から女の子を助けるなんて…」


「最早、マリ姉の情報収集能力は桁を外してるよ!!」


 怖いよ!何で知ってるんだよ!?


「決まってるじゃないの?ユウちゃんに発信器を持たせてて、井坂ちゃんには、念のため盗聴器兼発信器を預けているからよ…?」


「返せ!俺にプライバシーの六文字を返せ!!」


 どこだ!?何処にあるんだ!?くっ、見つからないぞ!!発信器!!


「探しても無駄よ…?」


 くっ、不適な笑みを浮かべて余裕をぶっこいてやがるな!?


 んっ…。待てよ…?


「マリ姉、さっき念のためって…言ったよね?」


 念のため…、それはもしかしたらと、物事を予期して言う言葉…。


「流石ユウちゃん…、鋭いわね…」


 何時もと変わらない調子で返すのはマリ姉…。


 =(イコール)、この緊急事態に焦っていないと言うことで…。


「それって…この誘拐は…」


「ええ、前々から予想されていたことよ…?」


 俺の言わんとした、その続きを遮りマリ姉は予想道理の回答を返した…。


「予想されていたって、どう言うことなんだ!」


 しかし、俺は真実を告げられたにも関わらず、疑問が増えるばかりだ。


 思わず、叫んでしまうくらいには…。


 予想された犯行なら、犯人はあの三人組の不良ではなかったのか?


 予想していたなら、何故、この街に行かせたのか?


 何故、俺なんかを、そんな状況が起こるかもしれないのに同伴させたのか…?


 様々な疑問を…


「落ち着きなさい…」


 マリ姉はその一言で一蹴した…。


 と、同時に俺は落ち着きを取り戻す。


 マリ姉は全部狙ってやっているのだろう…。


 くっ、確かに取り乱すのは良くない…。


 事態が一向に解決には向かわないからだ…。


 とりあえず、すぅ、はぁ、と呼吸をして、自身を落ち着かせる。


「それで、マリ姉?どう言うこと?」


 そして、大分落ち着いてきた所でその質問を問いかけた。


 マリ姉は、一息、はぁと溜め息を付き、


「先に、場所を教えとくわね?」


 と、言った…。


「どうぞ」


「場所は○○○の地下の駐車場よ?ちょうど、ユウちゃんの前のバス停の次のバスで、ここから、八駅の場所で降りて、徒歩一分」


「それで、理由を教えてくれないの?」


 説明を聞いた後、急かすような俺に、はぁ、と溜め息を付くマリ姉…。


 だが、そんなマリ姉が溜め息を付きながらも、何だかにやけてる様な気がした…。


 まるで、しがない弟にイタズラを仕掛けるような…。


「じゃあ、あと頑張りなさい?」


 突如、そう言い出すマリ姉…。


「は?それってどういう……」


 意味?と続く言葉は最後まで続かなかった。


『ツゥー…ツゥー…ツゥー…』


 耳元でに聞き慣れた電子音が、何度もリピートされるからだ…。


 はっ?


 電話が切れた?


 マリ姉切りやがったのかっ?いや、違った…、普通に切れたのだ…。


 これっ、公衆電話だった…。


 ………………もう一度掛け直すか?いや、でも、先に向かった方が良いのか?


 そんな時だ…『プシュー』とエンジンを止める音を響かせながら、目の前のバス停にバスが止まった…。


 マリ姉が言ってた次のバスって、これかっ!?


 遅れたらだめだと、急いで、バスに乗り込む…。


 携帯電話を持っていない俺はマリ姉に電話を掛け直すことは出来ない…。


 電話が切れるタイミング、バスが来るタイミング。


 都合、良すぎだろ…。


 もしかしたら、これら全てがマリ姉の計算ずくなのかもしれない…。


 そう思うと思わず、溜め息が漏れた…。






 ~ 京菜 side ~


「んっ…」


 目が覚めると、僕は車の中に寝転がされていた。


 服は全く乱れておらず、寧ろ丁寧に扱われた様だった…。


 だけど、嬉しくなんかない。


 折角、楽しみにしていた今日が台無しだったのだから…。


「マリナさん…。ごめんなさい…」


 思わず、そう呟いてしまう位に。


 マリナさんの厚意で、一日の自由を手に入れた筈なのにこんなのに巻き込まれるなんて、本当についてないよ…。


 辺りの状況を確認すると、僕以外にももう一人女の子が眠らされている…。


 この眠りを妨げるのを申し訳無く思い、車の窓の外を見ると、黒服を着た男が立っている。


 男はこちらが起きたのを確認すると、ニヤリと笑い、車のドアをあけてきたのだった。


 これから、男のしようとしてることが分かり、大人しく従うことを決めた。


 どうせ、困るのは僕じゃなくて父だ、知ったことじゃない…。


 薄っぺらい笑顔を張り付け男は喋り出す。


「お目覚めでしょうか?でしたら次に悪いですが…「悪いが眠りにつきやがれ!!!」…グッ!?」


 台詞を最後まで言えなかったけれどね…。


 横からいきなり現れた影が男を殴り倒したからだ。


 って、


「ユウトぉ!?」


 そう、その姿は、僕を不良から助けてくれて、マリナさんに僕の案内役を任されたユウトそのものだった。


 僕が動けないでいると、


「よっ!もう、名前で呼んでくれるか~。感動だぞ?つうか、乱暴はされてないよな?うん。良かったぜ」


 喜怒哀楽に表情を変化させながら、ユウトはそう言った。


「何しにきたの……?」


 余りに気が動転していて、そんなことを聞いてしまう。


 それに対するユウトの答えは凄くシンプルだった。


「助けに来たに決まってるだろ?」






 ~ ユウト side ~


 さてと……、ずらかるか。


 うん。格好つけて登場したにしては、ざこっぽいな…。


「立てる?」


 そう言いながら、考えていたことはこれだった…。


 いやね?だって、相手はプロっぽいし、一人目は不意討ちでどうにかなったけど、二人目からは無理っぽそうなんだよ…。


 だから、逃げるのが最善…。


「僕は大丈夫だけど、もう一人ここに…」


 そう言われてそちらを向くと、確かに井坂ちゃんの奥に眠らされている女の子が居る。


 う…、どうしよっか…。


 倒れている子をおんぶして…。


「とりあえず、その子起こ…」


「何をしている!」


 ゲッ…、もう一人が来やがった。


「あははっ…、な、何も?」


 笑って誤魔化そうとするが、無理だと思う。


 だって、誘拐犯B(仮)は、さっき倒した誘拐犯A(仮)がのされているのを目撃したからだ…。


「どうやら、手練れのようだな…。本気で行かせて貰う…」


 仲間が倒されているのを見ても、冷静に対象するプロっぽい人。


 いやいやいやど素人ですけど、何か?


 不意討ちが偶々決まっただけなんですよ?


 誘拐犯Bさんは、腰を落とし腕を構え、ボクシングと思われる構えをとる。


 これは、本格的にヤバイかも…。


 慌てて空いていたドアを閉めて、相手に合わせて、俺が構えをとる…、その前に、誘拐犯Bの右手が俺を貫く…。


「ぐっ!」


 だが、運良く、反射的に半歩下がりながら出した左手でガードし、拳が鳩尾にクリーンヒットすることはなく、辛うじてもう半歩下がるに踏みとどまる…。


 あぶねぇな!


 安心したのも束の間、俺に体制を整えさせる気は無いのか、踏み込み左ジャブを放つ誘拐犯。


 対してこちらは半歩下がりながら、又左手で相手の手首を掴みにいく。


 しかし、敵の拳の方が早く重い…。


 俺が掴む前に敵の左手は俺の肩に刺さり、よろりと体制を崩しそうになる。


 だが、本能的な危機を感じて、倒れそうな体を無理やり後退させると、顎のあった場所で敵の拳が空を切った…。


 いやいやいや…。


「素人相手に剥きになるなよ!しかも僕!中学生だせ!?」


 カッコ悪く叫ぶ俺。


 だって、仕方無いじゃないかあ!


 相手は大人だぜ?しかも、プロの…。


 誘拐犯は俺の言い分など、聞く耳持たずにもう1歩踏み込んでくる。


 確実に倒す気なのだろう…。


 仕方無いから、俺は半歩下がり、カウンターの構えをとる。


 相手にはそれが分かったのだろうが、そんな物避けてやるとばかりにスピードを緩めることはない。


 相手と俺の間合いが、お互いの攻撃が当たる間合いになるその瞬間に勝負は決まってしまうだろう。


 あと、一秒もたたずにその間合いにはいる、そんな時に…、一つ説明したいことがある。


 ここは、とある駐車場と言うのは、既に話した通り。


 だが、話して無いことが一つある。


 それは、今、ケンカ?している場所が車と車の間の狭い場所であると言うこと。


 考えたら分かることではあるが、井坂ちゃんを助けるためにドアの真横に居た俺に、殴りかかってきた誘拐犯B。


 必然的に位置取りはこうなってしまう。


 結局、何が言いたいかというと、今俺と誘拐犯は、井坂ちゃんが乗っている車と他の車の間で戦っていると言うこと。


 そして、俺は一人じゃないということ。


 誘拐犯の完璧な踏み込みに対して、カウンター狙いの素人丸出しの踏み込みをする俺。


 敵の拳が素早く俺を突き刺し、カウンターが決まる前に俺は倒されてしまうだろう。


 普通だったらな?


 拳と拳がお互いに食らい付く、その瞬間…、決着を決めるその瞬間に。


 ドアが開いた。


 何てことはない、俺の隣に居る、井坂ちゃんが乗った車のドアが……誘拐犯に向かって…。


「ぐわっ…」


 誘拐犯の背後面に重い鉄のドアがクリーンヒットする。


 更に、背後からの打撃により、誘拐犯の拳が僅かにそれて、俺の数ミリ横を通り過ぎた…。


 誘拐犯が目を見開き驚愕の顔を見せ…様として、その前に俺のカウンターが顔面を貫いた。


 衝撃でフラフラと後ずさる誘拐犯。


「まだ、終わりじゃねぇよ!」


 足を踏み込み右足を上に上げつつ、軽くジャンプ。


 誘拐犯の頭の上に来た所で降り下ろす。


 バコッ!


 脳の骨に直撃する音が鈍く響く。


 そのまま誘拐犯は気を失ったのか地に倒れ付した。


「ナイスアシスト!井坂ちゃん!」


「ナイスファイト!ユウト!」






 ~ 京菜 side ~


「ナイスアシスト!井坂ちゃん!」


「ナイスファイト!ユウト!」


 元々、ユウトは最初からあの場所に誘き出すことに作戦を決めていたみたいだ。


 そして、戦いながら僕にアイコンタクトを図ってきたのが事の顛末。


 最初は戸惑ったけど、たまには反抗してみるのも面白いかな…って、ユウトのお陰で思えて…。


 最後の方はノリノリだったかもしれない…。


 ああ、これがユウトをマリナさんが押した理由なのかな?


「大丈夫かい?」


 近付いてきたユウトにそう声をかけられる。


「僕は大丈夫!だけど、ユウトの方こそ大丈夫?」


 確かユウトは一発くらい攻撃を食らっていた筈だ…。


 自分より他人を優先しまくる、とマリナさんは言ってたけれど、あながち、嘘では無いのかも知れない。


「平気平気~。そういや、あいつらって何物なんだ?」


 そう言われて、ドキッとしてしまう。


 ユウトにはあんまり言いたく無かったからだ。


 マリナさんも、そこは秘密にしときなさい、って言ってくれたし…。


 でも、巻き込んじゃったから話さないといけない。


「あのね?ユウト…あの人達は……、っ!…ユウト!?危ない!!」


「へっ!?グハッ!!」


 ユウトに真実を話す前に、誰かがユウトに近づいて拳を叩き込んだ…。


「ユウト!」


 思わず、叫んでしまう。


「よくも、仲間達を!」


 倒れこんだユウトの隣には最後の誘拐犯が立っていた。


やってしまった。

三話で終わらせるつもりが、

まだ、終わらなかった。

次回こそ終わらせて見せます!

では、頭痛いのでさらばです。

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