第十物語 「finishには………」
さぁ、終わらせよう!
第一幕の舞台を!!
~ オマケ ~
私が目を開けるとそこは部屋だった。
どうやら私が先に来てしまったのね…。
ユウちゃんはまだだろうか?
ベ、別に心配してるわけじゃないんだからね!!
…………………………………。
止めましょう…すごく不本意だわ…。
なんとも言えない屈辱感が頭に浮かび、他の事を考えようとすると一つの不安が浮かんだ。
もしかしたら…、来ないんじゃ……。
そんな試行が頭を過りブンブンと頭を振り払って嫌な思考を頭から遠ざける。
そんなこと、有る訳ないわ!だって、ユウちゃんだもの…。
そうは言っても本心では不安だったのだ…。
きっと、さっき言われた事に動揺しているんだと思うのだけれど…。
私は弱いわね…。
普段強がっていても弱い…。
多分、ユウちゃんはそれに気付いて触れないで居てくれていると思うのだけれど…。
良くできた…、従兄弟…。
そんな事を考えていると一点に光が集まりだす…。
そして、そこから人が現れる。
ユウちゃんだ…。
でも、どうかしたのかしら?
一向に動かない…。
と、思っていたら前のめりに倒れ出したのだ…!
「ユウちゃん!」
私は急いで抱き留めに行く…。
何とか地面に付く前に抱き締める事が出来た…。危ないわね…。
?
動かないの…?
気絶してるのかしら?
ユウちゃんは気を失っている…。
「もう、心配かけて…」
私は強く抱き締める…。
べ、別に気絶していることを良いことにやってる訳じゃないわよ!?
………誰に言い訳にしてるのかしら……私…?
「まったく…」
そう言いながら、頭を撫でる…。
普段は出来ないから色々できるわね…。
じゃないわ!
べべべ、別に!気絶(以下略)………。
……………………………。
「すぅ…、はぁ…」
深く深呼吸…。
落ち着けた…。
私、焦っているわね…。
普段はここまで取り乱すことなんかないのに…。
【実際、マリナは今落ち込んでいるので、何かにすがり付きたいと思ってしまっている。だが、本人は気付いていない…】
あれ?
ユウちゃん…、怪我してる…?
ユウちゃんが怪我をしている所を白く淡い光が包んでいて、傷が塞がっていくのだ…。
「もう…、無茶をして…」
力の為、詰まり、誰かの為に、無茶をしていたであろうユウちゃん……。
傷をおっているユウちゃんを見てもう一度強く抱き締めた…。
「バカ…」
自然とそんな言葉が漏れてしまう…。
「本当に馬鹿なんだから…。でも、良く頑張ったわよ…」
普段は話すことはない本音…。
なんか、言いたくない…。
ユウちゃんの寝顔を見ると安心してしまう…。
「そうだ…、膝枕をしましょう!」
………………………………。
何言ってるの私!?
ちょ、落ち着いて!私!!
すぅ~、はぁ~、よし!
私はユウちゃんを膝に乗せた…。
ちょ、ちょっと!!!
何してるの私?何で体は正直なのぉ!?
いや!あの!違うにょぉお(プシュ~(ショートした…))
…………。
…………………。
…………………………。
~ 十分後 ~
私は膝枕のままでユウちゃんが起きるのを待っていた…。
(プニプニ…)
ユウちゃんは頬っぺた柔らかいわね…。
本人は気にしているみたいだけれど…。
(プニプニ…)
ウフフ……。
はっ!今私はにやけて………、無いわよ!無いのよ!分かってるわよね!言ったら殺すわよ!(鞭を取り出して…)
って、誰に言ってるのかしら………。
「もう、何もしないわよ…」
そう言いながら、おでこを撫でる…。
(さわさわ…)
ウフフッ……♪
はっ!!喜んで何かないわよ!言ったら拷問するわよ♪死んだ方がましなくらいのを……♪
私は何をしてるのかしらね…?
「よし、最後に撫でよう♪」
何を言ってるのよ私は!?
「うぅ~ん…」
(ビクッ!)
全身が震える…。
お、起きたのね…。ビックリさせないでよ…、ユウちゃん…。
あくまで平静を装おう…。
内心ドッキドキなのは、秘密だ…。
「おはよう…」
自然と顔が笑顔になってしまっているわね…。
「おはよう。マリ姉」
顔を赤くしつつ、照れているユウちゃん。
可愛いわね…。
それに、まだ少し目がうとうとしている。
フフッ。
「寝坊助さんね…」
ホントに……。
「疲れてたんだよ……」
そう反論してくるユウちゃん。
まぁ、生意気ね~。
まぁ、照れ隠しにそっぽ向くのもまた可愛いんだけどね…。
ユウちゃんと触れ合うことで自然と気分が晴れている私…。
私の中の不安はもう無くなっていた。
「ねぇ、ユウちゃん?」
「なぁに、マリ姉?」
「この世界…、壊して良いかしら?」
「うん。今は許すよ…」
何でこんなことになっているかと言うと…、
ウィーン…。
ウィーン………。
ウィーン……………。
目の前にルンバがいた…。
「何でだよ!?」
お掃除ロボットルンバ…。
自動で掃除してくれる丸い奴…。
何であんの!?
部屋で3台徘徊している…。
「普通さ?異世界って言ったらさ?使い魔とかさ?期待するじゃん?ルンバって!」
驚きだわ!
いや、真っ黒ク○助みたいなのやフモフモしたのを期待した俺の気持ちを返せ!
【ルンバがいるのは、老人達の組織が異世界から来た勇者に来てもらうとき、ダンジョンが埃だらけになってはいけない!掃除しよう!しかし、入れない!となっているときに部下が地球からマジすげぇ!って買ってきた物を採用し、五台ほどダンジョンに放った所活躍(なお、放ったルンバの充電には魔結晶が使われていて…、(空気中から魔力を取り込み電気とする)夜は活動を停止し充電。昼に活動するように改造し永久期間と化している)その中の3台と今回出会ったのだ…】
まぁ、良い…。取り合えず目の前だ…。
いや、決して家に1台望んだわけじゃないよ?
話を修正しよう。
「さぁて…、どうするマリ姉…?宝箱があるよ?」
「さぁ…私は正直、余り興味は無いのだけれど…」
そう…。
俺達の前には2つの宝箱があるのだ…。
その周りに金と銀が積み上げられている…。
一生遊べる!と言う訳ではないが五年は遊んで暮らせそうだ…。
本来なら普通の剣を持った無能力者が世界を救う為に、防具を揃えたり武器を揃えたりと色々するところなのだろうが…生憎、俺達は全て用意して貰っている…。
「じゃあ、遠慮なく貰って良いかな?」
マリ姉は頷く。
どうやら、お金を返すのも使うのも俺の役割らしい…。
9対1の割合で金と銀を配分する。
正確には、俺が自由に使えるのはマリ姉と同じくらいの金額だ…。
残りは借金返済…。
一ヶ月に最低百万払えと言われた…。
そういや、こっちのお金の単位ってなんだろう?
説明を戻すと…、金と銀を指輪にしまう…。
どうやら、この指輪所有権が自分に渡った物だけ納せるらしい…。
閑話休題…。
で、宝箱を開けることにする…。
「ワクワク…」
正直楽しみだ…。
何が出るかな~。
ゆっくりと、開いて見ると…。
「ネックレス…?」
中に入っていたのは銀のネックレスだった…。
「何かのアイテムかしら?」
「さぁ…」
マリ姉も宝箱の中を覗き込んでくる…。
手に取ると…、そのネックレスには、銀の十字架のアクセサリーが付いていた…。
試しに首につけて見る………が、何も起こる気配はない…。
何なんだろう、これ?
指輪やブレスレットの時と同じように発動することも出来ない…。
「まぁ、いいか…」
とりあえず、保留だ…。
問題はもう一つ…。
明らかにまがまがしいオーラを宝箱が放っている…。
「マリ姉?開けない?俺はこっちの奴で大丈夫だから…」
「そう?じゃあ、遠慮なく貰うわよ?」
そう言って宝箱を開けるマリ姉。
躊躇ないな…。
通帳ないな…、じゃないよ?
そんなことなら、死活問題だ…。
宝箱から出てきたのは、指輪?かな?
何の変てつもない、黒の指輪。
スラッとしたフォルムで他の指の動きの妨げになることはない…。
「で、どう?マリ姉?」
「特に何も無いわよ…?……嫌、違うわね…。何かある…。今、使ってみるわ…」
そう言って、手を前に出すマリ姉…。
ん?って!うぉ!
地面にいきなり倒れてしまう…。
何か、体が怠いのだ…。
嫌違う…、重い…。
一気に体重が増加したみたいだ…。
別に黒石さん太ってないよ…?
手を地面に付きなんとか、起き上がる…。
重さにして三倍位かな…。
「ま、マリ姉…?」
足がぷるぷるしてる…。うん。
産まれたての小鹿か!!
「成程…分かったわ…」
「何が……かな…?」
必死に聞いてみる…。
嫌な予感がする…。
だって、マリ姉がものスッゴい笑顔なんだもん…。
黒い………。
指輪と同じ色だった…
「この指輪、特定の相手の重力を増やせるのよ…」
「えっ………?」
「じゃあ、ユウちゃん、行きましょうか!」
いや、説明じゃなくて…。
放置すか…?
「解いてくれないかな?」
ホント、マジで…。
「どうしたの~?ユウちゃん?」
聞こえてない振りをするマリ姉…。
確信犯である…。
楽しそうだな…。
黒石さんは楽しくない…、悲しい…。
悲石さんである…。
「お願いしますぜ…。マリ姉…」
つうか、動けない…。
何処にも行けない…。
「人に物を頼むときは、どうするの~?」
うっ…!
仕方無いがやるしかないか…。
方膝を付き…、頭を下げる…。
騎士が主君に忠誠を誓うポーズをイメージしてくれ…。
「お願いします…」
「まぁ、良いわ」
満足した笑みを浮かべる、マリ姉。
そして、体重は軽くなった…。
だけどさ…。
「マリ姉?」
「何かしら?」
「まだ、二倍くらいあるんだけど…」
うん。歩けるけど辛い…。
その言葉に微笑むマリ姉…。
そして…
「強くなるんでしょ?」
いたずらっ子の様にそう言った…。
言われてしまったら、仕方無い……。
「ああ、強くなる…」
体重が二倍くらいは良いトレーニングだ…。
体を鍛えないといけないしな!
「じゃあ、行くわよ。ユウちゃん♪」
「行こうか、マリ姉!」
力は手に入り、資金も手にいれとて、体を鍛える手段まで貰えた…。
至れり尽くせりだった。
入り口のドアを開けると外に繋がっていた…。
俺達は一歩前に出る。
「ありがと、それと、あばよ!」
そう言って、ダンジョン、勇者の神殿に背を向けたまま、歩き出す…。
そして、ブレスレットを発動させ学ランをしまい、コートを羽織る。
もう要件は終わったので次の町に向かう…。
目指すは最寄りの町。
ナターシャさんの示した方向へと進んでいく俺達…。
時間は夕刻…。
少し長めの影が伸びている…。
少し、気だるく少し重くなっている体で少しずつ前に進んでいく…。
一体、俺の力は何なんだろう…。
気になるが保留である…。
いくら重くても歩みのスピードを変えることはない…。
初陣にしては中々だったこの世界…、他には一体何が見れるのか…。
様々な期待に胸を膨らませながら前を向き直す。
こうして、俺達の初めてのダンジョン攻略は終わった…。
もし、~~~ができたら…。
もし、~~~だったら。
もし、~~~が叶ったら。
人はもしという言葉を望む。
それは仕方のないことだが、許されることなのかは分からない…。
誰かのためにもしを望んで運命を変えてしまうのは罪なのだろうか?
それは、罪で…、誰かを救うのならば、それ相応の対価をいつか払わされるだろう。
その対価は現在払わなければならなかったり…、過去で払っていたり…、未来で払う予定だったりと様々だ…。
いつかは、払わなければならない罪だ…、人の欲…人の業…、だがそれらを支払う覚悟があるのならば…、止まってはいけない…。
なぜならば、前に進まなければ何もできないのだから…。
こうして、もしから始まった物語は…、本当の意味で始まるするのだから………。
第一章
~完
?~
~??? ???~
『そっか~、ユウト、力を手に入れちゃったんだ~』
『元から、凄かったのに頑張っちゃって~』
『私の為かな?かなかな?きゃっ!』
『ユウトったら~、照れくさいことしてくれちゃてっ!』
『でも………、あの人は邪魔……』
『あの人が居るから、ユウトは私だけを見てくれないんだ…………』
『アイツガイルカラ、ユウトノエガオヲ、ワタシハヒトリジメデキナクテ。アイツガイルカラユウトハミンナニヤサシクテ。アイツガイルカラ……私と…ユウトは…離れ離れになった………』
『だから、殺しちゃうよ? ま・り・な さん?』
『きゃっ!言っちゃった~。言っちゃった!ユウトは私の愛に気付いてくれるかな~!』
『気付かないよね~。鈍感さんだもん~。もう!だから私と二人っきりでいよ?』
『そしたら隣にいて!手えつないじゃって!告白しちゃってぇ!!キスしたりして~!!あんなことや、こんなことを~~!!!きゃぁあああ!何言ってるのよ私~!!』
『だから、しばらく経ったら会いに行っちゃうよ~。好き!スキスキ!大好き!大大好き!!!大大大だ~い好きなぁあ~ユウトに~!!』
『何年ぶりかな~可愛いって言ってくれるかな~!言わなかったら………コロシチャオッカナ?………』
『なんてね~!そんなことしないよ~』
『だから、会いに行っちゃうよ~』
『大好きだよ!ゆ・う・と!』
『世界の何よりも………』
第一章「If start story」~力を手に入れるために~
~完!~
はい!おまけのようなこの回!いかがでしたか?
個人的には最後に出てきた…あの…。
なんでもありません……。
以上で第一章は完結となります。
続く第二章でのユウトさんの活躍こうご期待です!
では、一言
遅れてしまって誠に申し訳ありませんでした!!
いつも見て頂いてる方には多大なご迷惑をおかけしました。
本当にすいません!
作者は無事にスランプを抜け出しました!
アドバイスをくれた方誠にありがとうございます!!
では、いつもどうりに…。
今回の話では特に解説するところはありませんが、
この物語では色々な伏線が施されているので、
今後の布石のお話です。
実はあの銀のペ…いえ、何も、口が軽いとどうにもいけませんね…。
では、近況に移ります。
さて、めでたく高校二年に進学した作者ですが…、
何と授業についていけない!
部活量アップ!!
その他もろもろ
により見事撃沈しています。
いや、ホント死ぬ。
これからさらに更新ペースが遅くなりますが温かい目で見守ってやってください。
次回はユウトの過去編を短編で入れることにします。
物語で軽く触れた親友との物語です。
今後の物語にこれまた影響を及ぼす……訳では、特にないです。
まぁ、詳しくは次回を。
あと、五千文字程度なんで。
二章は主人公が自分の能力を理解しないまま…、
とある事件に巻き込まれていくお話です。
皆さんここまで付き合ってくれてありがとうございました。
これからもユウトさんの活躍にご期待下さい!!