大剣豪 一話 剣豪 1−2
まぶたが重い。
心地よい眠りに入ろうとしているのだが、
俺の名を連呼する声が心地よい睡眠を阻害する。
俺の名を連呼する声は、俺の眠気を徐々に覚ましてしまう。
俺の名を連呼する声が、どんどん大きくなっていく。
まぶたが急に軽くなった。
「神童勇希! 返事をしろ!」
ふと頭上を見上げると、
夢の中にでてきた立派な無精髭のある大男のでかい顔があった。
この大男は夢の中では斬り捨てたが、
現実では斬り捨てれる相手ではない。大男は俺の担任、岩崎龍魔。
俺があんな夢を見たのは、岩崎が俺の名を連呼していたためだろうか。
岩崎は、寝起きで寝ぼけている俺に一喝した。
「出席とってんだよ! 早く返事しろ!」
「あ、はい」
教室は、笑い声で盛んになった。
出席の返事をすると、また睡魔が襲ってきた。
教室の窓から入ってくる光に照らされていると、
睡魔の力は倍増する。
いつもは黒茶色の髪の毛も、
太陽の光に照らされて、髪の色が黄金色と化していた。
再び俺は睡魔の力に負け、眠っていたのだが、
再び岩崎という天敵に起こされた。
「いつまで寝てんだ。もう授業始まるぞ」
「次の授業は何ですか?」
岩崎は呆れる、そう感じ取れる、ため息をついてきた。
「おい、神童。お前明日は卒業試験だぞ? わかってんのか?
留年というハンデを背負っていくというのがどれだけ大変か……。
次の授業は剣術だ。グランドに集合だ」
俺の通っている学校は、政府直轄の剣豪を育てる学校。
卒業後は、剣豪として政府から与えられる任務を遂行する事になる。
今まで小柄な体に鞭を打ち、剣術を磨いてきた。
俺は卒業試験には何がなんでも合格する。そう決めている。
岩崎は呆れ顔でグランドに向かった。
今まで誰よりも汗を流し、誰よりも辛い事をやってきた。
それだけに、合格するんだという俺の意思は誰よりも固い。
俺は、剣豪になる……。




