ラスボスちゃん爆誕前夜
……ああ、やっと、終わってしまう。私の人生悪くは無かったけれど、また自分から進んで来る場所でもないわね。長生きもあまり出来なかったけど、まぁこれぐらいお婆ちゃんになれば十分ね。あと心配な事は…特に無いわね。夫の透士郎さんは意外としっかり者だからきっと私が居なくても大丈夫。思ったより心置き無く逝けるわ。
瞼を開くとそこには私の手を握る透士郎さんの姿があった。私の見たことの無いぐらい悲しそうな顔をしている。死に際で申し訳無いがそれを嬉しく思ってしまった。
「ふふ、ねぇ…透士郎さん。」
私は掠れてしまった声で続けた。
「私ね、苦しい時も、あったけれど、幸せだったのよ、貴方が、支えてくれたから」
歳をとったからか随分と耳が悪くなった。もう私では透士郎さんの声を正確に聞くことはできない。今話している言葉も発音が出来ているのかもわからない。
けれど私は話し続けた。
「だからね、ありがとう。寂しくはなるけれど、これからの貴方にも幸せで居て欲しい、だから必要だったら…後妻も、許して…あげる……」
‘’本当は嫌だけれど‘’、そこまで言おうとしたが意識は薄れて行く。いよいよ限界の様だ。少しずつ身体の力が抜ける。もう動かせない。ずっとあった痛みの感覚も無くな…
「ーーー、愛してる…っ」
もう聞けないと思っていた透士郎さんの声が鮮明に聞こえた。記憶していた声より少し低く、泣いていたからか震えていた。これ以上無い最高の冥土の土産だ。
「…うん」
最後の返事は透士郎さんに届いたのかはわからない、こうして私の人生は幕を閉じた。
死んだのに目覚めると言う表現はおかしいのだろうが私の意識は何故かそこにあった。
「……私、死んだはずよね?何で家にいるの?幽霊にでもなったのかしら」
私は自宅のリビングのテーブルに向かって座っている状態だった。正面には誰もいない。しかし、テーブルの上には見たことの無い手の平サイズで赤く丸い宝石の様な物が置いてあった。
「何これ?こんな物うちにあったかしら?」
不思議に思い私は思わず宝石を手に取ってしまった。次の瞬間、私はブラックホールの様なものに吸い込まれた。
「えっ?」
死んだと思ったら考える暇も無く次々と起こる出来事に私はついていけず諦めてなるがままに身を任せた。それともこれが普通の死後なのだろうか?
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「気持ち悪っ、え?何?」
突如として初めて感じる異物感に僕はまだ理解できずにいた。
「サレヨ様!た、大変です!まだ原理は不明ですが異界と繋がる門ができてます!」
「ぅえ〜、嘘だろぉてか何それ、どう処理すれば良いか知らんがな」
「いいから、さっさと確認して上にも状況説明してきてください!ほら!ちゃっちゃと動く!」
「うっす…」
なんか主人である僕より従者の方がしっかりしてる、おかげで僕の立場が無い。まぁかなり助かってはいるんだけど。
「一応神さまなんだけどな〜」
「はぁ?敬われたいんだったらしっかりしてください!」
「はいっ、すまっせんした!さっさ行ってきます!」
この従者、上司より怖いかもしれない
僕は現場に行き確認したが、かなり面倒そうなのだけは見てわかった。閉じ方も分からなかったのでとりあえず通れないように封鎖はした。
「上に報告も面倒いけどやらないとなぁ〜」
この後、人間が巻き込まれたことが判明し問題になるのは言うまでも無い。
次回ラスボスちゃん爆誕!
投稿未定




