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生徒会密室会議 ― 排除対象

放課後の生徒会室。

いつもの静けさはどこにもなく、空気が張りつめていた。


分厚い遮音結界が張られ、外の音は一切入らない。

室内には、銀条タケルと、生徒会幹部の四名だけ。


タケルが机の上に指を置くと、

その瞬間、全員が姿勢を正した。


「……では、議題に入ろう」


その声は冷たいが、どこか燃えている。


タケルは一枚のホログラムを展開した。


そこに映っていたのは、

昼休みにリナと並んで歩く“アヤト”の映像。


無名。魔力ゼロ。一般人。


そして――

リナが袖をつまんだ瞬間をスロー再生していた。


胸元の魔石が微かに光る。

タケルの感情が揺れている証。


『アヤト(苗字不詳)。

魔力測定ゼロ。

戦闘経験なし。

家柄・スキル・財力、一切無し。』


机の上でタケルの指が“トン”と鳴る。


「そんな男が――リナ・クレストに触れた」


生徒会の女子たちがざわついた。


「……タケル様、嫉妬、ですか?」


「違う」


タケルは即座に切り捨てる。


その目は笑っていない。


「これは、学校秩序の問題だ」


「秩序……?」


タケルは映像を切り替える。

次に映ったのは、生徒たちがリナとアヤトを見て騒ぎ、

教室の前でひざから崩れ落ちる男子、気絶する女子。


「リナ・クレストは校内で最も影響力のある人物だ。

彼女の動向は、学校全体のバランスに影響する」


タケルは静かに続けた。


「そして――あの男は、計算に入っていなかった“異物”だ」


タケルは椅子に深く腰掛け、足を組んだ。


「俺は昨日、確信した」


重たい沈黙。

生徒会の視線がタケルに集中する。


「あの男は、

リナ・クレストの“価値”を下げる存在であり、

彼女の未来に不要な影響を与える可能性がある」


そして――


「だから、排除する」


空気が凍った。


生徒会副会長の少女が、小さな声で問いかける。


「“排除”とは……?」


「殺す必要はない。

 ただ、リナの隣に立つ資格がないと証明すればいい」


タケルは淡々と続けた。


「つまり――俺と“アヤト”の、

 “公式な勝負”が必要だ」


「勝負……?」


「そうだ。

 力か、知力か、選択肢は考える。

 だがどんな形であれ、

 リナの前で“格の差”を見せつければいい」


生徒会は息をのんだ。


書記の少女が恐る恐る尋ねる。


「ですが、生徒会長……

 あの人、ただの一般人では……?」


タケルは目を細めた。


「それが問題だ」


魔力ゼロの男にリナが心を開いた。


タケルにとって、それはあり得ない現象だった。


「魅力も、能力も、才能もない男が

 リナの生活圏に入り込んだ。

 これは“偶然”ではない」


生徒会全員が息を飲む。


「あの男の情報をもっと調べろ。

 友人関係、家族、生活歴……

 一週間以内に“弱点”をまとめた資料を用意しろ」


命令は冷徹だった。


そして――

タケルは最後にこう言った。


「リナの隣に立てるのは、

 俺だけだ」


その声には嫉妬ではなく、

王としての“宣言”があった。


密談が終わり、皆が立ち上がる中。


一人だけ、席を立とうとしない生徒がいた。


生徒会会計――

物静かでいつも本ばかり読んでいる少女、

月影シズハ。


彼女は震える声で言った。


「タケル様……その計画、間違っています」


生徒会全員が固まる。


タケルがゆっくり振り返る。


「……理由は?」


「多分ですけど、彼は……リナさんを、傷つけない人です。

 少なくとも、“今の彼”はそうだと思います」


タケルの眼差しが鋭くなる。


「シズハ。

 君は、俺の判断に異議を唱えるのか?」


少女は唇を噛みしめながらも、目を逸らさなかった。


「リナさんが――悲しむと思います」


その言葉に、タケルは静かに目を閉じた。


次に目を開いたとき、

その瞳は氷のように冷たかった。


「……なるほど。

 だが、それでも――必要なことだ」


タケルは背を向け、生徒会室を出る。


残された生徒会メンバーたちは、

誰も言葉を発せなかった。


少女シズハだけが、

震える指で涙を拭いながら呟いた。


「……タケル様が……壊れていく……」

大変、投稿が遅れてしまい申し訳ございません。

最近流行りのインフルエンザに感染しておりました。


再度、投稿頻度を戻してます。


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