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11/20

リナとの同居生活スタート

「さすが社長令嬢だな」


「呼ばないで。別に大したことしてないわよ」


「いや、大したことしかしてねぇよ」


言った瞬間、リナの耳がふわっと赤く染まった。

見逃す俺じゃない。


引っ越し業者が荷物をトラックに積む間、俺とリナは街へ出ていた。


高そうなガラス張りの店。

鏡面の床。

入っただけで俺の人生ステータスがバレるタイプの店。


「ここ、服屋?」


「そうよ。アヤトの服、揃えるの。パンツ一丁生活は通報案件だから」


ぐうの音も出ない。


店のスタッフが丁寧にお辞儀。

緊張で胃が死ぬ。


「彼に似合う服をお願いします」


慣れた声。品がある。

こういうのを本物のお嬢様って言うんだな。


「身長は……190ですね」


店員が一気にスイッチ入った。

次々服が渡され、俺は試着室に押し込まれる。


「どう?」


カーテンを開けるたび、リナは少し見つめて――こくり。

そのたびに袋が増えていく。


「いや、こんなにいらねぇから!?」


「必要なの。あなた、これから“私の隣に立つ”んだから」


その言葉は軽く。

でも、胸にとんでもない熱を置いていった。


結局、俺は人生初の“高級袋持ち”男になった。


――そして高層マンションへ。


エントランスから空気が違う。

床ピカ、空気ひんやり、ドアマンまでいる。


「こっち」


リナの部屋は、落ち着いた色で統一された広い空間。

ホテル、いや、それ以上だ。


そして――


「ベッド、二つあんのか」


「当然でしょ。別々の部屋にしたら意味ないじゃない。あなた、狙われてるのよ」


「……そうか」


胸があつくなる。

危険だから、じゃない。

“そこに居場所を用意された”から。


「弟くんは?」


「ばあばの家。……私が動き回ってたから、色々ね」


一瞬見せた孤独が、優しくて、少し痛かった。


夕食は宅配寿司。人生で一番うまい。


「……うま」


「そんなに?」


「やばい。感動して泣ける」


リナはちょっと照れくさそうに笑った。


その後、未来の話を熱く語るリナ。

企業、研究、ダンジョン、魔法開発――止まらない。

目が、未来をまっすぐ見てた。


気づけば夜。

気づけば朝。


「……語りすぎた」


「いや、夢があるって良いこと……(眠い)」


リナは布団にもぐる。

その直後、俺はスマホを開いて、


(……エロアニメでも見るか)


ピッ。


――年齢制限:オン。


「……は?」


解除しようとした瞬間、


バシッ(蹴り)


「未成年保護……大事……(寝言)」


絶対防壁。法律より強い。


(死ぬほど健全生活だ……)


そのまま寝落ちした。


――そして夕方。


「起きて。迎えに来たわよ」


リナが帰宅。

その後ろに、黒コートのクロ登場。


「デートか?」


「違うわよ!」


「ちょっと嬉しかった?」


「違ぇって言ってんでしょ!?」


クロは笑いながら手をひらひら。


「準備できたな?初ダンジョン観光ツアーだ。しぬなよ」


俺とリナは、自然と目を合わせた。


恐怖でも、諦めでもない。


(ここからだ)


俺は昨日、泥と孤独の底で“選ばれなかった自分”と決別した。


今は違う。


誰かに“隣に立ってほしい”と言われた。

そして――俺も誰かを守りたいと思った。


「よし、行くか」


俺は鉄の棒を持って外へ出た。

いつもご視聴ありがとうございます。よければブックマークと評価の方、よろしくお願い致します。


次回は11/9 18:00を予定しております。

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