月代の願いと、ハッシー怒る
覚悟が決まった次の日の朝、鏡に向かって、誓った。「天地神明に誓って。私は、自分が好きな者は、幽霊だろうが、妖怪だろうが、人だろうが、動物だろうが、植物だろうが、声が聞こえたら、命続く限り応えると決めました」はい!とほうっぺたを二回張って、家を出た。
学校に着くと、杉がいつもと同じように、自分の机に座って上を見ていた。手を振って声をかけた。
「スギは、得意なカラオケとかあるの?」
「う〜ん、得意ではないけど、中島みゆきさんとか好きだね」
「渋いね。杉、あんたの将来が見えたよ」
「どんな未来?」
未来という言葉に杉子は目を輝かせて私の言葉を待った。
「スナックでおじさんに大人気の若いチーママ」
「え?何と・・って、冗談やめてよ。そんな未来嫌だよ」
「冗談じゃないよ」
いつになく優奈は真剣な眼差しで杉子を見据えた。
「目の前の今を否定して、人の気持ちに気付けずに、自分の気持ちにすら気が付かない人間に明るい未来は無いよ。自分が生きたい未来のこと、好きな人のこと、よく考えな。考えなかったら、場末のスナックの人気者にでもなりなよ」
杉子は目をまん丸くして、優奈を見据えた。
「な、なんでそんな事言うの? 突然何よ? 訳が分からないよ! 頭整理して来る!」
杉子は、動揺しながら、そう言って、走って教室を出て行った。優奈は、その姿を見送ってから、一息付いてから言った。
「ツッキー。これでいい?」
「辛い役回り、ありがとうね。ごめんね」
「まあ・・・親友のためにもなるかもしれないからいいよ」




