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おそろしいマジナイ  作者: たかさば


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はじめに

……マジナイとは、何ぞや。


願いを叶えるために、不思議な力を借りる儀式。

願いを叶えるために、己の思いを込める儀式。

願いを叶えるために、感情を届ける儀式。


欲しいものを、手に入れたい。

嫌なものを、遠ざけたい。


……願いを叶えるため、ただ、ひたすらに。


祈りをささげ。

呪文を唱え。

供え物をし。

紋様を描き。

歌を歌い。

舞を踊り。

火を焚き。

水を撒き。

葉を千切り。

海に投げ込み。

空に飛ばし。

土に埋め。

裸になり。

池に飛び込み。

滝に打たれ。

…以下省略。


手に入らないものを求めて、得体のしれない力に縋る…それがマジナイ。


地道に努力を重ね、欲しいものを手に入れるという、本来の道筋を…危うくする。

身の丈に合わない欲望をくすぐり、自分の生きるべき道筋を…見失わせる。


願いを叶えるためにマジナイをする…、わき目もふらずに。

願いを叶えるためにマジナイをする…、一心不乱に。

願いを叶えるためにマジナイをする…、血走った眼で。

願いを叶えるためにマジナイをする…、後ろ指をさされながら。

願いを叶えるためにマジナイをする…、好奇の眼差しを向けられながら。

願いを叶えるためにマジナイをする…、誰かの制止を振り切りながら。

願いを叶えるためにマジナイをする…、財産をつぎ込んで。


……まことに恐ろしい、マジナイ。


ごく普通の人が、気味の悪い呪文を唱える恐怖。

めちゃめちゃ人気の女子のかばんの中から、気持ちの悪い人形が出てくる恐怖。

八重歯の輝く好青年の部屋の片隅に、針の穴だらけの集合写真を見つけた恐怖。


人の数だけ、恐ろしさがあり。

願いの数だけ、恐ろしさがあり。

煩悩の数だけ、恐ろしさがあり。


この世には……、あまたのマジナイにまつわる恐怖が、ある。


……して、何が、一番、恐ろしいかといいますと。


いつまでたっても、それほど年月が過ぎ去っても、いろんな事をサプサプ忘れるような年代になっても!!!

私の中に…おかしなマジナイの記憶がバッチリ残っているということだよ!!!


なんだ、なんなんだ、なんで効かなかったおまじないのことをいつまでも覚えている?!

なんだ、なんなんだ、なんで効いたおまじないの記憶がいつまでも残っている?!

なんだ、なんなんだ、なんでおまじないにまつわる頭を抱えたくなるような記憶が消えない?!

なんだ、なんなんだ、なんでおまじないにまつわるろくでもないやらかしの記憶が消えない?!

なんだ、なんなんだ、なんでおまじない関連の思い出が平凡な日常にポコポコと顔を出す?!

なんだ、なんなんだ、なんでおまじないのことがあらゆる場面で思い出されてしまうのだ!!!


おかしな記憶が脳内を圧迫しているせいで、覚えなきゃいけない重要なことが全然浸透しなくて、覚えてなきゃいけない事の方からどんどん昇華して行って―!!!


……げに恐ろしき、まじないの底力。

いつまでたっても失われない、消えて行かないまさに負の遺産。


……と、いう事で。


この連載では、自分の中に残っているろくでもないマジナイの記憶を垂れ流しつつ、紹介していこうと思います。


宜しければお付き合いくださいませ。



不定期でサクサクッと連載していきます(*'ω'*)

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