目覚めたら、女神様の胸の中 99
「それでは改めて説明させて頂きますが、まずは新咲、貴方がこれから向かいます惑星は私が自ずから創りだした星となります。その為まだまだ未知の部分や手を加える所が多く、また、進化の途中とも発展途上とも言ってもいい状態でしょう。けれど、私は私なりに貴方が快適に過ごせるようにと、転生候補として新咲を見付けた瞬間から地球をつぶさに観察し、こちらの生活水準も似せるように作ってまいりました。ですので、生活基準は地球にいた頃と同様に問題なく過ごせるのではないかと私は自負しております。…ですが、先程もお伝えしましたように未知の部分が多いため未開拓の部分や手を加えられていない箇所もございまして。恥ずかしながら私の目が届かぬ部分があるのも事実となります。新咲が降り立つ陸地は比較的に土地も人も整えてありますが、それでもまだまだ開発の余地がある事は否めません。けれど、ようやく貴方を無防備に降ろす事ができる程度には水準を上げることが出来ました。ですので…新咲には特に私が創り上げた最高傑作である星を見て貰いたく思っているのです。あの子も私の大切な愛の一部となりますから」
穏やかで、それでいて、とても誇らしいような優しい微笑みで女神様が星の話しを嬉々とするので、今まで見たことがなかった彼女の他への称賛に、聞いてるこちらとしてもこれから向かい過ごすことになる未知なる土地と人達にワクワクと楽しみと喜びが止まらなかった。
元来私は、地球に居た頃もそうだったが、個人で遠出や海外に行ったことすらも無かったのだ。
だが、何のご縁かそれらをも飛び越えて今や他の星にまでたどり着いてしまった。ならば、事故に遭い死後体験もしたことだし、もう振り切って楽しんだもの勝ちだ、と思考メーターがぶっちぎりで吹っ切れたらしい。
知らない事に怖じ気づく気持ちもあるにはあるけれど、自分でも知らなかったが好奇心は強かったみたいで、自身の知らない新しいことを知る機会に心は逸る気持ちでいっぱいとなっていた。
「はい、わかりました!私としましても新しい世界は不安と楽しみが半分半分で緊張していたのですが、女神様の話しを聞いた今は安堵と知りたいという気持ちが先にあって楽しみでドキドキしてばかりです。何から何までお気遣いいただき、本当にありがとうございます!」
「まぁ…ふふっ、いいえ新咲。私としては当然の行いです。むしろ──、これからが私の真骨頂ですわね!」
「へぁ?」
本当に感謝しきれない、と思いながら感動していた矢先、女神様が大変良い笑顔で高らかと宣言をしたので突然の彼女のテンションの違いに頭がついていかず、変な反応となってしまってことは…許して貰えると嬉しい。