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目覚めたら、女神様の胸の中 95

◆◆




二人でこれからも会えるとわかった為か、暫く経ってリラちゃんは素直に身を離してくれた。

これも女神様の配慮のお陰で本当に有難いと思いつつも、もう少しで胃とか内臓とかが無事ですまなくなっていたと実感した私は、まだまだリラちゃんへの愛の修行が足りていないのだとひどく痛感するとともに、次回の再会ではしっかりと彼女を受け止めきれるよう身体を鍛える事を第一目標とするべく決心を固めていた。



(今のリラちゃんでこれくらいの強さなら、将来大きくなった時はもっと力が増しているかもしれない。それなら次回こそ余すことなく全てを受け止めてあげなくっちゃ!)



まだ転生後の世界や生活、住人の様子すら分からない状態ながらも、志だけは忘れてはならないと言わんばかりにキリッと何も無い空間を見据えた私は、見えない何かに向かって早速誓いを立てることを忘れなかった。

が、そんな私の様子を見て祖母はこちらの心情が手に取るように分かったらしい。一先ずリラちゃんの激情と私の検討違いな努力は緊急性に欠けるとして横に置いておく事にしたようだ。突っ込みを敢えて放棄した祖母は、先にこれからの動向を優先させることにしたようで、神様に「で、これからどうすんだい?」と説明を促していた(放置しないで!おばあちゃん)



「…では、新咲(さらさ)とリラのこれからについても問題が解決した様子だし、私達地球側は先に星へと戻る事としよう。リラと縁の神、それから祖母殿はこちらへ。通ってきた“道”を使って一気に星へと降るからね」


「あいよ、りょーかい」



神様の言葉を合図に、おばあちゃんがそれぞれ反応を示す前にリラちゃんと縁の神様をリードしながら二人が最初に現れたらしい場所へと誘導して上手くこちらと距離を取る。

その様子を見て、とうとうお別れの時間となってしまった事を察した私も、気付かれない程度に一歩二歩後退してさらに距離を取った。

出会えた皆と暫くの間お別れとなってしまうが、また必ず会える。

不思議と祖母の存在も含めて今度はそう確信出来たのも、縁の神様という存在が居てくれたお陰なのかもしれない。今度は抵抗感無くお別れを受け入れている自分がいるのが不思議で、それも不快ではない、また会える楽しみに喜びが止まらないようなわくわくする気持ちがいっぱいになっていて。



「また、必ず会おうね!リラちゃん、おばあちゃん、縁の神様。それと…地球の神様も!」


「!……あぁ、では、また」



神様の返事を境に、他の面々が口を開く前に最初にこちらに出現した時と同様の眩い光の洪水が直ぐ様表れたかと思ったら、次の瞬間にはもう眩しさのカケラも皆の存在も跡形もなく痕跡が消え失せていて。

一瞬で、お別れという一大イベントがあっという間の出来事となった事に、侘しさすら感じる隙間もなく、私は皆の存在をまだ身近に感じたまま女神様とこれからの私の世界へと向き直るのだった。

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