目覚めたら、女神様の胸の中 83
「ぐふぅ……っ!!!可愛さで胸を撃ち抜かれて心が痛い!!これが巷で噂の尊いという感情…!」
「…………落ち込んだり悶えたりと忙しないねぇ、新咲。見てる分にはだいぶ面白いがちったぁ落ち着いたらどうだい?」
「む、無理ぃぃいいい!…というか、おばあちゃんもリラちゃんにこんな可愛い事言われてみなよ!!きっと私の気持ちが分かる筈で」
「生憎と、あんたで間に合ってるね」
「……え」
「それよりリラは本当に不満は無いって事でいいのかい?」
「ん、おねえちゃんとわたし、これから生まれかわったら、べつべつになっちゃうの、分かる……。すごくかなしいけど、でも、カラダだけでも、おねえちゃんがそばにいるってわかったら…すごく安心」
「っ、ふぐぁあああああっ!!!可愛い!可愛い!可愛いよぅううううー!!!!」
「………あー…壊れたね」
リラちゃんの反則級の可愛さに猛然と祖母へと抗議をしようとしたところ逆に思わぬ反撃に合い、さらにさらに可愛いらしいリラちゃんのトドメとなる追撃プラス満足気な顔にとうとう感情が爆発しまくった私は、必死に崩れ落ちまいとするかのように縁の神様にすがる気持ちで高速頬擦りをし、自身の滾る感情を発散させるように素直な身の内の声を叫びまくっていたのだった。
「(何て羨ましい…!!!)では新咲、リラもこうして強く望んでいることですし貴方の身体に彼女が入る事を許していただけますか?」
「そんな許すも何も、リラちゃんが望むなら是非に!私なんかの身体で安心が得られるならいくらでも希望を叶えてあげて下さい!!」
「ああ、なんてことでしょう…!新咲が純粋過ぎて私は胸がいっぱいです。…ありがとうございます、新咲」
「……………………我が孫ながらちょろ過ぎて物凄く心配だよ、おばあちゃんは……」
リラちゃんの言葉に心を打たれた私は、確かに転生してしまったならばそこが二人の別離の時だと分かった瞬間、彼女のいじらしさに胸をきゅんきゅん締め付けられながら是非にと肯定の言葉を告げていた。
が、その瞬間おばあちゃんが残念な子を見るようにこちらを見て一言ぽつりと呟いていた事やひそかにリラちゃんを使って私が承諾するように上手く女神様が誘導していた事など露知らず、祖母の心配をよそに私は彼女の次の生が安心出来るものであるようにと心から強く願わずにはいられない気持ちでいっぱいなのだった。