目覚めたら、女神様の胸の中 82
思わず主張が激しくなってしまった為に力強く拳まで握りながら希望を叫んでみたのだが、神様にはあっさりと「却下」とすげなく断られてしまった。
ぐぬぅ、一体何故に!!?
「……少し前に伝えたと思うが、今回の新咲とリラの転生はもともとそこに居るメガ=ミラーヌたっての願いから成立した契約上の交換だ。だからこそ、神と神が誓約を交わした以上それを破る事は余程の事が無い限りあってはならないし、また無理に破棄をすることも二つの星にとって悪影響にしかならない。…君の気持ちは十二分にわかるが、今回は双方の星の為だと思って理解しておくれ」
神様の気遣うような幼子を宥めるような説明に、人同士の約束事と同等のような感覚で言葉を口にしてしまった私は、直ぐ様感情でモノを伝えてしまった自分に恥ずかしさと申し訳なさを覚えていた。
今の今までそこまで重大に感じていなかったが、そういえばこの転生は神様同士の約束事から成ったのだ、と改めて今思い出したのだ。
説明を聞きながら事の重大さをまったく認識していなかった私は、改めて深い羞恥に襲われながら大分落ち込みかけたのだが、その際こちらの心情が分かったのだろう。女神様がぽつりと声を発してくれた。
「………何やらその言い方ですと私の希望が単なる我が儘だと伝わる意味合いに聞こえるのですが、気のせいでしょうか?」
「気のせいだ気のせい」
「まぁ、雑なあしらい方。そんな事だから貴方は時に気が回らないのですよ。…新咲、気にやむことはありません。全ての責任は私にあるのですから後々のあふたーけあなるものも万全を期して努めさせて頂きますわ。だから二人とも今は心配せずそれぞれの星でそれぞれのやるべき事をいたしましょう。……一先ずは新咲、貴方はご自分の身体にリラが入る事を承服致しかねるのですよね?」
「う……ぇえと、リラちゃんにはリラちゃんの新しい人生を歩んで欲しくて。それなら私にならなくてもいいんじゃないかと思った次第なんですが……」
女神様の質問にぎこちないながらも自分の考えを言葉にして伝えてみれば、ならば…と今度はリラちゃんの方を向いて彼女は同じ質問をリラちゃんに投げ掛けていた。
「リラ、貴方はどうなのです。新咲の身体に転生する事へ否はありますか?」
「わたし、おねえちゃんといっしょ、いたい」




