目覚めたら、女神様の胸の中 21
いよいよ核心に迫る──そんな矢先に、彼女は突然突拍子もないことを切り出した。
「…時に、新咲のおばあ様は日常どのような事をして過ごされていたのでしょうか?」
「え…?お祖母ちゃん…ですか?」
「えぇ」
唐突な質問に困惑が勝る。
これまたさっきの星の話しと言い何の関係があるのだろうかと思ったが、今回は大人しく素直に答えを口にしていた。
「うーんと…特にこれと言って特別なことは何も…。そうですね、朝起きて毎日欠かさず近所の神様に挨拶とお供えをして、後は…よく庭とかのお手入れをしたり家や周りの掃除をしたりと極々普通に過ごしていましたね」
うん。平凡で穏やかな老後を送っていた筈だ。
時折私が遊びに行って走り回って庭を荒らしていた以外は…。
「ま、まぁ、至って普通に過ごしていたと思いますよ?」
「そうですか。それはそれは平穏で、とても幸福な日々だったのでしょうね。私も新咲の祖母としてそんな日常を送っていたのならば、毎日が途方もない幸せで一杯で永遠に長生きができたかもしれません!」
ニコリと、それこそ本当に望んでいるように笑顔でほぅ…とため息を吐いた女神様へ、対する私は内心突っ込みが止まらずいやいやいやいやと首を横にふっていた。
(う、うーん、それはどうかなぁ。神様だから寿命は無いと思うのだけども……うん、にこにこしている所に突っ込むのも無粋な気がする…)
無難に同意のこもらない声音で「そ、そうですかね〜」とか何とか返事をしておいたのだが、女神様が着目していたのは別のところだったのだと次の一言でよくわかったのだった。
「…では、お祖母様は毎日欠かさず神へと挨拶に行っていたのですね?」
「あ、はい。若い頃から挨拶をするのが普通だったので、祖母が歩けるうちはずっと通っていたみたいです」
「そうでしたか…。なればこそ、お祖母様は私達と少なからず縁が繋がっていたと言うことになりますね」
「えにし…ですか?」
「ええ、神と人とでしたら僅かな細い縁かもしれませんが、お祖母様が若かりし頃から行なっていたのであれば、長きにわたる年月が味方をしてとてもとても協力な繋がりとなっていたに違いありません。…ようやくわかりました」
今回の呼び寄せにはその縁が関係しているのですよ──と女神様に伝えられ、俄に目をパチパチと瞬く。
お祖母ちゃんが毎日神様に挨拶をしていただけで、現在の状況になるとは一体どういったことだろう。




