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目覚めたら、女神様の胸の中 2

「…え?」



戸惑いの声と困惑の空気が若干前方から伝わってくる。──が、ぼんやりとした意識の前ではそれらも完全に無と化し、私は若干下から見上げる形で、目の前の理想的な胸元をじっと凝視しつつ私的な基準に添って評価をつらつらと頭に述べ立てていった。



(ほんとに綺麗にふっくらと丸みがあって、それでいながら半円よりも大きいサイズ感が理想的というか眼福というか。張りがあるし、何より一番は、服の上からでも分かる淫靡さの皆無が清廉な人となりを表してるっていう…。もう胸だけで人格が分かるって言うかやっぱり格好って大事なんだねっていうか……)



しみじみと胸からどんどん思考が外れ、終いには「着衣の乱れは思考の乱れ!」などと、どこかの道路表記の看板にありそうな謳い文句を一言脳内でこぼしつつ、そこでやっと、こんな理想的な胸元の持ち主はどんな人物か、と視線をさらに上方向に修正してみて。



───私はただただひたすら、面食らっていた。



「あの…サラサ?大丈夫でしょうか…?魂の回復はもう順調だと言って差し支えないと(わたくし)は思っていたのですが、どこか不具合がありましたか?辛いなら辛いとすぐに伝えてくださいね。(わたくし)は貴方に痛みを我慢されるのが、何よりもどかしく耐え難いのです」



ふんわりと広がる金の髪。その合間から見える見目麗しい──ほんっっっとうに色白で、蠱惑的でない健康的な赤い唇に、優しげな目を持つ緑の瞳の──彼女が、困ったような悲しいような表情でこちらを見ながら真摯に言葉を紡いでくれていたので。

咄嗟に私は「迷惑を掛けている!」と、半ば条件反射の様に身を起こして、土下座の体制に近いスタイルで弁明をし始めたのだった。

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