目覚めたら、女神様の胸の中 19
「こほん……それでは、改めまして。私から事の詳細について今から説明させていただきます。新咲、単刀直入に尋ねますが…貴方は自らが住んでいる星とは異なる世界があることを知っておりますね?」
「え、それはまぁ…はい」
住んでいる星となると地球以外の星という事になるのだろうか。それならば多分、小学生でも分かることだ。天体は今ではたくさんの星が見つかっている。私は天体観測も大好きで、さすがに専門的に詳しくとはいかないまでもよくよく空を見上げては星空に何の星があるのかとよく調べては眺めていた。
それが一体、今と何の関係があるのだろう。
「…空や星の図鑑を眺めては目元を和ませる貴方が好ましく、いつまでも見つめていたいとまばたきを抑えては毎日一挙手一投足を見つ──ではなくてですねっ!…えぇと、確かに新咲たちの星の者達にはたくさんの星への知識が多くありました。ですが、目に見える世界以外にも多くの星々というものは存在しておりまして。新咲には事故をきっかけに急遽私の星へと転移してもらうことが決まりました。今は心と魂の準備期間中と言いましょうか。きちんと説明した上で貴方には私の星の住人になって貰おうと思っているのです。何と言いましたか、そう、新咲が読んでいた書物にも書かれていた言葉──いわゆる「異世界転生」と言うモノですね」
大変的確に表した言葉がもうあるだなんて、新咲の星は新咲が過ごしていただけあってやはり凄いですね──と、にこやかに彼女に告げられて、異世界転生って物語の中の出来事じゃないのかとか、何で自分が今ここに?とか色々疑問が湧いて出てきていたけれど、これだけは確実に絶対に聞いておかないとと思い、疑問を恐る恐る口にしてしまった。
「…“わたくしの星”って言うことは、まさか貴方は…?」
私の恐れ戦く気持ちとは裏腹に、彼女はニッコリと今までの中でも最大級の笑顔を浮かべて、無慈悲な言葉を言い放つ。それは先の衝撃にも負けない特大級の挨拶だった。
「…名乗りが遅くなりましたこと、深く陳謝いたします。私は愛を司る女神メガ=ミラーヌ。貴方をこの地に呼んだのも、星への転移を決定付けたのも、紛れもなく私自身が願ったために起きた事となります」