目覚めたら、女神様の胸の中 18
「さ、左様でございますか…」
照れ隠しも含めて微妙なニュアンスで肯定の意を示すと、彼女はとてもいい笑顔でさらに爆弾を落としていった。
「ええ、もうそれは真に!潤む瞳の美しいこと美しいこと!!まるで輝く希石と言っても過言ではなく私としてはその輝きを見つめるだけで胸が高鳴り目が反らせない状態となりまして新咲の魅力がまたさらに一段と上がりましたと言うなれば今までが魅力的では無かったのかと言いますとその様なことはなく普段の新咲もそれはそれは可愛らしくとても愛おしさで溢れており頭のてっぺんから足元まで言うなれば新咲が通った痕跡ですら輝いて見えて私はその全てを欲したいと願いながら今まで静かに見守っていたわけですがこうして本人を目にすると愛おしさはさらに募りあまつさえこんな上目遣いに初々しい赤らんだ頬や口元を見せられて私としては理性を試されているのではと思うくらいに心震えておりましてその涙ですら甘露というよりそれ以上の価値を持つしずくとして私直々に拭ってあげたいと言いますかもう貴方の星の同志の言葉を借りるならば尊いと言う言葉しか生まれな」
「!?!?す、ストップストップー!!!」
「あら、何でしょう。新咲」
今まで早口で息継ぎ無しに言葉を紡いでいた人とは同一人物と思えないほどに、息切れもなく穏やかに返事をする目の前の彼女へ一抹の不安がよぎる。
さっきの状態は間違いなくおかしかった。
(…もしや、危険人物!?)
今までは特に感じていなかったが、不信感を募らせながら疑惑有りげに見つめていると、途端に彼女が挙動不審になり不信感はさらに強くなっていった。
(もしかして、やっぱり変態のたぐ…)
「ち、違います新咲!話しを、私のお話しを聞いて下さいっ」
挙動不審ながらいまだに私の身体を離さず、むしろ先ほどよりも強くがっちりと拘束を強めにしている現状に、結局どっちみち話しを聞かない限りは解いてもらえないと悟った私は、これだけはと念のため疑問という名の確認を取ることにするのだった。
「えぇ〜と………本当に、違うんですか?」
「誓って!」
たぶん疑われたショックなのだろう。ほとんど悲哀を込めた返事なのに、何故だろう。
瞳は輝いて頬も少し赤らんでいるように見えたのだが気のせいだったのだろうか。