初めまして、異世界 44
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「つつ、突然何をっ……………いや、すまん。当初の目的を忘れて冷静さを失っていた。この子の話しもこの場で詳しく聞き込む必要性はなかったのに、つい我を忘れていきなり急かしてしまった。…悪かったな。……が、お前たち、もう少し手加減というものをしてくれないか。一応頑丈ではあるものの痛いものは痛いんだ」
「フンッ、知らないよ!あんたがいつまでもご主人を離さないのがいけないんだろっ。僕だってまだご主人にすりすりをいっぱいしてないって言うのに!!」
「そうだぞ!!俺だってまだまだご主人にいっぱい撫でて貰えてないのに、お前ばっかりご主人を抱っこして独り占めしててずるいっ!!!ご主人にはこれからもいーっぱい俺達の匂いをつけて貰ってずぅうっと撫でて貰いまくるんだからな!」
「抱…っ!?そんなことするわけないだろう!それにこの子があのまま転んだら、この可愛らしい存在にキズが付くんだぞ!?そんな事は絶対にあってはならないことだっ!」
「ちょぉおおお!サイラスさん!?いきなりごうごしたかとおもったらこんどはごらんしんなのぉおお!??みんなしっかりしてー!!!」
グルルルと鼻息を荒くしながら可愛い要求をする二匹に、話しの当事者として二匹の怒りっぷりを宥めていいものかそれともサイラスさんを放り投げちゃった事を怒ればいいのか迷っている間に、今度は今のいままで冷静さを忘れていなかったサイラスさんの方が唐突にご乱心となったため、ぎょっとした私は一先ず皆にヒートアップを止めるよう一旦冷静さを取り戻してもらうように声を張り上げ、静止の言葉を立て続けにかけつづけたのだった。
「にひきとも!!サイラスさんにケンカをふっかけるようなことをしないの!!!さっきころぶところをたすけてもらったことはじじつなんだし、それからサイラスさんはしんぱいしてきづかってくれてただけなんだから!みょうなことはいわないで、にひきにはこれからもいーっぱいなでなでをしてあげるからそんなにはげしくおこっちゃダメだよ!!…それからサイラスさんも!にひきはいいまわしがうまくできないのでちょっきゅうでうけとらないでください!!ごかいをまねくいいかただったけど、わたしはちがうってわかってますから!だから、だからサイラスさん、おねがいですからさっきまでのサイラスさんにもどってください〜!!いみふめいなことをいってるサイラスさんをみてると、さっきほうりなげられたえいきょうであたまをうっちゃったんじゃないかってしんぱいします…!!」